上 下
13 / 39
1章

11話──謎だらけのおじいさん

しおりを挟む
「おい!お前そこをどけ。」
例のおじいさんだ。

「どうぞ。」
俺はベンチの端にズレた。

「そのベンチからたて!」

「え?なんでですか?」

「わしの荷物がおけないじゃろ!」

「でも、俺が先に座ってたんですよ?」

「おまえ!年寄りにたってろって言うのか!」

「いや、あなたが座って荷物を下に置けばいいじゃないですか。」

「わしの荷物を下に置けじゃと?汚れるではないか!」

「じゃあ膝の上に乗せればいいですよ。」

「まったく、仕方ないのう。」

「おじいさんはなんで毎日ここにいるんですか?」

「む!なんだね。わしの話を聞きたいのかね?」最近誰とも話さなかったのだろうか。とても嬉しそうだ。

「はい。聞きたいです。」

「そうじゃのう。わしの妻がまだ生きてた時にここでよくおしゃべりをしたりお菓子を食べたりしてたのじゃ。じゃが、去年妻は他界してしまってなあ。それ以来わしはいつかまた妻に会えると信じて毎日ここに来てるんじゃよ。」

「そうだったんですか。そんな悲しい出来事があったなんて...」

「わしも妻なんて来ないとは思っているんだが、習慣になってしまって毎日ここに来るようになってしまった。今日はありがとな。久しぶりに話し相手が出来てわしも妻と話せた気分になれた。そろそろ帰ろうかのお。」

「あ、おじいさんこれどうぞ。」
焼き鳥を手渡した。

「いいのか?」

「はい!話を聞かせてくれたお礼です。」

「ありがとうな。今日はちょっと早いけど帰る。また話し相手になってくれ。」

「はい。いつでも話し相手になりますよ!」

「では、じゃあな。」

「さようなら。」

リュウは謎だらけのおじいさんのクエストを達成しました。

「おぉ!すげえ!報酬がやばい...」
10万ゴールドにアクセサリーEXガチャチケット2枚、スキルガチャチケット?なんだそれ。

「とりあえずマイさんのところに行くか。」
おすそ分けになんか食べ物でも持っていこう。

「流石に焼き鳥は飽きてきた。今日はベビーカステラにしよう。祭りじゃないのに毎日売ってるなんて良心的だ。」

「すいませんベビーカステラ2つください。」

「はいよっ!お兄さんなんかいい事あったんかい?」

「分かります?ちょっとクエストが成功して、お財布がホカホカなんですよ。」

「それはおめでたいな。ほらよ!ベビーカステラ2つだ。中にお祝いとして少し多めに入れといたからまた来てくれよな。100ゴールドだ。」

「はい。わかりました。ありがとうございます。」

「ガチャ」

「マイさんこんにちは!」

「あらリュウくん帰りが早かったわね。」
朝の11時に出て1時に帰ってきちゃったのだ。

「ちょっといいことがありましてね。これお土産です。」

「わあ!ありがとう。ベビーカステラなんで久しぶりに食べるわ!」

「それでおじいさんのクエストクリアしちゃいました。」

「そうなんだ。それにしても美味しいわ......ね?え?今なんて「クエストクリアした」って聞こえたような...でもそんなはずないわよね。」

「クエストクリアしましたよ!」

「うそ!!!すごい!どうやって?」

「おじいさんとお話したらクリアしましたよ。」

「いや、あのおじいさん話しても無視するよ?」

「その話は後ほどにして報酬が異常なんですよ!」

「そうなの?」

「はい!10万ゴールドにアクセサリーEXガチャチケット2枚、スキルガチャチケットです。」

「うわ!流石ネタクエストなだけあるわね。」

「早速ここで引いてみていいですか?」

「いいわよ。」
そしてリュウはメニューを開いた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

沢山寝たい少女のVRMMORPG〜武器と防具は枕とパジャマ?!〜

雪雪ノ雪
ファンタジー
世界初のフルダイブ型のVRゲーム『Second World Online』通称SWO。 剣と魔法の世界で冒険をするVRMMORPGだ。 このゲームの1番の特徴は『ゲーム内での3時間は現実世界の1時間である』というもの。 これを知った少女、明日香 睡月(あすか すいげつ)は 「このゲームをやれば沢山寝れる!!」 と言いこのゲームを始める。 ゲームを始めてすぐ、ある問題点に気づく。 「お金がないと、宿に泊まれない!!ベットで寝れない!!....敷布団でもいいけど」 何とかお金を稼ぐ方法を考えた明日香がとった行動は 「そうだ!!寝ながら戦えばお金も経験値も入って一石三鳥!!」 武器は枕で防具はパジャマ!!少女のVRMMORPGの旅が今始まる!! ..........寝ながら。

チート級スキルを得たゲーマーのやりたいことだけするVRMMO!

