見せしめ王子監禁調教日誌

ミツミチ

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 王子の乳首は一回り大きくなった。
 そうして体は着実に予定されたものへ近づいていっているものの、奉仕の面ではそこらの町娘の方がよっぽど長けていると言えるだろう。
 囚われているのが自分だけではないと理解している彼は、目の前に肉棒が差し出されたなら恥辱に震えながらもその舌を伸ばす。しかし拙劣な、ままごとのような口淫だった。
 先日赴いた貴族の庭で、そこの奴隷に舐めさせた。芋蟲のように転がされた王子の股間に奴隷が顔を埋める。よくできた奴隷で、飼い主が止めるまで永遠と王子の肉棒を舐めしゃぶりつづけた。精液が枯れるまで吸いつかれ、枯れてもなお止まらない口淫に王子は芝生の上をのたうち回っていた。その時の舌技を思いだせと促す。しかし技巧でなく与えられた快感を邂逅し、はしたなく勃起を揺らすばかりだ。尻を叩いて集中を促す。これでは女を知らない少年ぐらいしか射精に導けないだろう。仕方なく頭を掴み、喉奥に肉棒を突き立てる。ぎゅ、と喉が変な音を立てたが、気にせずそのまま腰を振る。これも悪くはない。しかし喉奥を犯すにはこちらが腰を振らなければならないのだから、やはり奉仕には程遠い。
 ふと、いい考えが浮かんだ。


