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第一章 辰巳省吾との出会い
食事の誘い
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一瞬、総務部全員がミクの方を見た。
すると、省吾はまるで獲物でも見つけたように、口角を上げてニヤッと笑った、そしてミクに向かって来た。
「ミク、今晩食事に付き合え、社長命令だ、社員通用口に車を回しておく、
仕事が終わったら、こい、いいな」
そして、省吾は総務部を後にした。
何が起こったのか、総務部はシーンと鎮まりかえり、その静寂を破ったのは、
部長の近藤だった。
「おい、橘花、お前社長と付き合ってるのか」
「ち、違います」
「だって、お前の名前を呼び捨てにしていたじゃないか」
「先輩?」
ミクの動揺している顔を覗き込んだのは後輩のあやかだった。
「違うってば、誤解だから」
「だって、先輩は社長に食事に誘われたんですよ、いいな」
「じゃあ、私の代わりに行ってきて」
「えっ?いいんですか」
「いいも何も、お願い、具合悪くなったから、早退したって言って」
「了解です、それで、先輩はどうするんですか」
すると、省吾はまるで獲物でも見つけたように、口角を上げてニヤッと笑った、そしてミクに向かって来た。
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「了解です、それで、先輩はどうするんですか」
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