しりうす。
ファンタジー
VRゲーム【Another world・Online】βテストをソロでクリアした主人公──────雲母八雲。 βテスト最後のボスを倒すと、謎のアイテム【スキルの素】を入手する。不思議に思いつつも、もうこのゲームの中に居る必要はないためアイテムの事を深く考えずにログアウトする。 そして、本サービス開始時刻と同時に【Another world・Online】にダイブし、そこで謎アイテム【スキルの素】が出てきてチート級スキルを10個作ることに。 そこで作ったチート級スキルを手に、【Another world・Online】の世界をやりたいことだけ謳歌する! ※ゆるーくやっていくので、戦闘シーンなどの描写には期待しないでください。 ※処女作ですので、誤字脱字、設定の矛盾などがあると思います。あったら是非教えてください! ※感想は出来るだけ返信します。わからない点、意味不明な点があったら教えてください。(アンチコメはスルーします)

生産職から始まる初めてのVRMMO

結城楓
ファンタジー
最近流行りのVRMMO、興味がないわけではないが自分から手を出そうと思ってはいなかったふう。 そんな時、新しく発売された《アイディアル・オンライン》。 そしてその発売日、なぜかゲームに必要なハードとソフトを2つ抱えた高校の友達、彩華が家にいた。 そんなふうが彩華と半ば強制的にやることになったふうにとっては初めてのVRMMO。 最初のプレイヤー設定では『モンスターと戦うのが怖い』という理由から生産職などの能力を選択したところから物語は始まる。 最初はやらざるを得ない状況だったフウが、いつしか面白いと思うようになり自ら率先してゲームをするようになる。 そんなフウが贈るのんびりほのぼのと周りを巻き込み成長していく生産職から始まる初めてのVRMMOの物語。

Free Emblem On-line

ユキさん
ファンタジー
今の世の中、ゲームと言えばVRゲームが主流であり人々は数多のVRゲームに魅了されていく。そんなVRゲームの中で待望されていたタイトルがβテストを経て、ついに発売されたのだった。 VRMMO『Free Emblem Online』 通称『F.E.O』 自由過ぎることが売りのこのゲームを、「あんちゃんも気に入ると思うよ~。だから…ね? 一緒にやろうぜぃ♪」とのことで、βテスターの妹より一式を渡される。妹より渡された『F.E.O』、仕事もあるが…、「折角だし、やってみるとしようか。」圧倒的な世界に驚きながらも、MMO初心者である男が自由気ままに『F.E.O』を楽しむ。 ソロでユニークモンスターを討伐、武器防具やアイテムも他の追随を許さない、それでいてPCよりもNPCと仲が良い変わり者。 そんな強面悪党顔の初心者が冒険や生産においてその名を轟かし、本人の知らぬ間に世界を引っ張る存在となっていく。 なろうにも投稿してあります。だいぶ前の未完ですがね。

戦闘職をしたくてVRMMOを始めましたが、意図せずユニークテイマーという職業になったので全力でスローライフを目指します

地球
ファンタジー
「え?何この職業?」 初めてVRMMOを始めようとしていた主人公滝沢賢治。 やろうと決めた瞬間、戦闘職を選んでいた矢先に突然出てきた職業は【ユニークテイマー】だった。 そのゲームの名はFree Infinity Online 世界初であるフルダイブ型のVRゲームであり、AIがプレイヤーの様子や行動を把握しイベントなどを考えられるゲームであった。 そこで出会った職業【ユニークテイマー】 この職業で、戦闘ではなくてスローライフを!! しかし、スローライフをすぐにはできるわけもなく…?

怖いからと婚約破棄されました。後悔してももう遅い!

秋鷺 照
ファンタジー
ローゼは第3王子フレッドの幼馴染で婚約者。しかし、「怖いから」という理由で婚約破棄されてしまう。

三男のVRMMO記

七草
ファンタジー
自由な世界が謳い文句のVRMMOがあった。 その名も、【Seek Freedom Online】 これは、武道家の三男でありながら武道および戦闘のセンスが欠けらも無い主人公が、テイムモンスターやプレイヤー、果てにはNPCにまで守られながら、なんとなく自由にゲームを楽しむ物語である。 ※主人公は俺TUEEEEではありませんが、生産面で見ると比較的チートです。 ※腐向けにはしませんが、主人公は基本愛されです。なお、作者がなんでもいける人間なので、それっぽい表現は混ざるかもしれません。 ※基本はほのぼの系でのんびり系ですが、時々シリアス混じります。 ※VRMMOの知識はほかの作品様やネットよりの物です。いつかやってみたい。 ※お察しの通りご都合主義で進みます。 ※世界チャット→SFO掲示板に名前を変えました。 この前コメントを下された方、返信内容と違うことしてすみません<(_ _)> 変えた理由は「スレ」のほかの言い方が見つからなかったからです。 内容に変更はないので、そのまま読んで頂いて大丈夫です。

【完結】彼女以外、みんな思い出す。

❄️冬は つとめて
ファンタジー
R15をつける事にしました。 幼い頃からの婚約者、この国の第二王子に婚約破棄を告げられ。あらぬ冤罪を突きつけられたリフィル。この場所に誰も助けてくれるものはいない。

処理中です...