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Ⅱ
二人がかりで責められて絢斗がかわいそうだったから、おれは味方してやろうとおもって
しおりを挟む「そ、んなの知らない……っ」
絢斗の髪先を指に掬い、
「みんなにお仕置きしてもらおうな」
くしゃりと指の間で捩り合わせる。
「そうしないとわかんないもんな。自分がよくないことしたって」
髪先を手放して口元を緩める。
「大丈夫。絢斗がきちんと反省できるまで付き合ってやるから。もちろん、始業式のあの日みたいに、クラスのみんなでな」
言いながら立ち上がりかけた川名のシャツがくんと引かれた。
「……言わないで」
絞りだすような声だった。
「もう逃げたりしない……っ、ちゃんとする、から……」
「逃げない? ほんとうに?」
川名の問いにこくこくと頷く。
「じゃあ有言実行してみてよ」
川名は絢斗をその場に立たせて、後ろ手に束ねた腕を縛りあげた。タイマーをセットしたスマホをこちらに渡して電マを取りだす。すっかりトラウマになったのか。怯えた様子の絢斗を小さく笑って、ジャージの上から股間に押しつけた。
「十分間。逃げずに耐えられたら、さっきのことはおれたちだけの秘密にしてやるよ」
「わっ、わか……」
「はいスタート」
「──あ゛ッ……!!」
強烈な振動音が鳴り響く。身構えるよりも早く与えられた刺激にビクンと腰が震える。
「ふっ……く、ぅ……!」
「腰引くなよ。少しでも電マが離れたらアウトな」
「わか、った、ぁ゛、っ……♡」
強い刺激に引けそうになる腰元に力を入れて、絢斗は必死に自らをその場に押し留めた。
「……ッ、あ、っ、あ……♡」
刺激を受けた陰茎が徐々に立ち上がり、ジャージを押しあげていく。その浮き出た形をなぞるように細かく振動するヘッドが性器を這いまわる。
「ぅん゛っ……っ、っ~~……♡」
「もう腰カクつきはじめてるけど、ほんとに耐える気ある?」
「あ、あ、あっ、た、える、っ♡ 耐えてる、っ──あぅ゛ッ♡!?」
川名が手首を返す。それまで上から押しつけていた玩具で陰茎を下から持ちあげて、性器の裏側に振動を押し当てた。
「あっ、あ゛……ッア゛……!」
陰茎の根元から竿を伝い、じりじりと振動をのぼらせていく。それがカリ裏に到達した瞬間、絢斗の足がガクンと震えた。
「あ゛っっぐ……♡♡」
「お、がんばって耐えたな。ここ弱いくせに」
「ッんうぅう゛……!!」
振動が敏感な部分でじっと留められる。少ししてから電マはまた下り、再度根元から先端までをゆっくりとなぞりあげていく。
「ん゛ぅっんんんん゛……っ♡」
そしてまたカリ裏まで到達すると、数秒間そこに振動を注ぎつづける。びく、びくん、と逃げを打つように勃起が脈打ちはじめたところで解放して、また根からたどっていく。その一連の動作が繰り返される。ビクつく竿を焦らすようになぞり、熱の溜まった敏感な場所に強烈な振動を叩きこむ。
「は……っ、はひッ……ひ、っあ、ア゛ア゛ッ!!」
回数を重ねるほどに、裏筋に電マを押し当てた瞬間の反応が強くなっていく。
「イくなよ、絢斗。どうせイッた瞬間の腰へこ我慢できないんだから、イかないように気張れよ」
「ッくぅ゛っうぅう゛……っ♡」