 牢獄に踏み入った瞬間、王子の顔が蒼白に染まった。
 彼の前には三人の男が吊るされている。口枷と目隠し、耳栓のみが施され、一切の衣服を剥ぎ取られた男達。その中心で雄々しく猛る肉棒を指差し、さあどうぞと促すと金色の瞳が丸く開いた。こちらを見上げ、それからまた、三人へと視線を戻す。仲間を前によぎるであろう叛逆の可能性は、捕虜の左右に立つ屈強な兵士の存在と自身に課せられた拘束により打ち砕かれただろう。
 王子の手枷から伸びる鎖を引き、精力剤で強制的に勃起させた陰茎の前まで連れて行く。髪を掴みあげ、先走りを流す肉棒に唇を触れさせる。あなたの口で慰めてあげなければ。こんなにも健気に勃起して、かわいそうとは思いませんか。あなたの大事な国民でしょう。囁く言葉に煽られて、王子の顔が恥辱に歪んでいく。
 尻を蹴りあげると、王子はきつく眉を寄せたまま震える舌先を伸ばした。突然与えられた刺激に男が低く唸る。王子は懸命に口淫を試みたが、勃起は膨らむばかりで達する気配がない。彼らに盛った精力剤には、射精を引き伸ばす効果を混ぜていた。当初はただただ突如あたえられた生温い快感に戸惑っている様子だった男も、決定的なものが与えられずに焦れたのだろう。可動範囲のなかで腰を揺すり始めた。王子の頬が配下の亀頭で歪む。横に立つ兵士が笑いを漏らした。
 この歪な見世物が三人の射精まで終わらないことを王子も理解していた。しかし一項に兆しを見せない肉棒を前に、引くこともできずただ舌を動かすしかなった。哀れな王子の頭を掴み、ずるりと陰茎を抜く。だらしなく唇を開いたままの彼へ言葉で助け舟をだしてやる。口の中に唾液を溜め、舌に絡ませながら優しく亀頭を舐める。舌先でなく、舌全体を使って。舐めるというより、絡むように。そのまま亀頭からカリまでくわえこみ、カリのくぼみを舌で大きく回しながら丁寧に刺激して、時折亀頭と一緒に吸い上げる。崇めさえすらした高貴な人間に口淫されているとも知らず、吊るされた男は甘い息を漏らし始める。ほら、こうしてやれば。喉奥を突かれて苦しいこともないのだと、その身に教えこむ。更に顔を沈めさせ、口内をすぼめたまま前後に頭を動かす。舌で裏筋を刺激しながら、一定のペースで続けさせる。そうして最後に喉を締めるように吸い上げさせれば、王子の喉に精液が放たれた。引こうとする頭を抑えつける。よく味わってから飲み込むように告げ、ゆっくりと肉棒を抜いていく。何度も噛ませてから、飲み込むことを許可する。口を開かせ白濁が残っていないことを確認し、次の肉棒の前へと移動させた。
 王子はかたく拳を握り、溢れる感情をひたすらに押し殺しているようだった。ただの作業であると言い聞かせるように目を閉じ、肉棒に舌を巻く。先程と同じでは面白みがないと、後孔へ梁型を入れた。王子がお気に入りのその梁型は、入れているだけで泣き所を押しつぶす。今も咥えるだけで後孔がひくひくと収縮しているのが見て取れた。王子の後ろに立ち、足先で梁型の底を持ちあげる。そのまま上下に揺すったり、とん、とん、と叩いたりしていると、床に先走りが滴った。配下の陰茎を咥えながら、よがっている。ぜひ彼を敬う他の兵にもみてほしい光景だった。締めつけにより半分ほど顔をだした梁型を一気に押し込むと、王子は肉棒を吐き出した。乱れた呼吸を繰り返しながら、懸命にからだを震わせる。なにをそんなに乱されているのか。口で肉棒を、尻で梁型をしゃぶるだけでなぜこうも勃起できるのか。普通でない。色狂いの淫乱の所業を成しているのだと繰り返し、また肉棒を咥えさせた。足先で梁型を弄んでいると、王子の方が先に達した。しばらくして二人目も射精し、王子の胃に精液を落とした。
 最後の男は類稀なる巨根の男だった。王子は指で一周できないほど太い陰茎を前に一瞬の躊躇いを見せた後、そろそろと舌を伸ばした。蹴るのも飽きたので、その場に腰を下ろし梁型の底を掴んだ。そのまま腰を振れと命じる。王子の肩が屈辱に震えている。しかし何の手段も持たない彼はゆっくりと腰を動かしはじめた。兵士が貪欲な犬だな、と揶揄した。二人が落とす嘲笑を浴びながら王子は懸命に頭と尻を振った。すでに長時間の口淫で疲労した顎を限界まで開き、巨根を喉でしごく。ふっ、ふっ、と苦しそうな息が漏れる。酸欠と快楽により顔をひどく紅潮させ、また絶頂に達する。同時に梁型の角度を変えて前立腺を抉ると、尻ががくがくと震えた。絶頂に乱されて腰の動きが緩慢になる。尻を叩くと動きを再開したが、次は快感を貪るばかりで口淫が疎かになる。また尻を打つ。それを繰り返す。どうやら巨根は相当の遅漏だったようで、男が射精するまでに王子の方が四回達した。
 最後の精液を飲みくだすと、王子は肘を突き、その場に項垂れた。快感が途切れないのだろう。不規則な痙攣を繰り返す背を叩く。虚ろな目に、上を見るよう促した。
 ──王子の視線が、男達のそれと重なった。
 光を奪う布は、王子が巨根をしゃぶり始めた際に兵士に外させた。王子が亀頭に舌を絡ませ、勃起を喉奥まで飲み込むさまも、自ら腰を振って快感を貪るさまも。彼らは見ていた。彼らの目は動揺と衝撃と、そして怒りに揺れている。しかし再び勃起している肉棒が、目の前で繰り広げられた痴態に興奮している事実を証明した。
 しかしまだ終わりではない。興奮しきった自分の部下にも施しを、と王子を促す。兵士らが王子の前に立つ。王子はか細い声で、場所を変えてくれ、と言った。なにを強いても、どんな快楽に脅されようと、イヤだともやめろとも口にしなかった彼のはじめての懇願であった。しかし兵士らの持ち場はここなので、離れさせるわけにもいかない。嫌なら早く終わらせたらいいと促すと、王子は項垂れたまま、敵国の兵士の肉棒に舌を這わせだした。彼の配下は食い入るように行為を見るものもいれば、拘束具を揺らしながら頭を垂れるばかりのものもいた。しかしその陰茎だけはどれも固くそそり立っている。
 今日はもう一巡はするだろう。その頃には王子の口淫も、王が満足する程度には上達するはずだ。

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