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ある日の思い出
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私は、アメリカに住んでいる。
今は、ハロウィーン期間中で色んな所にカボチャが置いてある。
家の近くは、とうもろこし畑や農場が多い。遊び場は大人達に怒られるが、とうもろこし畑でよく追いかけっこをしていた。
香菜とマリーと他の近所の子達で追いかけっこをしていて、周りを気にせず走っていると香菜は、一人になってしまった。
少し心細くなっていた時に、ガサッと物音がして振り返ると、目の前には、青いシャツを着て麦わら帽子を被っている男の人が立っていた。
思わず
「ごめんなさい!」
と謝ると、声がしない。
よく見てみると、“かかし”だった。
香菜は、かかしを見て
「…本物の人間かと思った…びっくりした…」
とそう言った。
遠くから、マリーの声がした。
「香菜~!!どこ~?」
香菜は、大きな声で
「青シャツのかかしのところー!!」
そう叫ぶと、ガサガサと音がした。
マリーは、香菜に
「目印を伝えてくれたから、よくわかったわ!」
「見つけてくれてありがとう!」
「問題ないわ!さっ!行きましょ!なんか…このかかし…人間みたいね…今にも動きだしそうだわ!」
「変なこと言わないでよ!」
マリーと出口へ向かっていると、ガサッという音がした。振りむくと遠くからだが、かかしがこちらを見ているような気がしたのだ。
“あれ?動いてる?きっ気のせいだよ!角度の問題!”
そう思いながら、家へ帰った。
香菜は、家のドアを開けようとした時、マリーが大声で
「香菜!!今日のハロウィーン、楽しみね!五時に会いましょっ!」
「うん!魔女のコスプレしようねっ!」
そういって家へ入った。
家へ入ると、クッキーの甘い匂いがした。
母・一華が台所で
「ふぅ~焼けたわ!あっ!お帰り!いっ~ぱいお菓子を焼いたわよ!」
香菜は、目を輝かせながら一口、口に入れる。
「なにこれ!カボチャマフィンだ!おいし~い!」
「娘よ、いっぱい食べな?母のお菓子は、おいしかろ?」
「うん!あっ!今日、五時からマリーとお菓子貰いにいってくるね?」
「いいよ~!暗くなる前に帰ってきてね?」
「は~い!」
そういって自分の部屋へ入り、右目の下に蜘蛛の糸のタトゥーシールを貼り、魔女の服を着る。最後に、とんがり帽子を頭に被って鏡前で
「うん、本物の魔女ね?」
そして約束の五時になり、マリーの家へ行く。
ピンポーン
「マリー?香菜だよ!」
ドアの向こうから、ドッドッドッという音がする。
ガチャ
「香菜!早速行きましょ?」
「うん!マリーは、髪型三つ編みにしたんだね?よく似合ってる!」
「ありがとう~!香菜もタトゥーシール、似合ってるわ~」
「えへへ!ありがとう!」
と褒めあっていると、近所のおじさんやおばさんがドアを開けて
「ハッピーハロウィーン♪」
「「トリック・オア・トリート!!」」
おばさんは、
「まあっ二人は魔女なのね?可愛いわ!」
「ありがとう!」
すると、おじさんが
「二人とも、私もお菓子をあげるよ!」
と言われ飴やグミなどいっぱい貰った。
香菜は、おじさんの仮装をみて
「おじさんは、かかしの仮装?」
おじさんは、怖い声を出しながら
「そうだよ~!昔、この辺の畑で殺人事件が起きたんだ!死体は、みんな…かかしにされてたのさ!」
「え~怖い!!」
と香菜が怖がっているとマリーが
「もう!香菜?大丈夫だから!」
おじさんは、二人に落ち着いた声で
「…二人とも、夜に農場で遊んではいけないよ?かかしがいつもみてるからね?君たちを…」
香菜は、不思議に思った。
「見ている?」
帰り道、かかしがみていた気がしたのって…まさか本当に?
