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乳首編
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しおりを挟む「ご、ごめんっ! こんなこと頼んで、でも、でもわけわかんなくって、今もずっと、うずいてつらくて、つらくて、もっ……」
颯介は涙に濡れた瞳で岳を見た。
「頼む……」
岳の表情が強張った。
「……い、いや、全然、べつに、いいんだけどさ。それ、触ることで余計ひどくなったりしねえの?」
「わかんね、けど、も、つらくて」
岳が立ち上がる。きょろきょろと周りを見渡してから、颯介の隣に腰掛けた。
「……で、どう触ったらいいんだ」
まじめな顔で友人に問われ、颯介はまた羞恥に魂を飛ばした。
「お、おもいきり……その、つねったり、爪で、」
か、カリカリしてほしい……と消え入りそうな声でこたえる。岳は一瞬固まった。普段はうるさいほどの友人が、黙りこくり、小さく震えながら自分の手が触れるのを待っている。妙な雰囲気を断ち切るように、おう!と元気な返事とともに手を伸ばし、きゅ、と服の上から乳首を摘まみ、
「ひゃんっ!」
二人の間に響いた甘い声に、その手を止めた。
颯介の頬がかっと赤く染まる。
「あっ……わり、そのまま、してくれて、いいから」
ごめん、と謝りながら、手のひらを重ねて口を塞ぐ。声、声おさえないと。かたく目を瞑って衝撃に備える。固まっていた岳の指がそろそろと動きだす。くり、と親指と人差し指に挟まれたまま揺り動かされて、背筋に電気のような快感が走る。
「んっ、ん゛~~……!!」
「……」
「っ、っ、ッ、っ……」
構えていた以上の快感に、頭がスパークする。自分ではかなわなかった強さで、他人の手で容赦なくそそがれる刺激に唇を噛んで耐える。快感が強すぎて、つい身を捩ってしまいそうになる。でも岳だって嫌でやってくれているのだから、体が逃げてしまわないように努める。
「ん゛っ、っ、っ、ん、んん゛~~!」
なのにぐりぐりとこねくり回されて、ビクビクと体が跳ねるのを止められない。放っておかれて疼きを増した左の乳首にも指が伸びてくる。あ、とおもう間なく、そっちはすりすりと円を描くように撫でられて、颯介は喉の奥で高く鳴いた。
「んぅっ、っ、っ、ん、ん、っは……っ、ぅ゛~~~……!」
右手に噛みつきながら、左手でシーツをぐしゃぐしゃに掴む。きもちいい。きもちいいが爆発してる。
「ぁぅっ、っ、っ、っ♡」
ぎこちない指の動きが少しずつ大胆に変わっていき、爪でカリ、と先端を搔かれた瞬間、喘ぎ声が漏れた。
「ッ、は、あっ♡ っ、ん、んくぅ゛、う、うぅ゛、ぅ、あっ、あ、あ゛♡」
だめだ。我慢できない。
「あぅう゛、ッ~~~!! ふっ、っ、は、あっ」
「……なぁ」
「はっ……ぇ?」
「これ、気持ちいいのか?」
岳の視線が下に落ちる。つられて下を向く。張り詰めた起立が股間に山をつくっていた。
「ちがっ! その、か、勝手に反応して、っ、おれっ……」
視線から逃れようと左手で岳の肩を押すが、その手を掴まれ取り上げられた。
「颯介、寝転がれる? そっちの方がやりやすい」
「ぇ、あ、ぅ、うん……」
それ以上ツッコまれないことにほっと胸を撫でおろし、おずおずと寝転がるやいなやシャツに手を掛けられて「えっ!?」と声が出た。
「直接の方がいいだろ。痒いんなら」
「や、たしかに、たしかにそうなんだけど」
でも服の上からでもこんななのに、直接触られたらどうなるのか、……怖い。岳の表情もなんかさっきからずっと真顔でこわい。と気持ちが言葉になる前に半ば強引にシャツとインナーを剥ぎ取られ、
「……なんか、乳首でかくね?」
これって腫れてんの?と問われるも。ひとと比較したことないからわからないし、そうだとしてもそんなにもまじまじと見ないで欲しい。ふつふつと沸き立つ羞恥に震える。
「なぁ、見てんなよっ……!」
「あ、わるい」
と言いつつ、いやに艶めかしく赤く、早くさわって欲しそうにふるふると立つ突起にしばし視線を落とした後、じゃあ触るな、と岳は親指の腹ですり、と突起の先端を擦った。
「あ゛っ♡!? まっ、待ってまって、直接やば、」
「……」
