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しおりを挟むさんざんと嬲られた尻穴も、持ち前の回復力も手伝って腫れておらず、傷もない。太い梁型を押し込みながら確認を済ます。
梁型の底に取りつけられたハーネスを、尻から回し腰の器具につなげる。これでどれだけ暴れようとも梁型は抜け落ちない。さらに四つん這いになった彼の肘を膝を覆うように嵌められた器具と腰の器具を繋げると、簡単な仕掛けができあがる。
王子の尻を蹴る。勢いに押され、王子は四つん這いのまま一歩前に進む。途端、高く鳴いてその場に崩れ落ちた。
単純な仕掛けだ。
肘と膝の動きに連動し、器具で繋がった梁型が前後する。一歩ごとにピストンを繰り返し、奥を穿つそれは散歩にはうってつけだった。
天気もいいので、今日は庭園を散歩することにした。鉄の首輪を引き、半ば無理やりに歩かせる。美しい庭を汚さぬよう震える陰茎の根は縛られているが、射精せずとも絶頂できる彼は、五分もしない内にその場に蹲ってしまった。どれだけリードを引こうと、梁型を靴底で押し込もうと、王子はそれ以上の歩みを拒否した。仕方なく、夕方までに一周できなければ捕虜の首をひとつ落とそうかと提案すると、王子の顔色が変わった。
がくがくと震える膝を立たせて歩きだす。最初からそう素直にしていればいいものを。進むたび梁型が奥を突くと同時に、止められない歩みによって抉られる場所が変わるのだろう。不意にくんとリードが引っ張られて振り返る。王子は発情した犬のような息を繰り返し、崩れかけそうな体を必死に保っている。襲う絶頂に耐えているのだろう。梁型をきつく締め上げ、びくびくと尻を震わせている。しかしそれがおさまらぬ内から膝と肘を前に突きだし、歩みを進めようとする。首まで真っ赤に染め上げ、必死に自らを追い詰めるさまを、通りかかった使用人らがくすくすと笑いながら見過ごす。この後に及んで羞恥が残っているらしい王子は頭を下げようとするが、その度諫めるように首輪を引いた。
半周ほど進んだところで、喋り好きの庭師に声を掛けられた。時間を気にして進みたがる王子を宥め、世間話に花を咲かせる。その間庭師は王子の前に座り込み、尖った乳首をいじり続けた。抓られる度に中の梁型を強く締め付けているのだろう。指の動きに合わせて梁型の底がひくひくと動いているのが見て取れた。会話もそこそこに切り上げて、さあ、と王子を促す。王子は慌てた様子で獣の歩行を再開するが、先ほどよりもペースが遅い。必死に進もうとしているのはわかるが、積もり積もった快感に体が言うこと聞かないのだろう。長時間四つん這いを強いられている膝と肘も限界なのかもしれない。数歩進むたびに足が止まり、王子は芝を握りしめながら刺激の連続に身悶えていた。
このままでは間に合わないことを伝えると、濡れた瞳がこちらを見上げた。手助けが必要か問う。王子は一瞬の逡巡の後、下唇を噛みしめて僅かに頷いた。器具に取り付けられた仕掛けのボタンを押した。そうすると肘と膝に取り付けられた器械が作動し、自動的に一定のペースで歩行することが可能となる。貸しですよ、と伝えるも、勝手に歩みを進められると同時に同じペースで尻穴を穿られる王子はもう意味のある言葉を発することはできなくなってきた。
絶頂すれど止まらない歩み。しかし器具に固定された肢体は快感に崩れ落ちることもかなわず、王子はまだ明るい陽の下で、絶頂に痙攣する体を晒しながら歩いた。途中、しっかりと前立腺を抉るよう梁型の位置を調整してやると、恨み言のようなことを言われたが、それもすぐに甘い悲鳴に転じた。ガシガシと耳障りな機械音と王子の悲痛な声が庭園を彩った。
一周が終わる頃には王子はすっかり項垂れ、糸引く涎だけが上から見て取れた。終わったことにも気がついてないようだったので、そのまま城の中へと戻る。しばらく冷たい床を歩かせていたが、ただ喘ぐだけで面白味にかけたので、膝と肘の器具と、梁型を結ぶベルトを外してやった。これで梁型が王子の中を突き上げることはない。徐々に正気を取り戻した王子は、自分が城内の人間の目に晒されていることを知り、羞恥に背まで赤く染めた。それでも肉棒からはぽたぽたと先走りを零し続けるのだから、はしたない体になったものだ。その内に迎賓客である貴族の一人がぜひ今度自分の庭にも招待させてくれないかと申し出てきた。広い庭で、元気なペットを複数飼っているので遊び相手にも丁度いいのでは、とのことだ。では王子ももっと走り回れるように機器を改良しなくてはと考えながら、申し出を快諾した。嬉しいだろうとリードを引っ張るも、王子は拳を震わせるだけだった。犬らしく鳴いて喜べ、と促すと唇をかたく噤むくせに、尻のそれを蹴り上げると簡単に子犬のような声を出した。躾がなっておらず申し訳ないと謝罪すると、大変だろうと微笑みで返された。
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