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第二章
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始業式はつつがなく終了した。
ここでのイベントはヒロインちゃんが遅れて登場するシーンだが、転生者なヒロインちゃんはもちろん遅れてなんてやってこない。
つまり、始業式でのイベントは発生しなかった。
このあとは。教室に戻っての自己紹介のシーンがある。ここで、ヒロインちゃんとマクロン様の絡みがある。
元気いっぱいのヒロインちゃんにマクロン様が「うるさい」と一言言うのだ。
さて、どうなるのか私は一生徒として観察する。
「さて、初等部からの持ち上がり組も多いけど、初めて会うものも多いことでしょう。一人ずつ自己紹介をおこないましょう。では、廊下側の前から順に自己紹介をしてください。」
あれ?
あれれ???
自己紹介することになるのは一緒だけど、なんでここで攻略対象が担任になっているの??
攻略対象の一人、マーベルク・ダージキール。
それが、担任の名前だ。
整った顔立ちには柔和な笑みが浮かんでいる。
生徒たちの中にも先生をぽぉーと眺めている女子生徒もいる。
それはいいんだけど、なぜ担任?
思わず、ヒロインちゃんの顔を見てしまった。
ヒロインちゃんも、私の方を見つめていたので、目がバッチリと会う。
ヒロインちゃんもやはり、ビックリしているようだ。
目をパチクリと瞬いている。
それでも、自己紹介が続いており、ヒロインちゃんの番になる。
スッと立ち上がったヒロインちゃんは、落・ち・着・い・た・淑・女・の笑みを浮かべて自己紹介をおこなう。
「アンナ・ランドイッチです。皆様ご存じかと思いますが、私はランドイッチ男爵を父に持ちます。母親は正妻ではありませんが、男爵令嬢として10才の頃から育てられました。生粋の令嬢ではございませんが、皆様の学友として相応しくありたいと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします」
うむ。
スラスラと淑女のように告げ、恭しく着席する。乙女ゲームのヒロインちゃんんとは思えないほど、落ち着いた淑女がそこにいた。
特訓の成果があったわね。
もちろん、これは私がスパルタ指導した。
少しでも、断罪&ざまぁ要素をなくすためだ。
ここで絡む予定のマクロン様も特に何も言わない。
どうやらイベントはスルーされたようだ。
ホッと息を吐いた瞬間、
「では、アルメディア嬢、自己紹介をよろしくお願いいたします」
マーベルク先生の声が響いた。
ん?
おかしい。
なぜ、今私のファーストネームを呼んだ?
おかしいぞ。
この世界、ファーストネームで呼び会えるのは親しい間柄というのが鉄則だ。
それが、なぜ?
「アルメディア嬢?」
考え混んでしまった私にもう一度名前を呼ばれる、
「は!はひぃ!!」
あ、噛んだ。積んだ。
穴があったら入りたい。
「アルメディア・レコンティーニですわ。よろしくお願いいたしますわね」
早口でそれだけ告げるとさっと席に座る。
恥ずかしい。
このまま埋まりたい・・・。
ここでのイベントはヒロインちゃんが遅れて登場するシーンだが、転生者なヒロインちゃんはもちろん遅れてなんてやってこない。
つまり、始業式でのイベントは発生しなかった。
このあとは。教室に戻っての自己紹介のシーンがある。ここで、ヒロインちゃんとマクロン様の絡みがある。
元気いっぱいのヒロインちゃんにマクロン様が「うるさい」と一言言うのだ。
さて、どうなるのか私は一生徒として観察する。
「さて、初等部からの持ち上がり組も多いけど、初めて会うものも多いことでしょう。一人ずつ自己紹介をおこないましょう。では、廊下側の前から順に自己紹介をしてください。」
あれ?
あれれ???
自己紹介することになるのは一緒だけど、なんでここで攻略対象が担任になっているの??
攻略対象の一人、マーベルク・ダージキール。
それが、担任の名前だ。
整った顔立ちには柔和な笑みが浮かんでいる。
生徒たちの中にも先生をぽぉーと眺めている女子生徒もいる。
それはいいんだけど、なぜ担任?
思わず、ヒロインちゃんの顔を見てしまった。
ヒロインちゃんも、私の方を見つめていたので、目がバッチリと会う。
ヒロインちゃんもやはり、ビックリしているようだ。
目をパチクリと瞬いている。
それでも、自己紹介が続いており、ヒロインちゃんの番になる。
スッと立ち上がったヒロインちゃんは、落・ち・着・い・た・淑・女・の笑みを浮かべて自己紹介をおこなう。
「アンナ・ランドイッチです。皆様ご存じかと思いますが、私はランドイッチ男爵を父に持ちます。母親は正妻ではありませんが、男爵令嬢として10才の頃から育てられました。生粋の令嬢ではございませんが、皆様の学友として相応しくありたいと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします」
うむ。
スラスラと淑女のように告げ、恭しく着席する。乙女ゲームのヒロインちゃんんとは思えないほど、落ち着いた淑女がそこにいた。
特訓の成果があったわね。
もちろん、これは私がスパルタ指導した。
少しでも、断罪&ざまぁ要素をなくすためだ。
ここで絡む予定のマクロン様も特に何も言わない。
どうやらイベントはスルーされたようだ。
ホッと息を吐いた瞬間、
「では、アルメディア嬢、自己紹介をよろしくお願いいたします」
マーベルク先生の声が響いた。
ん?
おかしい。
なぜ、今私のファーストネームを呼んだ?
おかしいぞ。
この世界、ファーストネームで呼び会えるのは親しい間柄というのが鉄則だ。
それが、なぜ?
「アルメディア嬢?」
考え混んでしまった私にもう一度名前を呼ばれる、
「は!はひぃ!!」
あ、噛んだ。積んだ。
穴があったら入りたい。
「アルメディア・レコンティーニですわ。よろしくお願いいたしますわね」
早口でそれだけ告げるとさっと席に座る。
恥ずかしい。
このまま埋まりたい・・・。
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