2 / 6
第一章 エレノアの語り
しおりを挟む石壁に両手足を、金属製の拘束具を取り付けられた女性がいる。石壁の隙間から、水滴の音が聞こえる。
パチッ
茶色のロング髪に黄色の少しボロボロになったワンピースの女性は、目を覚まし
「うわぁ~!あなた、人間よね?まぁ、動物でもいいけど!よかった!…ゴホン!初めまして!私は、エレノア・グランティよ!よろしくね!お会いできて嬉しいわ!
ごめんなさいね?こんな拘束具の姿で…
ん~なんというか、愚痴を聞いてもらいたいのよ?いいかしら?
簡単に言うとね、私の婚約者…(まぁ、従兄なのだけど…)と私の姉が浮気をしてたのよ!信じられる?
…?かっこいいかって?あーかっこいい部類だけど前髪のボリュームが、くるんとしていて…好きだったかと言われると、わからないの?ピンときてなかったし、でも仮にも婚約者なのに、お姉様とキスしていて…二人に裏切られたような気がしたのよ!
腹立つわよ!どういうことっ?!って思うでしょ?
…そしたらね、手の平から急に、光が出てきて婚約者の頬をかすったの…私には、力がある。
これは、お父様とお母様の約束だから…人には言えないの…フフっ、二人にも会いたいな…後で教えてあげるね!!…あっ!誰か来た!」
ガチャ
木の重い扉が開き、金髪で前髪が分厚く、くるりとしている青の軍服の男性と黒髪のセミロングに裾がくるりとカールが効いている淡い緑のワンピースを着た女性が入ってきた。
金髪の男性が
「誰と話している?」
と問う。
「…」
「フッ…力のおかげか?魔女め!!」
エレノアの緑の瞳が、二人を睨み付け
「…あら?お二人で御用ですか?」
近くに寄ってきた黒髪の女性が、
「エレノア!誤解よ!怒らないで!
それよりも…あなたの力に驚いたわ!!」
金髪の男性が黒髪の女性の肩に手をのせ
「アリア!心配するな!私が守ってやるからな!」
「ルイス!!」
エレノアは、二人のやりとりに鼻で笑いながら
「アハハっ!見せつけるなんて!ルイス、あなたは一応…私の婚約者よね?ただでさえ従兄と言うだけでキモいのに…ありえないわ!
それとお姉様?化けの皮が、剥がれてきていますわよ?」
バシっ
ルイスがカッとなり殴る。
「一応、アリアの妹だから生かしておいてやってるんだ!感謝しろ!!」
エレノアの口の端が切れ、血を吐き出す。
「…感謝しております!ルイス・エドガー伯爵!!」
ブン
エレノアは、ルイスの額に頭突きをした。
ルイスは、ふらつく。
「…この…フッ、まあ…いい。お前など、すぐ死刑にしてやる!行くぞ!アリア!」
そういって、出ていこうとした時にエレノアは、
「…この不細工貴族!!お前なんか、私がやっつけてやるわぁ!!!!!」
ルイスは、もう一度後ろを振り返りエレノアを殴る。
バシっ
「精々、生まれてきたことを呪え…魔女め!」
ルイスとアリアは、牢をあとにした。
エレノアは、
「死刑だ~?!!冗談でしょ?アイツに実力がないから…そんなこと言ってるのよ!勉強もできないから、使えないだけでしょうが!!
フッ…さて…」
石壁に少しだけ草が生えているのが見えエレノアは、言う。
「ねえ?もしもし、そこの緑の頑張ってる子?私に力を貸してくれる?」
「…僕、草だよ?…って、うわぁ!!人間って、草と話せるの?」
「…私だけかな?」
「マジか!そういえば、死刑とか言われてたけど逃げたいの?」
「話がわかるわね!あなた!」
「いいよ!人間と話せるなんて、草冥利に尽きるね!」
草は、エレノアの拘束具の鍵穴に入り鍵を開けた。
ガチャ ジャラジャラジャラジャラ
「ありがとう!!助かったわ!」
草は、ゆらゆらと揺れながら
「いいよ!いいよ!あっ!出口はね、この石とこの石を押せば外へ出られる井戸につく。そこで、頑張れば念願の脱出だね!!」
「OK!!じゃあ、行くわね!バイバイ!」
「じゃあね~頑張って♪」
石壁の大きな石と少し穴があいている大きな石を押すと地下階段が出てきた。
エレノアは、ためらいもなく階段をおりていった。