ふと香菜の手に、手が重なる。マリーが
「おじさん?香菜、怖がりだからやめてあげて?行くよ!」
「さよなら~」
そう言って後にした。
近所の家へ行き、お菓子をいっぱい貰った。
最後に、農場の先にある家へお菓子を貰いに行けばハロウィーンは終わる。
そこへ向かった。
歩いていると、他の子達が香菜とマリーに
「二人とも魔女の仮装にしたの?」
「可愛い~」
「あなたは、プリンセスね!」
「よく似合ってて可愛い!お菓子もいっぱいね!」
と香菜は、テンション高く言っていた。
他の子達は、
「いっぱいお菓子を貰えるから、うれしいわ!」
「ドーナツもマフィンもよ!早く行って一緒に食べましょ?」
お菓子入れの中を見せてもらうと、マフィンは、チョコペンで蜘蛛の糸の絵を描いていて美味しそうだった。
香菜は、マリーに
「早く行かなきゃ!」
そして家に着きドアを叩く。
おばさんが出てきて
「「トリック・オア・トリート!!」」
「あら~あなた達、魔女ね!そんな魔女達には、蜘蛛の糸のマフィンとドクロのついた穴の空いていないドーナツよ?」
二人は、大興奮で
「「うわぁ~!ありがとうございます!」」
「少し暗くなってきたから、寄り道しないで帰りなさいよ?」
「「はーい!」」
これでハロウィーンのお菓子巡りは終わり、自分の家へ帰る途中、農場の青シャツのかかしが出入口に立っていた。
香菜は、ビクッとした。
「…っ…」
マリーは香菜に
「どうしたの?」
「…っ…このかかし、お昼頃は、とうもろこし畑にいたのに今は…出入口にいるから驚いちゃった!」
マリーは、かかしの方へ見てみる。
「ほんとだわ!?…気持ち悪い!」
地面の石を手に取る。すると
ガッ
マリーは、かかしに石を投げた。
香菜は、マリーの手を掴み
「やめなよ!かわいそうだよ!」
「だって…不気味なんだもの!」
早く帰ろうと促し後にする。
早歩きで帰っていると、二人の足音ではない音がした。
トン
トントン
トントントン…
香菜は、マリーに
「ねえ?さっきから音がしない?」
コクンと頷きながら
「きっと…変質者よ!」
二人で、後ろを振り向く。
そこには、さっき石を投げた“かかし”がいた。
トントン
香菜は、マリーの手をとり
「逃げよう!」
そう言って全速力で逃げた。
“よかった!家が見える!”
すると、いつのまにか“かかし”は、いなくなっていた。
二人は、後ろをもう一度振り向き小首を傾げる。
近所の子達が
「香菜ー!マリー!一緒に食べましょ!」
何事もなかったかのように、一緒にお菓子を食べてハロウィーンは終わっていった。
─それから数ヶ月後、私は、また引っ越しをすることになり…ここを離れた。
今、私は、ハロウィーンのあの日に・あの土地に戻ってきてしまった…
今は、ハロウィーン期間中で色んな所にカボチャが置いてある。
家の近くは、とうもろこし畑や農場が多い。遊び場は大人達に怒られるが、とうもろこし畑でよく追いかけっこをしていた。
香菜とマリーと他の近所の子達で追いかけっこをしていて、周りを気にせず走っていると香菜は、一人になってしまった。
少し心細くなっていた時に、ガサッと物音がして振り返ると、目の前には、青いシャツを着て麦わら帽子を被っている男の人が立っていた。
思わず
「ごめんなさい!」
と謝ると、声がしない。
よく見てみると、“かかし”だった。
香菜は、かかしを見て
「…本物の人間かと思った…びっくりした…」
とそう言った。
遠くから、マリーの声がした。
「香菜~!!どこ~?」
香菜は、大きな声で
「青シャツのかかしのところー!!」
そう叫ぶと、ガサガサと音がした。
マリーは、香菜に
「目印を伝えてくれたから、よくわかったわ!」
「見つけてくれてありがとう!」
「問題ないわ!さっ!行きましょ!なんか…このかかし…人間みたいね…今にも動きだしそうだわ!」
「変なこと言わないでよ!」
マリーと出口へ向かっていると、ガサッという音がした。振りむくと遠くからだが、かかしがこちらを見ているような気がしたのだ。
“あれ?動いてる?きっ気のせいだよ!角度の問題!”
