戦国武将織田信長の不器用な恋

ラヴ KAZU

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現代を生きる織田信長①

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俺は織田信長、マミを追いかけて現代にタイムスリップしてきた。

マミが戦国時代で消えたあの日、俺は必死にマミを探した。

マミ、お前は現代に戻ってしまったのか。

そんな俺の前にある男が声をかけてきた。

「織田信長様ですね」

「お前は誰だ」

「私は時の番人です」

「時の番人?」

「この度、時間の歪みが生じて、津久井マミが戦国時代にタイムスリップしてしまいました」

「お前の仕業か」

「申し訳ありません」





「マミは現代に戻ってしまったのか」

「はい」

信長は時の番人の胸ぐらを掴み詰め寄った。

「マミを戦国時代に戻せ」

「信長様落ち着いてください」

「これが落ち着いていられるか」

「津久井マミを戻すことが出来ます」

「本当か」

時の番人はゆっくり話始めた。

「津久井マミが戦国時代に戻りたいと強く願えば戻すことが出来ます、しかし、
彼女に取ってどちらが幸せか、信長様自身で確認してください、これから信長様を
現代に送ります、津久井マミの仕事場の後輩として、信長様はよく彼女の生活を
見極めてください、いいですか、絶対に正体を明かしてはいけません、いいですね」

俺は現代を生きる織田信長として、マミの生活に入り込んだ。

時々「信長様?」と問いかけるマミに正体を明かしてしまいそうになるが、

慣れない現代の生活に奮闘中だ。




現代は全く戦がない。

こんなにも穏やかで、命の危険もないんだな。

マミはいきなり戦国時代にタイムスリップして驚いたことだろう。

現代にいた方がいいに決まってる。

そんな時、取引先の営業の男性がマミに声をかけた。

「津久井さん、久しぶり、元気だった?」

「あら、冴木さん、その節はお世話になりました」

「全く、靡かないんだもんな、落ち込むよ」

「また、そんなこと言って」

「なあ、飲みにいこうぜ、たまには付き合ってくれよ」

その時、信長はなんだこいつは、馴れ馴れしいと思い、

「先輩、俺も行きます」

「えっ、そう、それなら一緒に行く?」

そして、信長とマミと冴木は仕事終わりに居酒屋に行った。

信長は酒はすごく強い。

いくら飲んでも、全く酔わなかった。

「お前、強いな」

「それほどでもない、それよりあんたはマミをどう思ってるんだ」




「惚れてるのに、全く俺の気持ちを本気にしてくれないんだ、なあ、津久井」

「だって、本気じゃないでしょ」

「俺は本気だよ」

マミはやれやれって感じで全く取り合わない。

「織田、お前からも言ってくれよ、男の本気を甘く見るなって」

この時、信長の独占欲が燃え上がった。

「マミは俺のものだ、手を出すな」

信長はそう言って「帰るぞ」とマミの腕を掴み居酒屋を後にした。

「織田くん?どうしたの、急に」

信長はマミの言葉を聞かずに、腕を引っ張った。

「織田くん?」

信長は急に立ち止まり、マミを引き寄せ抱きしめた。

「あんな奴に渡したくない」

信長はマミにキスをした。

マミは驚いたが、全く抵抗もせず、信長のキスを受け入れた。

一瞬唇が離れて、じっと見つめ合った。

「信長様」

信長は黙っていた。

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