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ナシュワ
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アジャイの話によると、妹・ナシュワは医者でもわからない不治の病で、ずっと寝たきりだったらしい。
そんな娘の状態をみて心を痛めていたアジャイの父・ロナーが、闇市でミイラの肝臓の部分を買い、少しずつ粥に混ぜていた。
すると三ヶ月たった頃、今日になるが…目を覚ましたということだ。
アジャイは、家の前で巧と長谷川に言う。
「父を責めないでくれ…必死だったんだ…」
巧と長谷川は、アジャイの肩を叩き
「責めないよ、おめでとうというだけさ…」
「心配すんな…」
「ありがとう…」
アジャイは、家のドアを開け
「父さん、ただいま。ナシュワが元気になったから僕の友人達を紹介しようと思って…」
ロナーとナシュワは、
「こんばんは」
「…こんばんは」
と挨拶をして巧と長谷川も挨拶をした。
「すいません、こんな遅くに…」
「妹さんが、元気になったとアジャイが喜んでたので土産物を用意してきました…」
ロナーは、涙を流しながら
「二人とも…お気遣いに感謝します…どうぞ、泊まっていって下さい。」
二人は、アジャイの家で泊まり朝になった。
ナシュワは、朝食の用意をしていて巧が
「おはようございます。体調は、どうですか?何かお手伝いでも?」
ナシュワは、首を振りながら
「お客様にそんなことは、させられません。久しぶりの料理だから緊張しちゃうわ!それに、私…体が動いているなんて何年ぶりかしら…話すこともできなかったのに…」
「…元気になってよかったですね…」
巧は、ナシュワの様子を見ながら心の中で
“本当に、ミイラを食べただけでこんなことになるのか…?”
疑問がいっぱいだった。
それから、ナシュワはずっと元気で
「発掘が終わったら、是非、家でご飯をどうぞ」
と言われ、お言葉に甘えて、発掘作業を終えてからアジャイの家で、ご飯を食べるというルーティンができた。
今日も発掘現場で作業をしているとアジャイの電話が鳴る。
巧と長谷川は、汗だくになりながら土を掘っていると
「嘘だ!!」
アジャイが、電話越しで叫んでいた。
巧は、アジャイに
「どうした?」
と言うと
「ナシュワが…ナシュワが…倒れたと…」
急いで、家へ行った。
そこには、体全体に黒・白・緑などのカビが生えていて昨日みたナシュワのふんわりした頬がこけていて、顔の色が土の色をしていて…まるでミイラに近づいていた。
次の瞬間、ナシュワは口から黒い大量の虫を吐いて亡くなった。
ロナーとアジャイは、泣き崩れた。
そして、数日後…巧と長谷川のホテルの部屋でノックがした。
開けるとアジャイがいてソファーに座らせる。
「大丈夫か?」
と巧が問うとアジャイが言う。
「ナシュワは、ミイラの一部を食べたから呪われてミイラになってしまったんだ…死者の冒涜だ…」
巧と長谷川は、なにも言えなかった。慰めることもできなかった。
アジャイが、ポツポツと語りだした。ナシュワの葬儀の時、手足が曲がっていくのを阻止するためにミイラのように包帯を巻いて棺に入れたそうだ。
大学へ帰り、ナシュワが吐いた虫を調べたが検索しても出てこない。DNA検査にまわしても解析できない未知の虫という判断が下された。
巧と長谷川は、仮説をたてた。
この虫に、ナシュワは生かされていたのでは?と思ったが結局わからないままだ。
たまに、耳に入ってくる。
いまだに、どこかの国でミイラを食べる習慣があると…
そんな娘の状態をみて心を痛めていたアジャイの父・ロナーが、闇市でミイラの肝臓の部分を買い、少しずつ粥に混ぜていた。
すると三ヶ月たった頃、今日になるが…目を覚ましたということだ。
アジャイは、家の前で巧と長谷川に言う。
「父を責めないでくれ…必死だったんだ…」
巧と長谷川は、アジャイの肩を叩き
「責めないよ、おめでとうというだけさ…」
「心配すんな…」
「ありがとう…」
アジャイは、家のドアを開け
「父さん、ただいま。ナシュワが元気になったから僕の友人達を紹介しようと思って…」
ロナーとナシュワは、
「こんばんは」
「…こんばんは」
と挨拶をして巧と長谷川も挨拶をした。
「すいません、こんな遅くに…」
「妹さんが、元気になったとアジャイが喜んでたので土産物を用意してきました…」
ロナーは、涙を流しながら
「二人とも…お気遣いに感謝します…どうぞ、泊まっていって下さい。」
二人は、アジャイの家で泊まり朝になった。
ナシュワは、朝食の用意をしていて巧が
「おはようございます。体調は、どうですか?何かお手伝いでも?」
ナシュワは、首を振りながら
「お客様にそんなことは、させられません。久しぶりの料理だから緊張しちゃうわ!それに、私…体が動いているなんて何年ぶりかしら…話すこともできなかったのに…」
「…元気になってよかったですね…」
巧は、ナシュワの様子を見ながら心の中で
“本当に、ミイラを食べただけでこんなことになるのか…?”
疑問がいっぱいだった。
それから、ナシュワはずっと元気で
「発掘が終わったら、是非、家でご飯をどうぞ」
と言われ、お言葉に甘えて、発掘作業を終えてからアジャイの家で、ご飯を食べるというルーティンができた。
今日も発掘現場で作業をしているとアジャイの電話が鳴る。
巧と長谷川は、汗だくになりながら土を掘っていると
「嘘だ!!」
アジャイが、電話越しで叫んでいた。
巧は、アジャイに
「どうした?」
と言うと
「ナシュワが…ナシュワが…倒れたと…」
急いで、家へ行った。
そこには、体全体に黒・白・緑などのカビが生えていて昨日みたナシュワのふんわりした頬がこけていて、顔の色が土の色をしていて…まるでミイラに近づいていた。
次の瞬間、ナシュワは口から黒い大量の虫を吐いて亡くなった。
ロナーとアジャイは、泣き崩れた。
そして、数日後…巧と長谷川のホテルの部屋でノックがした。
開けるとアジャイがいてソファーに座らせる。
「大丈夫か?」
と巧が問うとアジャイが言う。
「ナシュワは、ミイラの一部を食べたから呪われてミイラになってしまったんだ…死者の冒涜だ…」
巧と長谷川は、なにも言えなかった。慰めることもできなかった。
アジャイが、ポツポツと語りだした。ナシュワの葬儀の時、手足が曲がっていくのを阻止するためにミイラのように包帯を巻いて棺に入れたそうだ。
大学へ帰り、ナシュワが吐いた虫を調べたが検索しても出てこない。DNA検査にまわしても解析できない未知の虫という判断が下された。
巧と長谷川は、仮説をたてた。
この虫に、ナシュワは生かされていたのでは?と思ったが結局わからないままだ。
たまに、耳に入ってくる。
いまだに、どこかの国でミイラを食べる習慣があると…
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