そう思いながら、家へ帰った。
香菜は、家のドアを開けようとした時、マリーが大声で
「香菜!!今日のハロウィーン、楽しみね!五時に会いましょっ!」
「うん!魔女のコスプレしようねっ!」
そういって家へ入った。
家へ入ると、クッキーの甘い匂いがした。
母・一華が台所で
「ふぅ~焼けたわ!あっ!お帰り!いっ~ぱいお菓子を焼いたわよ!」
香菜は、目を輝かせながら一口、口に入れる。
「なにこれ!カボチャマフィンだ!おいし~い!」
「娘よ、いっぱい食べな?母のお菓子は、おいしかろ?」
「うん!あっ!今日、五時からマリーとお菓子貰いにいってくるね?」
「いいよ~!暗くなる前に帰ってきてね?」
「は~い!」
そういって自分の部屋へ入り、右目の下に蜘蛛の糸のタトゥーシールを貼り、魔女の服を着る。最後に、とんがり帽子を頭に被って鏡前で
「うん、本物の魔女ね?」
そして約束の五時になり、マリーの家へ行く。
ピンポーン
「マリー?香菜だよ!」
ドアの向こうから、ドッドッドッという音がする。
ガチャ
「香菜!早速行きましょ?」
「うん!マリーは、髪型三つ編みにしたんだね?よく似合ってる!」
「ありがとう~!香菜もタトゥーシール、似合ってるわ~」
「えへへ!ありがとう!」
と褒めあっていると、近所のおじさんやおばさんがドアを開けて
「ハッピーハロウィーン♪」
「「トリック・オア・トリート!!」」
おばさんは、
「まあっ二人は魔女なのね?可愛いわ!」
「ありがとう!」
すると、おじさんが
「二人とも、私もお菓子をあげるよ!」
と言われ飴やグミなどいっぱい貰った。
香菜は、おじさんの仮装をみて
「おじさんは、かかしの仮装?」
おじさんは、怖い声を出しながら
「そうだよ~!昔、この辺の畑で殺人事件が起きたんだ!死体は、みんな…かかしにされてたのさ!」
「え~怖い!!」
と香菜が怖がっているとマリーが
「もう!香菜?大丈夫だから!」
おじさんは、二人に落ち着いた声で
「…二人とも、夜に農場で遊んではいけないよ?かかしがいつもみてるからね?君たちを…」
香菜は、不思議に思った。
「見ている?」
帰り道、かかしがみていた気がしたのって…まさか本当に?
ふと香菜の手に、手が重なる。マリーが
「おじさん?香菜、怖がりだからやめてあげて?行くよ!」
「さよなら~」
そう言って後にした。
近所の家へ行き、お菓子をいっぱい貰った。
最後に、農場の先にある家へお菓子を貰いに行けばハロウィーンは終わる。
そこへ向かった。
歩いていると、他の子達が香菜とマリーに
「二人とも魔女の仮装にしたの?」
「可愛い~」
「あなたは、プリンセスね!」
「よく似合ってて可愛い!お菓子もいっぱいね!」
と香菜は、テンション高く言っていた。
他の子達は、
「いっぱいお菓子を貰えるから、うれしいわ!」
「ドーナツもマフィンもよ!早く行って一緒に食べましょ?」
お菓子入れの中を見せてもらうと、マフィンは、チョコペンで蜘蛛の糸の絵を描いていて美味しそうだった。
香菜は、マリーに
「早く行かなきゃ!」
そして家に着きドアを叩く。
おばさんが出てきて
「「トリック・オア・トリート!!」」
「あら~あなた達、魔女ね!そんな魔女達には、蜘蛛の糸のマフィンとドクロのついた穴の空いていないドーナツよ?」
二人は、大興奮で
「「うわぁ~!ありがとうございます!」」
「少し暗くなってきたから、寄り道しないで帰りなさいよ?」
「「はーい!」」
これでハロウィーンのお菓子巡りは終わり、自分の家へ帰る途中、農場の青シャツのかかしが出入口に立っていた。
香菜は、ビクッとした。
「…っ…」
マリーは香菜に
「どうしたの?」
「…っ…このかかし、お昼頃は、とうもろこし畑にいたのに今は…出入口にいるから驚いちゃった!」
マリーは、かかしの方へ見てみる。
「ほんとだわ!?…気持ち悪い!」
地面の石を手に取る。すると
ガッ
マリーは、かかしに石を投げた。
香菜は、マリーの手を掴み
「やめなよ!かわいそうだよ!」
「だって…不気味なんだもの!」
早く帰ろうと促し後にする。
早歩きで帰っていると、二人の足音ではない音がした。
トン
トントン
トントントン…
香菜は、マリーに
「ねえ?さっきから音がしない?」
コクンと頷きながら
「きっと…変質者よ!」
二人で、後ろを振り向く。
そこには、さっき石を投げた“かかし”がいた。
トントン
香菜は、マリーの手をとり
「逃げよう!」
そう言って全速力で逃げた。
“よかった!家が見える!”
すると、いつのまにか“かかし”は、いなくなっていた。
二人は、後ろをもう一度振り向き小首を傾げる。
近所の子達が
「香菜ー!マリー!一緒に食べましょ!」
何事もなかったかのように、一緒にお菓子を食べてハロウィーンは終わっていった。
─それから数ヶ月後、私は、また引っ越しをすることになり…ここを離れた。
今、私は、ハロウィーンのあの日に・あの土地に戻ってきてしまった…
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