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暗躍(レイモンドとバイロンside)

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アイナ・バイロン・レイモンド・サブリナの四人で食事を終え、アイナとサブリナは台所で洗い物をしていた。

レイモンドとバイロンは、バイロンの部屋でウイスキーを飲んでいた。
レイモンドは、ドアを見ながら
「アイナやサブリナには、気付かれてないのか?私達が、外交官だと言うこと…」
バイロンは自分の机で、ワイングラスに赤ワインを入れ、ペンをくるくるしていた。
「あ~気付いてないと思うぞ~!一応、防音装備しているからな~」
「ハッ?!……国民の税金を使って…お前は、本当に…」
「ブッ!!!!!おいおい!!待て待て!!こ~んな危ない仕事をして、お金をもらっているんだから…いいだろ!!」
「…いや、人として…」
「人として!!!!!って、レイモンド…いい加減教えろよ…調べてるんだろ?」
レイモンドはため息を吐きながら、黒い皮のソファーに座りウイスキーを飲む。
「グレイ・カールソンは、詐欺をしている。
カールソン家の領地があってな?そこの住んでいる人々から高額なお金を巻き上げているそうだ。フ~国の大臣の息子が…アホなことを…」


ボキッ     




バイロンの手に持っていたペンが、折れる。
「あいつ……やっぱりアイナとの婚姻は、必ず白紙にしないと!!!!!…グレイの…自分の責任をアイナに被せるつもりだろう!!!
…そんでアイナの性格上、罪を被ろうとするだろうな…優しいんだよ、俺の妹は…被ってしまったら、俺は…守れなくなる…そうなる前に…」
レイモンドは、バイロンに
「あぁ…優しく正義感があるもんな…アイナは…」
バイロンは、強く睨み付けるような目でレイモンドに


「レイモンド!!!俺になんかあったら…お前は!お前は!!!アイナを守れるか!!!」


レイモンドは、驚きながらも
「…必ずアイナを守る!!」
と言い切った。

バイロンは、満足した顔で
「よしっ!やはり俺が見込んだ男だ!!」

バシッ

とレイモンドの背中を叩く。

レイモンドは、呆れながら
「お前…ヤバイことに首を突っ込むつもりか?」
バイロンは、ニヤリと笑いながら
「二人で、やるぞ!!ヤバイこと!!」


少し落ち着いてウイスキーを飲む。
レイモンドは、アイナの事を考えていた。
“あの笑顔を守れるなら、私が盾になり手を汚そう…ここまで調べてきて思ったことがある。
私は、どこかで…アイナに気持ちを伝えようと思う…”


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