縛られた腕の先を固くにぎりしめて、絢斗は懸命に刺激を耐えようとしているけれど。朝から延々といじめぬかれて、疲れ果て、敏感になったからだで与えられる快感を受け流すことなんてできるはずもなかった。
「ふ、っ、っぅう゛……♡」
振動がカリ裏の手間に差しかかる。絢斗はぎゅっと目蓋を閉じて次にくる衝撃に身構えた。
「───ン゛っっぐ♡♡」
振動音が鈍くなるほど強く電マが裏筋にあてがわれる。絢斗は刺激から逃げたい気持ちをこらえて刺激に耐えている。
しかし今度は、数秒経っても振動がそこからはなれなかった。
「えっ……ッぁ、ア゛っ♡!?」
川名は玩具をぐっと押しつけて絢斗の下腹部と電マで陰茎を挟み打ちにする。切っ先がズレないよう固定した上で、その場にじっと振動を押し留める。
「やっ、まっ、まって、な゛ッ……んでっ♡ あ゛っ♡ だっ、だめっ、だめ、それ、だめ゛……ッ! イ゛くっ、いくっ、イっちゃ……!!」
限界を突き崩す快楽に絢斗は呆気なく陥落した。
「あ゛っ……あ゛あぁああ゛ッ♡♡」
我慢して溜めこんだ分、凶暴な快感が絢斗を襲う。その快感を散らすために体は反射で痙攣を起こす。それを理性で抑えこもうとするほどに刺激を外に発散することはできなくなり、溢れだす快感を余さずその身で受け止めるはめになる。
「ひ、ッ、ぃ゛いッ、ぃぅう゛うッ♡♡」
「あれ。イッたけど耐えてる? えらいな絢斗。やればできるじゃん」
「んんん゛ん゛っ♡♡ や゛……ぁ゛っ♡ も、そッ、そこ、だめ……っ、はなして……!」
川名はいーよと答えて、電マのヘッドを亀頭へ滑らせた。
「───ア゛、あぁ゛ッッ♡♡!?」
鋭い刺激に絢斗の腰がぐんと後ろに引ける。
宙に浮いたヘッドがむなしく空気を震わせる。
「あひっ……あっ、ぁ゛、ぁ……ッ」
「あーあ。もう少しがんばれるかと思ったけど」
やっぱりだめか、と電マのスイッチが切られた。手元のタイマーを止める。時間はまだたっぷりと余っていた。
「じゃあ、どうする? みんながもどってくるまで先におれたちで」
「ま、待って……っ、もう、一回……っ」
「むりだろ。さっきより敏感になってるくせにさ」
「あう゛っ♡」
振動していない電マで竿を擦られるだけで腰がカクンと振れた。絢斗は羞恥に震えながら振り絞る。
「ッ……たっ、耐える、今度は……ちゃんと我慢、するから……っ」
「仕方ないな。その代わり一個ペナルティ追加な。それでもがんばれるって言うんならチャンスをやってもいいけど」
「がっ、がんばる、それでいいから、ぁ゛っ──!」
電マのスイッチが入れられる。さっきまで弱だったのが、最初から「中」のレベルに引きあげられていた。
「あっ、あっ、つ、つよいっ───ひぃ゛ッ!?」
その上でまた亀頭へと振動が当てられる。絶頂の余韻の抜けない場所に注がれる手加減のない刺激にひきつった声が漏れる。
「ひ、ぐ、ぅう゛っ♡ そこ、きつ、い゛ぃ……っ!」
「じゃあ、今からペナルティな」
大坪が横から出てくる。その手に握られているものを見て、絢斗は目を見開いた。
「やっ、あ゛っ……うそ、うそ……っ♡」
「踏ん張れよー、絢斗。もう次はないからな」
「まっ、まって、そんなのむりっ、むりっ──あ゛ぁああ゛ぁあッ!!」
二本目の電マがペニスに当てられる。
川名のそれは執拗に亀頭に狙いを定めたまま、大坪は睾丸に電マを押しあてて陰茎を根から震わせた。
