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マミは信長の胸を拳で叩いて泣きじゃくっていた。
「信長様、ひどいです、すごく心配したんですよ、それなのに、
私を呼び寄せるために嘘つくなんてひどい」
マミは信長にぎゅっと抱きついた。
「マミ、すまん、お前は俺が怪我でもしないと、会いにこないと思っていた」
「えっ」
「お前は信玄が好きなんだろう、いくら濃厚な夜を共に過ごしても、お前の気持ちは信玄にあると思っていた」
「信長様」
「理由はわからないが、お前は俺のそばにはずっといないような気がした、
それが信玄の元に行ってしまうのか、俺の手の届かない場所へ行ってしまうのかはわからないが……」
マミはじっと信長を見つめていた。
「それなら、時間の許す限り、お前と共に過ごしたい」
信長はマミを引き寄せ抱きしめた。
そして唇を重ねた。
マミは信長の口づけを受け入れた。
私は信長様が好きなのかな、こんなにも心配して、居ても立っても居られない、
戦場に駆けつけてしまうなんて。
唇が離れた瞬間、信長の苦痛な表情が目に入った。
「信長様、本当に怪我をされているんじゃないですか」
マミは信長の腕の怪我を見つけた。
「大事ない、こんなの怪我のうちに入らぬ」
信長は本当に怪我をしていたが、マミに心配かけまいと隠していた。
「もう、信長様は、私には嘘はつかないでください、手当てしますよ」
マミは早速信長の手当てをした。
「すまん」
この時、信長の違う一面が見え隠れして、マミは信長に惹かれ始めている気持ちが、
はっきりわかった。
「マミ、俺のそばに来い」
「はい」
「俺は信玄のように甘い言葉も伝えられない、秀吉のように優しい言葉をかけることも出来ない、だがお前をそばにおいておきたい、どうすればいいのだ」
信長の不器用だけれど、まっすぐな気持ちでマミの胸にキュンとときめく気持ちが芽生えた瞬間だった。
「考えておきます」
「そうか、少しは期待しても構わぬな」
「はい」
マミは信長の唇にキスをした。
信長と織田軍と共にマミは安土城に戻ってきた。
「お館様、お怪我は大丈夫でしょうか」
そう駆け寄ってきたのは秀吉だった。
「騒ぐな、大事ない、マミのおかげだ」
「マミ、ご苦労だったな」
「いいえ」
マミはすぐに天守閣に呼ばれた。
「失礼します」
「マミ、俺は約束通り、戻ってきた、もう一つの約束を果たそう」
「もう一つの約束ですか」
「そうだ、団子を一緒に食べに行くと言う約束だ」
信長様はちゃんと覚えてくれていたんだ。
マミはにっこり微笑んで「是非、連れて行ってください」そう言って、
信長の腕に絡みついた。
信長様は恋人として、満点に近いかも……
マミはちょっと幸せな気分だった。
それから怪我の手当てをして、信長と共に城下に向かった。
お団子屋に入り、二人でお団子を頬張る。
「信長様、ひどいです、すごく心配したんですよ、それなのに、
私を呼び寄せるために嘘つくなんてひどい」
マミは信長にぎゅっと抱きついた。
「マミ、すまん、お前は俺が怪我でもしないと、会いにこないと思っていた」
「えっ」
「お前は信玄が好きなんだろう、いくら濃厚な夜を共に過ごしても、お前の気持ちは信玄にあると思っていた」
「信長様」
「理由はわからないが、お前は俺のそばにはずっといないような気がした、
それが信玄の元に行ってしまうのか、俺の手の届かない場所へ行ってしまうのかはわからないが……」
マミはじっと信長を見つめていた。
「それなら、時間の許す限り、お前と共に過ごしたい」
信長はマミを引き寄せ抱きしめた。
そして唇を重ねた。
マミは信長の口づけを受け入れた。
私は信長様が好きなのかな、こんなにも心配して、居ても立っても居られない、
戦場に駆けつけてしまうなんて。
唇が離れた瞬間、信長の苦痛な表情が目に入った。
「信長様、本当に怪我をされているんじゃないですか」
マミは信長の腕の怪我を見つけた。
「大事ない、こんなの怪我のうちに入らぬ」
信長は本当に怪我をしていたが、マミに心配かけまいと隠していた。
「もう、信長様は、私には嘘はつかないでください、手当てしますよ」
マミは早速信長の手当てをした。
「すまん」
この時、信長の違う一面が見え隠れして、マミは信長に惹かれ始めている気持ちが、
はっきりわかった。
「マミ、俺のそばに来い」
「はい」
「俺は信玄のように甘い言葉も伝えられない、秀吉のように優しい言葉をかけることも出来ない、だがお前をそばにおいておきたい、どうすればいいのだ」
信長の不器用だけれど、まっすぐな気持ちでマミの胸にキュンとときめく気持ちが芽生えた瞬間だった。
「考えておきます」
「そうか、少しは期待しても構わぬな」
「はい」
マミは信長の唇にキスをした。
信長と織田軍と共にマミは安土城に戻ってきた。
「お館様、お怪我は大丈夫でしょうか」
そう駆け寄ってきたのは秀吉だった。
「騒ぐな、大事ない、マミのおかげだ」
「マミ、ご苦労だったな」
「いいえ」
マミはすぐに天守閣に呼ばれた。
「失礼します」
「マミ、俺は約束通り、戻ってきた、もう一つの約束を果たそう」
「もう一つの約束ですか」
「そうだ、団子を一緒に食べに行くと言う約束だ」
信長様はちゃんと覚えてくれていたんだ。
マミはにっこり微笑んで「是非、連れて行ってください」そう言って、
信長の腕に絡みついた。
信長様は恋人として、満点に近いかも……
マミはちょっと幸せな気分だった。
それから怪我の手当てをして、信長と共に城下に向かった。
お団子屋に入り、二人でお団子を頬張る。
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