タッタッタッタッタッ
パチッ
茶色のロング髪に黄色の少しボロボロになったワンピースの女性は、目を覚まし
「うわぁ~!あなた、人間よね?まぁ、動物でもいいけど!よかった!…ゴホン!初めまして!私は、エレノア・グランティよ!よろしくね!お会いできて嬉しいわ!
ごめんなさいね?こんな拘束具の姿で…
ん~なんというか、愚痴を聞いてもらいたいのよ?いいかしら?
簡単に言うとね、私の婚約者…(まぁ、従兄なのだけど…)と私の姉が浮気をしてたのよ!信じられる?
…?かっこいいかって?あーかっこいい部類だけど前髪のボリュームが、くるんとしていて…好きだったかと言われると、わからないの?ピンときてなかったし、でも仮にも婚約者なのに、お姉様とキスしていて…二人に裏切られたような気がしたのよ!
腹立つわよ!どういうことっ?!って思うでしょ?
…そしたらね、手の平から急に、光が出てきて婚約者の頬をかすったの…私には、力がある。
これは、お父様とお母様の約束だから…人には言えないの…フフっ、二人にも会いたいな…後で教えてあげるね!!…あっ!誰か来た!」
ガチャ
木の重い扉が開き、金髪で前髪が分厚く、くるりとしている青の軍服の男性と黒髪のセミロングに裾がくるりとカールが効いている淡い緑のワンピースを着た女性が入ってきた。
金髪の男性が
「誰と話している?」
と問う。
「…」
「フッ…力のおかげか?魔女め!!」
エレノアの緑の瞳が、二人を睨み付け
「…あら?お二人で御用ですか?」
近くに寄ってきた黒髪の女性が、
「エレノア!誤解よ!怒らないで!
それよりも…あなたの力に驚いたわ!!」
金髪の男性が黒髪の女性の肩に手をのせ
「アリア!心配するな!私が守ってやるからな!」
「ルイス!!」
エレノアは、二人のやりとりに鼻で笑いながら
「アハハっ!見せつけるなんて!ルイス、あなたは一応…私の婚約者よね?ただでさえ従兄と言うだけでキモいのに…ありえないわ!
それとお姉様?化けの皮が、剥がれてきていますわよ?」
バシっ
ルイスがカッとなり殴る。
「一応、アリアの妹だから生かしておいてやってるんだ!感謝しろ!!」
エレノアの口の端が切れ、血を吐き出す。
「…感謝しております!ルイス・エドガー伯爵!!」
ブン
エレノアは、ルイスの額に頭突きをした。
ルイスは、ふらつく。
「…この…フッ、まあ…いい。お前など、すぐ死刑にしてやる!行くぞ!アリア!」
そういって、出ていこうとした時にエレノアは、
「…この不細工貴族!!お前なんか、私がやっつけてやるわぁ!!!!!」
ルイスは、もう一度後ろを振り返りエレノアを殴る。
バシっ
「精々、生まれてきたことを呪え…魔女め!」
ルイスとアリアは、牢をあとにした。
エレノアは、
「死刑だ~?!!冗談でしょ?アイツに実力がないから…そんなこと言ってるのよ!勉強もできないから、使えないだけでしょうが!!
フッ…さて…」
石壁に少しだけ草が生えているのが見えエレノアは、言う。
「ねえ?もしもし、そこの緑の頑張ってる子?私に力を貸してくれる?」
「…僕、草だよ?…って、うわぁ!!人間って、草と話せるの?」
「…私だけかな?」
「マジか!そういえば、死刑とか言われてたけど逃げたいの?」
「話がわかるわね!あなた!」
「いいよ!人間と話せるなんて、草冥利に尽きるね!」
草は、エレノアの拘束具の鍵穴に入り鍵を開けた。
ガチャ ジャラジャラジャラジャラ
「ありがとう!!助かったわ!」
草は、ゆらゆらと揺れながら
「いいよ!いいよ!あっ!出口はね、この石とこの石を押せば外へ出られる井戸につく。そこで、頑張れば念願の脱出だね!!」
「OK!!じゃあ、行くわね!バイバイ!」
「じゃあね~頑張って♪」
石壁の大きな石と少し穴があいている大きな石を押すと地下階段が出てきた。
エレノアは、ためらいもなく階段をおりていった。
タッタッタッタッタッ
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説