「──ひ、ィ゛ッ、あぁああ゛ッ、いぐっイぐっ!! い゛くいくいくぅうう゛ッ♡♡」
「はは。即イキじゃん」
「ぃ゛、ッ~~~~~♡♡!!」
「そのペースでイってたらもたないだろ。もうちょっとがんばれって」
がんばれ、なんて言いながら、その手は刺激にのた打つ陰茎を執拗に責めたてる。各々すき勝手に振動で勃起を撫で回し、予想のつかない動きで絢斗を追いつめていく。そうしておいて時折示し合わせたように弱いところを狙って、絢斗が絶頂を迎えるまで離さなかった。
「あ゛っ、あ゛~~~~っ♡♡ だっ、だめ゛っ、もうだめ゛っ……♡♡ ちんこっ、あついっ♡ んひっ、あ゛っ♡ くるひ、ぃ゛っ、へん゛っ♡ もうへんになる゛……ッッ♡♡」
がくがくと内腿が震えて、膝が内側に折れていく。
「絢斗。ちゃんとまっすぐ立てよ」
「むっ、むぃ゛、むり゛ぃ……っ♡♡ これいじょうむり……ィ゛っ♡♡」
「じゃあ負けでいいのか? 負けってことは、次はおれたちだけじゃなくてみんなにこういうことされるってことだけど、それでもいいんだよな」
「ぅう゛っあ、やだ、やだぁ゛……っ♡」
絢斗が首を振る。ぐずぐずと涙を流しながら、震える足を必死に立て直す。
「腰も。段々と引けてきてるから、もっと前に突きだせよ」
「っ……ぅ゛、くぅう……っア゛ぁあああッ♡♡」
「はは。そうそう上手。そのまましっかり電マにちんこ押しつけとけよ。ごほうびに絢斗のすきなところに当ててやるから」
「やだっ♡ やらっ、ぁ゛っ、も、いらな……っ」
絢斗が言い切る前に、二つの電マが亀頭を挟みこんだ。一番敏感な場所が両側から重い振動に蹂躙される。
「ア゛ァぁ゛あぁあああ゛ッッ!!」
絶叫に近い悲鳴が迸る。鋭い刺激に耐えきれず絢斗の脚がぶるぶると震えだす。
「やぁああ゛あ゛っ♡♡ むりっ、む゛り゛っ♡♡ はな゛して゛♡♡ イくッッ、イ゛…………ッッ!!」
スマホを机に置き、絢斗の背後に回る。
「───ィ゛く、ぅ゛ッッ♡♡」
ビクンッと背がのけぞる。からだの反射ではなく、絢斗はこれ以上の刺激に耐えかねて、自分の身を守るために腰を引いた。それを彼の背にぴたりとからだを重ねて押し留める。突然現れた障害物によって、それ以上の後退を阻まれた絢斗は腰を引けば遠ざけられたはずの刺激から逃れられなくなる。
「えっ、ぇ゛、あ゛……ッッ♡!!?」
敏感な亀頭を甚振る振動から逃げられず、成すすべなく絶頂へと突き落とされる。
「あ゛っ───♡♡♡!!」
「辻井。なにしてんの」
「二人がかりで責められて絢斗がかわいそうだったから。おれは絢斗の味方してやろうとおもって」
「やっああぁァア゛ア゛……!!」
今度は身を捩って右に逃げようとするのを両肩を掴んで止めた。
「やぁああ゛っ、やだっ、い゛やだっ、なんでぇ゛っ♡♡」
「あはは。それいいな、いやずるいな」
「でっかいハンデだなー。じゃあこっちも振動あげて追い詰めるか」
「───ア゛ァア゛っ………♡♡!!?」
ヴィイイインと唸る電マの振動数が上がる。二つのヘッドが亀頭をぎゅむぎゅむと揉みしだく。絢斗はなりふり構っていられずに、後ろにおれがいることをわかっていてもどうにかしてその拷問めいた快楽から逃げだそうと、おれの下半身にぐいぐいと尻を押しつける。触れる異物感におもいだす。そういえばケツにエネマグラを突っ込んだままだった。達するたびによく締まる絢斗のなかは、今もきつく玩具を肉壁で食いしめて絶頂の快感に追い討ちをかけているんだろう。
「やあ゛ぁあッ、あぁああ゛ッ♡ もうやだっやだっ♡♡ はなしてっ、どいてっ、腰引かせて゛っ、おねがいっ、もうむりっ、む゛りだからぁあ゛っ♡ あ゛ああっぁあ゛♡ なんでっ、なん゛で……っ、もうイ゛けないっ、もうむりッ……て゛ぇ゛♡♡ い゛ってる、のに、ぃっ、あっ、あっ、あ゛────♡♡」
「おっと」
ガクンと膝が折れる。今度は下方に逃げようとするのを股ぐらに太腿をいれて止めた。
「んぁ゛あ……っ♡♡!!?」
ついでにぐっぐっと膝を押しあげて、咥えこんだ玩具ごと尻穴に圧をかけてやる。
「や゛、っ……あ゛ッ───♡♡」
絢斗は全身をぶるぶると震わせながら絶頂に達する。尻穴を揺さぶる腿から逃げようと腰を前に突きだせば電マの振動をより鮮明に食らい、キツい刺激に腰を引けば太腿に押しこまれた玩具の先端が前立腺を抉る。
「ひっぎ、ぃ゛……ッッ♡」
唯一自由な頭を振りみだす。
「………ッ、ぁ、ア゛ッ、あ゛、っ♡♡ も゛………ッ♡ もぅ゛、ゆっ、る゛し、てっ♡ おっ、おれっ、おれのっ、負けでいいから、おねがい、とめて、はなして、たすけて、ぇ゛……っ♡♡」
涙ながらに哀願する。しかし川名も大坪も敏感な性器の先っぽをいたぶるのに必死で、絢斗のことばを聞いてなかった。かくいうおれも崩れ落ちそうなからだを支えるのに必死で絢斗の甘い声以外は耳に入ってこない。
「ン゛っん゛んんん゛~~~~♡♡ も゛、むり、ぃ゛っ♡♡♡」
前後から挟まれて、逃げ場のない身体を執拗に責め立てられる。両方の刺激に耐えかねて腰元をぐねぐねといやらしく振りたてながら、絢斗は何度も痙攣アクメをキめていた。
「イ゛……ッッく♡♡ イ゛ってる、の゛に゛ッ、イく、イぐ、イく……ぅ゛っ♡♡♡」
ガクンと顎を反らせて、
「ッ~~~~~…………♡♡!!」
天井を向いた絢斗の瞳が宙を舞う。はく、はく、と唇を震わせながら声にならない悲鳴をあげる。
足の上の重みがずしりと増した。足を引いて絢斗のからだを手放すと、弛緩した体はずるずると床に落ちていった。
タイミングを見計らったようにタイマーが鳴る。
「あーあ。あとちょっとだったのにな」
惜しかったな、と声をかけても返事がない。
「絢斗? 寝ちゃった?」
彼の前に座りこむ。ジャージを脱がせると、体液やらローションやらでぐちゃぐちゃの下半身があらわになった。エネマグラを銜えた尻穴が、ひく、ひくといやらしく痙攣している。
「いいよなあ」
大坪がぽそりと言った。
「なにが」
「ルームメイト」
やり放題じゃん、と言われて納得した。「でもさ」と川名が口を挟む。
「絢斗のルームメイトって、たしかほら、あれだろ」
「どれ」
「前の特待性壊したやつだろ」
そうだっけ。記憶が薄い。なんせ別のクラスだったから。
「そうなる前におれたちでしっかり躾けてやらないとな」
川名はそう言って絢斗の頬を撫でた。そんなようなことを話しているあいだに、廊下の外が騒がしくなってきた。授業終わりのチャイムが鳴る。クラスメイトたちが戻ってくる。
にぎやかな昼休みのはじまりだった。
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