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しおりを挟む「えっ」
「わかった」
「あっ、あのっ、でもそのっ、ほどほどに、お手柔らかにぃ゛っ!?」
今度は、わかった、とは言われなかった。
「……っア゛、あぁあ゛ッッ♡♡!!」
ぐっと腰を引き寄せられて突きあげられる。固定されて動けない下肢の代わりに、背が大きくしなった。
「ひんっ、あっあぁあ゛っ、はげひいっ、っ、ッッ~~~~♡♡♡」
逃げ場をなくしたアナルに叩き込まれるピストン。敏感な粘膜を擦りあげる固い肉棒に、からだが追いつかない。追いつかないままイかされて、無意識に足が閉じようとするも、厚い身体に阻まれてかなわず、ただ甘えるように内腿を肌に擦りつけた。
「あぁああ゛っ、やっ、こんなっ、イっちゃうっ、イきますっ、いくっ、いくっ、ぅ゛」
引けを取る腰を強い力に押し戻されて、咎めるように深くまで突き上げられた。
「───ア゛、あぁ゛っ、っ………!!」
ばたつかせた足が強張り、ぎゅぅうと爪先が丸まる。収縮し狭まる秘肉を穿たれると、もはや声もだせなくなった。
「……っは、っ、っ、ぁ゛っ、っ……!」
きもちいいのが終わらない。性感が降りてこない。
「……ぁ、あ、ッッア゛!!? あっ、やっ、なにっ、なんか、あっ、おかしいっ、恭司さ、あ゛っ……!!」
腹の奥から、甘さを煮詰めたような熱が落ちてくる。肉筒が痙攣に近い脈動をはじめ、ペニスの熱を倍に感じた。
「ッ、ッ………♡♡!?」
底の見えない快楽の兆しに、本能が警笛を鳴らす。咄嗟に身体の筋を強ばらせるも、固い肉棒に前立腺を穿たれて、張り詰めていた糸は呆気なく切れた。
「────あ゛ッ、ぁあああ゛!!」
耐えがたい熱が全身の血脈を駆け抜ける。どくどくと心臓と、揺すられる性感帯が脈打ち熱を産み、一瞬遅れて重い快感が全身に圧しかかった。
「う゛あっあっあ、ア、アァア゛っ♡♡」
からだの奥で性感が何度も爆発を起こす。ビクビクと波打つ腹筋に力が入り、余計にアナルを締めつけてしまい、ひぎ、と潰れたような悲鳴が漏れた。
「い゛っ、ぅ゛うっあ、ああっ、あついっ、あついぃっ、あぅう゛っ♡♡」
きもちいいのが終わらない。勝手にぼろぼろと涙が溢れ、口端から唾液が伝う。どれだけ情けない顔をしてるのか。こんな顔見てほしくない。おれのかっこいいところだけ見ててほしいのに。
「うっ、っ、やあ、あぁ゛っ」
頬をシーツに擦りつけて、顔を背けようとするも、腰から離れた恭司の手が両側から頭を包んで前を向かせた。
「……瞬」
まっすぐに振り落とされる視線。その目は情慾に濡れていた。
「は、……あ、恭司さん、んっ」
唇が優しく合わさる。数度、触れるだけのキスをおとしてから、角度を変えて深く重ねられる。
「んんっ、っ、……っ、んぅ゛っ♡♡」
密着する肌の心地よさに、背に絡ませた腕で彼のからだを引き寄せた。汗に濡れ、自分と同じ熱を灯す肌が、恭司の興奮と快感を伝える。もっときもちよくなって欲しくて、ねだるように腰を振ると、ペニスがずるりと抜かれて一息に奥まで突きいれられた。
「───んぅ゛っ、んっ、んぐ、ぅんん゛……!!」
まだ、さっきの重いのが抜けていない。熱の固まりを押しこまれて、腹に挟まれた陰茎からなけなしの精液が漏れた。
「んんん゛っ、んぅう゛う゛っ、っ、♡♡」
腰を押しつけられたまま再開される抽挿。ひくつく肉壁を扱きあげられる。からだを覆うように被せられた中で、唯一彼のからだの外にある両足がビクンと宙を蹴った。
「んんっ、っふ、んぐっ、うぅうう♡♡ っは、ああ゛っ、んんん゛、ん、ん゛……ッ!!!」
堪えきれない快感に勝手に振れる頭を押さえつけられて、声を塞がれる。悲鳴を舌に絡め取られ、乱れた呼吸すら奪うように口内を貪られる。上から下から淫猥な水音が立ち、全身をもって求められているような心地に、胸の奥を満たす熱が全身に広がっていく。
「ふぁっ、あっ、んんん゛んっ!! んっ、ッ、っ────♡♡!」
ずちゅんっと奥を穿たれて達する。明らかに許容量を超えた快楽。背に爪を立てても受け流しきれないそれに、酸欠も相まって、視界を満たす色が遠ざかっていく。……やばい。気づいたところでもう遅く、深い一突きをくらわせられ、
「ん゛っ」
バチンッと意識が弾けた。
「はっ」
意識をとりもどす。
すぐ目の前にある男の姿。身体に残る甘い痺れ。
「……おれ、飛んでました?」
「飛んでた」
ほんの数分のことだったと彼は言うが。
今まさに抜かれようとするペニスに、瞬はアッと声を上げた。
「なに抜こうとしてるんですか! まだ射精してないのにっ」
「おい。掴むな」
反り立ったままの角度に胸を撫でおろしつつ、改めて彼を見上げた。
「次は気絶しても止めなくていいです」
「お前、おれのこと鬼畜にしたいのか」
「そうじゃないですけど」
そうじゃないとできないのならやむをえない。恭司は瞬の手を取り、ペニスを抜いた。
「……理由。結局、はっきりとは聞いてなかったな」
なにをそんなに焦っているのか。再度落とされた問いの答えは明確だった。
「だって、恋人らしいこと、ろくにできないまま離れてる時間の方が長くて。不安だったんです。おれがみてない間にあんたが正気に戻って、他の人にいってしまわないかって。安心したかった。そのために深い繋がりがほしかった」
彼の手の上に手のひらを重ね、
「でも、今はわかります。恭司さんもその、おれのこと、ちゃんと思ってくれてるって、わかった、ので」
そっと指を絡ませる。
「今はただ、おれが恭司さんと最後までしたいだけ」
答えるように彼の指もひらき、恋人繋ぎに握られる。
「逆に、恭司さんは不安とかなかったんですか? 自分がいないあいだに、おれが目移りするかもとか、浮気するかも、とか」
「……あ?」
恭司の声がワントーン下がり、
「そんなこと考えたことあんのか」
「や、ちが、ちがいます。そうじゃなくて、思いつく可能性のはなしで」
「お前の言葉を疑ったことはない」
即答に、恭司さん……と浸る一方、恭司の目は据わっていた。
「……でも、そうか」
体がひっくりかえされる。うつ伏せに寝そべる瞬の上に恭司が沿うように身を重ねた。
「き、恭司さん?」
「たしかにな。離れてたら、こうして首ねっこ掴んですぐにおれの方を向かせるなんてこともできないわけだ」
「いや、そんなことしなくて、もっ!?」
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