貴方を捨てるのにこれ以上の理由が必要ですか?
蓮実 アラタ
恋愛
「リズが俺の子を身ごもった」
ある日、夫であるレンヴォルトにそう告げられたリディス。
リズは彼女の一番の親友で、その親友と夫が関係を持っていたことも十分ショックだったが、レンヴォルトはさらに衝撃的な言葉を放つ。
「できれば子どもを産ませて、引き取りたい」
結婚して五年、二人の間に子どもは生まれておらず、伯爵家当主であるレンヴォルトにはいずれ後継者が必要だった。
愛していた相手から裏切り同然の仕打ちを受けたリディスはこの瞬間からレンヴォルトとの離縁を決意。
これからは自分の幸せのために生きると決意した。
そんなリディスの元に隣国からの使者が訪れる。
「迎えに来たよ、リディス」
交わされた幼い日の約束を果たしに来たという幼馴染のユルドは隣国で騎士になっていた。
裏切られ傷ついたリディスが幼馴染の騎士に溺愛されていくまでのお話。
※完結まで書いた短編集消化のための投稿。
小説家になろう様にも掲載しています。アルファポリス先行。

骸骨と呼ばれ、生贄になった王妃のカタの付け方
ウサギテイマーTK
恋愛
骸骨娘と揶揄され、家で酷い扱いを受けていたマリーヌは、国王の正妃として嫁いだ。だが結婚後、国王に愛されることなく、ここでも幽閉に近い扱いを受ける。側妃はマリーヌの義姉で、公式行事も側妃が請け負っている。マリーヌに与えられた最後の役割は、海の神への生贄だった。
注意:地震や津波の描写があります。ご注意を。やや残酷な描写もあります。

縁の鎖
T T
恋愛
姉と妹
切れる事のない鎖
縁と言うには悲しく残酷な、姉妹の物語
公爵家の敷地内に佇む小さな離れの屋敷で母と私は捨て置かれるように、公爵家の母屋には義妹と義母が優雅に暮らす。
正妻の母は寂しそうに毎夜、父の肖像画を見つめ
「私の罪は私まで。」
と私が眠りに着くと語りかける。
妾の義母も義妹も気にする事なく暮らしていたが、母の死で一変。
父は義母に心酔し、義母は義妹を溺愛し、義妹は私の婚約者を懸想している家に私の居場所など無い。
全てを奪われる。
宝石もドレスもお人形も婚約者も地位も母の命も、何もかも・・・。
全てをあげるから、私の心だけは奪わないで!!

妹に傷物と言いふらされ、父に勘当された伯爵令嬢は男子寮の寮母となる~そしたら上位貴族のイケメンに囲まれた!?~
サイコちゃん
恋愛
伯爵令嬢ヴィオレットは魔女の剣によって下腹部に傷を受けた。すると妹ルージュが“姉は子供を産めない体になった”と嘘を言いふらす。その所為でヴィオレットは婚約者から婚約破棄され、父からは娼館行きを言い渡される。あまりの仕打ちに父と妹の秘密を暴露すると、彼女は勘当されてしまう。そしてヴィオレットは母から託された古い屋敷へ行くのだが、そこで出会った美貌の双子からここを男子寮とするように頼まれる。寮母となったヴィオレットが上位貴族の令息達と暮らしていると、ルージュが現れてこう言った。「私のために家柄の良い美青年を集めて下さいましたのね、お姉様?」しかし令息達が性悪妹を歓迎するはずがなかった――
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

完結 そんなにその方が大切ならば身を引きます、さようなら。
音爽(ネソウ)
恋愛
相思相愛で結ばれたクリステルとジョルジュ。
だが、新婚初夜は泥酔してお預けに、その後も余所余所しい態度で一向に寝室に現れない。不審に思った彼女は眠れない日々を送る。
そして、ある晩に玄関ドアが開く音に気が付いた。使われていない離れに彼は通っていたのだ。
そこには匿われていた美少年が棲んでいて……

お堅い公爵様に求婚されたら、溺愛生活が始まりました
群青みどり
恋愛
国に死ぬまで搾取される聖女になるのが嫌で実力を隠していたアイリスは、周囲から無能だと虐げられてきた。
どれだけ酷い目に遭おうが強い精神力で乗り越えてきたアイリスの安らぎの時間は、若き公爵のセピアが神殿に訪れた時だった。
そんなある日、セピアが敵と対峙した時にたまたま近くにいたアイリスは巻き込まれて怪我を負い、気絶してしまう。目が覚めると、顔に傷痕が残ってしまったということで、セピアと婚約を結ばれていた!
「どうか怪我を負わせた責任をとって君と結婚させてほしい」
こんな怪我、聖女の力ですぐ治せるけれど……本物の聖女だとバレたくない!
このまま正体バレして国に搾取される人生を送るか、他の方法を探して婚約破棄をするか。
婚約破棄に向けて悩むアイリスだったが、罪悪感から求婚してきたはずのセピアの溺愛っぷりがすごくて⁉︎
「ずっと、どうやってこの神殿から君を攫おうかと考えていた」
麗しの公爵様は、今日も聖女にしか見せない笑顔を浮かべる──
※タイトル変更しました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる