俺様外科医の溺愛、俺の独占欲に火がついた、お前は俺が守る

ラヴ KAZU

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佐伯組若頭 田淵

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「あれ、いい女がいるじゃねえか」

私は、ヤクザに腕を掴まれた。

その瞬間、龍の表情が変わった。

「その汚い手を離せ」

「なんだと、もっと痛い目に合いてえのか」

龍の目は佐伯龍だった。

次々とヤクザを殴りつけた。

そこへ、一人の男性が店の中に入ってきた。

「お前ら、ひけ」

その男は龍に対して、土下座をした。

私は龍の背中に匿われていた。

「知らぬこととはいえ、こいつらの無礼をお許しください、佐伯龍さんですよね」

「人違いだろ、俺は服部祐志、外科医だ」

「いいえ、間違えるわけありません、佐伯組若頭、亡くなったと聞いてますが、
自分は絶対に信じていました、若頭は絶対生きていると」

周りのヤクザは口々に「嘘だろ、あの佐伯組若頭、佐伯龍」そして、震えて慄いて、

土下座をした。

「姐さん、知らなかったこととはいえ、大変失礼を致しました、こいつら、
死を持ってお詫び致します」




死を持ってお詫び?

「やめてください、死を持ってお詫びって、ちゃんと頭を下げて悪かったと謝ってくれれば
大丈夫ですから」

「なんて寛大なお心を持った姐さんだ」

「私、姐さんじゃありません、服部まゆです」

「ご冗談を、それを言うなら、佐伯まゆさんですよね」

「違います」

私はヤクザに向かって、大声で否定した。

「でも、自分の気がすみません」

「それなら、このお店の立ち退きの件、なかったことにしてあげてください、
ママさんがちゃんと商売出来るようにしてあげてください」

「ありがとう、まゆさん」

ママさんは私の手を握って、頭を下げた。

「おい、まゆの手を離せ」

龍は不服そうにママさんの手を払い除けた。

「あら、ごめんなさい、龍、嫉妬深いのね、まゆさんにぞっこんね」

私は恥ずかしくなって俯いた。

そこに土下座をしたヤクザが口を挟んだ。

「姐さん、自分は現在の佐伯組若頭を務めさせて頂いています、田淵源太と申します、
組長は現在病に倒れて、病院に入院中です、若頭を組長として迎えたいと考えています、ご理解ください」





「だから、俺は佐伯龍じゃねえ、お前が組を継げばいいだろう」

「そう言うわけにはまいりません」

「まゆ、帰ろう」

「お待ちください、このままでは佐伯組は解散に追い込まれます」

「俺には関係ない、俺は堅気の服部祐志だ」

「まゆ、いくぞ」

龍は田淵さんに構わず、店を後にした。
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