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第二章
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「えっ?」
ヒロインちゃんよく覚えているなぁ。
って、そうじゃなくって全然台詞違うじゃないの。
「ははっ。アンナ嬢も前世の記憶があるんだね?よく覚えているね。でも、ナギのことは知らないのか。君たちは隠しキャラルーとをクリアしていないんだね?」
私の髪を弄びながら、アレキサンドライト様が続ける。
ヒロインちゃんもこの台詞にはビックリして、目をまあるくしている。天使の容貌なのに、さらに可愛くなってどうするの、ヒロインちゃん。
「・・・あなた、誰?」
ヒロインちゃんが乾いた声をだした。そうとう驚いているようで、いつもの勢いがない。
辛うじて声を発したような感じだ。
「僕?僕はこのゲームの開発者で、前世ではアルメディア嬢の義理の兄だったんだよ」
義理の兄!?
兄って!!
「あの変態ハル兄!!」
「そうだよ。僕の愛しい華?」
「はあ?」
ぎゅっと頭が痛む。
思わず両手で頭を抱えて蹲った。
私は、なにかを忘れている。
前世であった大切な何かを・・・。
思い出してはいけない。
思い出したら辛くなる。
・・・だから思い出してはいけない。
そう言い聞かせて封じ込めてきた記憶。
外に出してはいけない記憶。
思い出したくないのに溢れてくる記憶に身体が拒絶する。
激しい頭痛が私を遅い、心配そうに声をかけてくるヒロインちゃんの声も遠くかすれて聞こえるだけ。
「大丈夫」と返事をしたいのに、声をだすこともできない。
「安心して、アンナ嬢。華ちゃんは前世の記憶を思いだそうとしているんだよ。華ちゃんには前世の記憶は不要なものだった。でも、僕は思い出してほしかったんだ。どうしても。」
ヒロインちゃんよく覚えているなぁ。
って、そうじゃなくって全然台詞違うじゃないの。
「ははっ。アンナ嬢も前世の記憶があるんだね?よく覚えているね。でも、ナギのことは知らないのか。君たちは隠しキャラルーとをクリアしていないんだね?」
私の髪を弄びながら、アレキサンドライト様が続ける。
ヒロインちゃんもこの台詞にはビックリして、目をまあるくしている。天使の容貌なのに、さらに可愛くなってどうするの、ヒロインちゃん。
「・・・あなた、誰?」
ヒロインちゃんが乾いた声をだした。そうとう驚いているようで、いつもの勢いがない。
辛うじて声を発したような感じだ。
「僕?僕はこのゲームの開発者で、前世ではアルメディア嬢の義理の兄だったんだよ」
義理の兄!?
兄って!!
「あの変態ハル兄!!」
「そうだよ。僕の愛しい華?」
「はあ?」
ぎゅっと頭が痛む。
思わず両手で頭を抱えて蹲った。
私は、なにかを忘れている。
前世であった大切な何かを・・・。
思い出してはいけない。
思い出したら辛くなる。
・・・だから思い出してはいけない。
そう言い聞かせて封じ込めてきた記憶。
外に出してはいけない記憶。
思い出したくないのに溢れてくる記憶に身体が拒絶する。
激しい頭痛が私を遅い、心配そうに声をかけてくるヒロインちゃんの声も遠くかすれて聞こえるだけ。
「大丈夫」と返事をしたいのに、声をだすこともできない。
「安心して、アンナ嬢。華ちゃんは前世の記憶を思いだそうとしているんだよ。華ちゃんには前世の記憶は不要なものだった。でも、僕は思い出してほしかったんだ。どうしても。」
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