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しおりを挟む牢に戻り、手足に重い枷を嵌めてから、関節を覆う器具を外す。枷から伸びる鎖は床の留金に繋げる。未だぴくぴくと震える尻穴から、ゆっくりと梁型を抜いていく。王子は息を飲んで快感に耐えようとするが、抜けるギリギリのところで一気に奥まで貫くと、蛙が潰れたような声を発して、解放された陰茎から白濁を流した。しばらく奥やしこりを弄び、床を汚させた後、梁型を抜いた。
そろそろ使用人を呼んで飯を食わせる時間だ。王子の食事には常々媚毒が仕込まれており、恒常的な発情を促していた。その程度は明日の予定により調整させられる。
明日は王子の大好きな蟲で遊ぶので、たのしみにしていてくださいね、と耳打ちする。
言葉を汲んだ王子の睫毛が一瞬震えるが、次の瞬間には、強い意志を宿した瞳がこちらを向いた。
なにをされても。なにを強いられても。
自分は折れない。篭絡されることはない。この口を割ることもない。
王子は枯れた声で、しかししたたかな声色で言った。自国を思いながら、これまでの凌辱の数々も彼の心には何ひとつ傷をつけられていないのだと証明するように。
しかし、王子は勘違いをしていた。
……いや、知らされていないだけなのだが。
これは拷問ではないし、彼の想う『自国』というものももはや存在しない。
王国グロスタリアは滅びた。
王子という要を失った国は脆く、彼が囚われてから早々に我が軍はその王都を征した。
自分の帰りを待って持ちこたえる自軍を信じているのか。かって強靭であった王の指揮棒に望みをかけているのか。どちらにせよ、事実を知らずに吠える王子に、グロスタリア王の最後の言葉を囁いてやれば、どんな顔を見せてくれるのだろうと心は揺れる。
しかしその甘美な告白は、我が国の王に止められていた。
未だ時ではないと命じられたが、大方自分の口で言いたいのだろう。
自分が拷問官でなく調教師であること。最後はその身のすべてが我が王に捧げられること。彼が活路を信じて耐える苦痛の日々は、その為の前戯に過ぎないこと。なにも知らず、未来を信じる哀れな亡国の王子に、調教師は擦り切れた膝を撫でながらほほえんだ。
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