「ひぅ、っ、ッ、ッぅ゛~~……! あっぁっ、両方だ、め、まって、きつい、きつ」
両方の先端をすりすりと刺激してから、唐突にきゅ、と摘ままれてひどい声がでた。衣服を挟んだもどかしいような優しい刺激とはまったく異なる、直接に与えられる快感に颯介は身を激しくよじった。摘まんだままくりくりと捻られると我慢できず、逃げるようにベッドをずり上がるも岳の指がついてくる。
「待って、まじで、がく、な、まて、まっ、ッ、ッ、やだっそれっ、それぇ……っ♡」
やばい。ほんとにやばい。知らない快感がつもり積もって、それでどこへいくのか。どうなるのか。わからないのが怖い。怖いのに、きもちいいのが止まらなくって、颯介は半泣きで待って、と訴える。
「やだっ、やだっ♡ だ、め、あ゛んっ、んう゛、ん゛ん゛ぅう゛♡!!」
まるで性器の絶頂前みたいにどんどん乳首が敏感になっていく。まさか、と焦って止まらない指先から逃れようとあがくも、上からのしかかれて動けなくなった。触って、っていったのは自分だが、それなら待って、の声にも従ってくれてもいいはずなのに。
「あっ、あっ岳、がく、やだま、ってッ、な、聞けって、やっ……!」
岳はなにも答えないまま、充血した突起をすき勝手いじくり続ける。親指と中指で乳首を摘み、ぎゅ、ぎゅっと優しく圧しながら、人差し指で先端をすりすりと擦られて、颯介はん゛ん゛ん゛とくぐもった声を上げながら足をバタつかせた。くる、くる。変なのくる。焦って岳の背を叩くのに、それでも止まってくれない。
「まって、ま、あ゛っ、やめ、まじ、でも、くる、変なのくるっ♡!! おかし、おかしい、からッッ♡ あ゛っ、あ、あ゛ぐぅんん゛~~~っ♡!!?」
積もった快感が、ついに頂点で弾けた。小さな突起から溢れる快感の濁流に脳がぎゅ~~~っと締めつけられる。どくどくと精液が漏れていることがわかって、うそだろ、とおもうけれど、もはや射精以上の快楽を感じていた。
「ま゛……てっ! 待てって! っは、ぁ゛、手ぇとめ、岳っ、変、へんだから、だめだって、だめ、だめ、」
「痙攣すご。今イッた?」
咄嗟に首を振った。岳はふうん、と言って身を屈める。首元にふわっと触れた髪の毛にくすぐったさを感じたと同時、絶頂中の敏感乳首を襲ったぬるりとしたものが、一瞬なんなのかわからなかった。
「……ッ、う、わ──!!! そこまでしなくていいっ!! いいから!!」
岳の肩を掴んで引き離そうとするが、れろりと舐め上げられて力が抜けた。
「あっ、あっ、ぁだめ、それ、だめ……♡!」
熱くてやわらかい舌に包まれるたび、ぞくぞくとした快感が止まらない。腰がひけるような刺激に情けない喘ぎが溢れでる。
「ぅんっ、ん゛ん゛~~~! ぅう゛っ、ッ、まって、まて、だめ、舌やだっ、や」
ちゅう、と吸われたまま、ちろちろと先端を舌で転がされると、もうだめだった。さっき味わったばかりの頂点が、またすぐに迫ってくる。
「あっ、あっあ゛っ♡ まって、まって、たのむ、舌とめて、おねがそれやだっ、ひぃ゛んん゛!!」
左の乳首は指でくりくりといじられて、腰が大きく反った。だけど舌も指も離れてくれない。からだが、乳首がしぬほど熱い。縋るもののない手が握ったシーツをくちゃくちゃにかき乱す。
「っぅ゛んんん゛ッ、っ……い、くっ、いく、っ、っイッ、くぅ゛──!!! ッ~~~~~……ア゛ッ!? ま゛、って、イッてる、いっ、いまイ゛ッ、っっ、っ、ッ♡」
ぢゅっと強く吸われて、ビクンと肢体が跳ねた。絶頂のさなかにあるビンビンに尖った乳首をころころと舌で練られ、颯介は頭を振って悶えた。熱くて敏感な突起をこねくり回されて、さっきイッたのに、またイく。ペニスでイくのと違って、興奮が、快感が、イッてもちっともおさまってくれなくて、イき終わってもすぐ絶頂寸前にまで昇りつめさせられる。それでもやまない刺激にまたすぐイッて、でも戻んなくて、また、ずっと熱がこもったまま………
「あ゛ん♡!!!」
おかしくなる。
そうおもった瞬間、刺激が遠のいた。
つ、と唾液の糸を残して舌が離れる。終わり……?と目を開くと同時、岳の右手が颯介の股間に落ちてきた。
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