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まゆの具合が心配だ

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「はい、熱は一応下がったみたいです」

「そうか、それはよかったな」

「あのう、おじさまは結城さんは佐伯龍と同一人物だと思ったことはありませんか」

「そうだな、まゆがそう思うなら間違いないんじゃないか」

私はやっぱりと思った。

おじさまは言葉を続けた。

「服部君が外科医を辞めて、自分をこの世から葬り去るには、相当の覚悟があってのことだ、
しかも顔を変えて、別人の人生を歩むと決めた、愛しているまゆとの別れを覚悟してのことだ、相当の考えがあったんだろう」

そうだよね、それなのに私の気持ちを押し通すことは出来ないよね。

私も我慢しないといけないかもしれない。

私はそれから、つわりに悩まされて、毎日横になっていた。

結城さんはすっかり回復したようだった。

陽介さんがLINEで様子を伝えてくれていた。

そんなある日、あんなにも姿を見せていた私が、全く現れなくなって、

結城さんは心配になった。

「おい、陽介、まゆ、来なくなったよな、具合悪いのか」

「あっ、つわりがひどいようです」

陽介さんはつい、私の状況を言ってしまった。





「お前、なんで知ってるんだ」

「あ、あのう、それは……」

「まゆと連絡してるのか」

「すみません、まゆさんが、組長の様子を知りたいって言うもんですから、
LINEをしてます」

「それで、まゆはつわりがひどいのか」

「はい、食事もしないで横になっているそうです」

「そうか」

「おい、車を出せ」

「はい、まゆさんを見舞いに行くんですよね」

「わかってるならさっさとしろ」

俺は工藤組屋敷に向かった。



インターホンを鳴らすと、工藤組の若い組員が応対してくれた。

「佐伯組組長、結城丈二と申します、工藤組長にお目通り願いたいのですが」

「少々お待ちください」

「組長、佐伯組組長、結城様がお見えですが」

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