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第二章

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「わからないわ。ナギ様がどんな隠しキャラの猫なのか。そうぞうもつかない。だって私はナギ様にもゲームの中では遭遇しなかったのよ。アルメディアは何か思い当たるところないの?」



ヒロインちゃんに心当たりはないか。

そもそもナギ様に会ってもいないんだから、当たり前かぁ。



私は必死に前世の乙女ゲームの内容を思い浮かべる。



・・・ダメだ。猫様たちの姿しか思い出せない。



ふるふると首を横に振り、ヒロインちゃんにわからないと伝える。



「ごめん。ぜんっぜんわかんない。あのゲーム、猫が可愛かったから買ったんだし、ストーリーも実はほとんど覚えていないの。猫様たちのことしか覚えてないの・・・」



「はぁ・・・」



そう言ったら、ヒロインちゃんが大きなため息を一つついた。どうも、呆れられているらしい。

ごめんねぇ。とヒロインちゃんに向けて頭を下げる。



「思い出してよ、アルメディア嬢」



「そうよ、思い出して!・・・っえ?」

「え?」



前世の乙女ゲームの会話をしていると突然、私たちの会話に割り込んできた声がした。

ぎぎぎっと声のした方を振り向くと、そこにはアレキサンドライト様がいた。



「まったく全然思い出さないんだもんねぇ。アルメディア嬢?僕のことわからないの?」



「えぇ?」



「知り合いなの?どういうこと?」



アレキサンドライト様の台詞に同様を隠せない。

アレキサンドライト様は前世の私を知っているの?どういうこと?

疑問符ばかりが頭に浮かぶ。



混乱の極みに達している私の髪を一筋とって、そっと口づけを落とすアレキサンドライト様。



「スチルだわ。これ」



それを見て、ヒロインちゃんが項垂れている。

確かに、こんな場面がゲームにあったような気がする。

って、また私がヒロインで話が進んでるっ!!



「ゲームのアレキサンドライト様もこんな台詞だっけ?」



「こら、アルメディア嬢。こういう場面では僕に酔ってくれなきゃ?」



耳元で囁かれたっ!!



「こんな意味深な会話じゃなかったわよ。確か『アルメディア嬢。君はティーガをとても愛しているようだね。その愛のほんの一欠片でもいいから僕にくれないかな?』って台詞よ!!」
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