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第ニ章 許嫁の存在
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誰にも渡したくねえ、俺の独占欲に火がついた。
深海健一郎、親父から聞いていた人物の名前。
この日、親父は容態が急変して、俺は病室に駆けつけた。
「親父、頑張れ」
「祐志、お前に言っておかなければいけないことがある」
「なんだ、病院なら叔父さんに任せればいいだろ」
「そうではない、実はお前には許嫁がいる」
「はあ?許嫁?」
「深海健一郎の娘だ」
俺は驚きを隠せずにいた。
「俺と深海は親友だ、俺は深海の奥さんが好きだった、まゆこさんは大学時代男子生徒の憧れの存在だった、まゆこさんが選んだ相手は深海だった、深海のところに女の子が生まれた、まゆこさんそっくりの可愛らしい子だった、名前はまゆ、俺はまゆが可愛くて仕方なかった、
その六年後お前が生まれた、俺はまゆと祐志を結婚させるべく、深海に頼み込んだ、まゆはお前の許嫁だ、必ず、まゆを見つけ出して結婚してくれ」
おい、勘弁しろよ、今どき、許嫁って、なにを考えているんだ。
俺が二十七なんだから、まゆは三十三だろう。
もう他の男と結婚してるだろ。
それから三年の月日が流れた。
俺はすっかり忘れていた。
まさか、助けた女がまゆで、しかも処女で、他の男は一切触れていない。
そして、俺に恋人の振りを頼んできた。
俺は迷わず頷いた、そしてまゆを抱いた。
まゆも俺を受け入れてくれたと思っていた。
親父、俺、まゆと結婚する。
俺とまゆはまゆの親父さんに挨拶にいくためまゆの家に向かった。
「お父様、私は服部祐志さんとお付き合いをしています、昨日も祐志さんのマンションに泊まりました、お見合いは断ってください」
「服部祐志?」
「はじめてお目にかかります、服部祐志と申します」
「父上はお元気かな」
「父は三年前に他界致しました」
「そうか、父上の名前を聞いてもいいかな」
「はい、服部祐之介です」
まゆの親父さんは驚きの表情を見せた。
それはそうだろう、親友の男の息子と、自分の娘が付き合っているとは、許嫁の二人が自然に巡り合い、結婚しようとしているなど、こんな偶然があるなんてと思っていた。
「そうか、そうか」
まゆの親父さんは感激のあまり、涙を流していた。
「お父様、大丈夫ですか」
「大丈夫だ、よし、見合いはすぐに断ろう、それで結婚式はいつだ」
「ちょっと待ってください、まだそこまでは……」
俺はまゆの言葉を遮って伝えた。
「結婚式の日取りはまだ決めていませんが、お許しを頂けるのであれば、このまままゆと自分のマンションで生活を始めたいと思っています」
まゆは目を丸くしていた。
さらに驚くことに、まゆの親父さんは「すぐにでもまゆを連れて行ってくれたまえ」といった。
まゆが俺の許嫁だと言うことを知らないのはまゆだけだった。
俺はまゆが自分を好きになって、結婚したかったのだ。
だから許嫁のことは黙っていることにした。
「では、まゆを連れて行きます」
「まゆ、必要なものだけ用意してマンションに戻るよ」
「あ、はい」
私は驚きの感情以外は忘れたかのように驚いていた。
まさか、お父様があんなにすんなり、承諾してくれるなんて、しかも祐志さんをすぐに気に入って、結婚の許しまでくれるなんて、びっくりする以外はない。
私は祐志さんとマンションに戻った。
「ありがとうございました、こんなにすんなりとお父様が許してくれるなんてびっくりです」
深海健一郎、親父から聞いていた人物の名前。
この日、親父は容態が急変して、俺は病室に駆けつけた。
「親父、頑張れ」
「祐志、お前に言っておかなければいけないことがある」
「なんだ、病院なら叔父さんに任せればいいだろ」
「そうではない、実はお前には許嫁がいる」
「はあ?許嫁?」
「深海健一郎の娘だ」
俺は驚きを隠せずにいた。
「俺と深海は親友だ、俺は深海の奥さんが好きだった、まゆこさんは大学時代男子生徒の憧れの存在だった、まゆこさんが選んだ相手は深海だった、深海のところに女の子が生まれた、まゆこさんそっくりの可愛らしい子だった、名前はまゆ、俺はまゆが可愛くて仕方なかった、
その六年後お前が生まれた、俺はまゆと祐志を結婚させるべく、深海に頼み込んだ、まゆはお前の許嫁だ、必ず、まゆを見つけ出して結婚してくれ」
おい、勘弁しろよ、今どき、許嫁って、なにを考えているんだ。
俺が二十七なんだから、まゆは三十三だろう。
もう他の男と結婚してるだろ。
それから三年の月日が流れた。
俺はすっかり忘れていた。
まさか、助けた女がまゆで、しかも処女で、他の男は一切触れていない。
そして、俺に恋人の振りを頼んできた。
俺は迷わず頷いた、そしてまゆを抱いた。
まゆも俺を受け入れてくれたと思っていた。
親父、俺、まゆと結婚する。
俺とまゆはまゆの親父さんに挨拶にいくためまゆの家に向かった。
「お父様、私は服部祐志さんとお付き合いをしています、昨日も祐志さんのマンションに泊まりました、お見合いは断ってください」
「服部祐志?」
「はじめてお目にかかります、服部祐志と申します」
「父上はお元気かな」
「父は三年前に他界致しました」
「そうか、父上の名前を聞いてもいいかな」
「はい、服部祐之介です」
まゆの親父さんは驚きの表情を見せた。
それはそうだろう、親友の男の息子と、自分の娘が付き合っているとは、許嫁の二人が自然に巡り合い、結婚しようとしているなど、こんな偶然があるなんてと思っていた。
「そうか、そうか」
まゆの親父さんは感激のあまり、涙を流していた。
「お父様、大丈夫ですか」
「大丈夫だ、よし、見合いはすぐに断ろう、それで結婚式はいつだ」
「ちょっと待ってください、まだそこまでは……」
俺はまゆの言葉を遮って伝えた。
「結婚式の日取りはまだ決めていませんが、お許しを頂けるのであれば、このまままゆと自分のマンションで生活を始めたいと思っています」
まゆは目を丸くしていた。
さらに驚くことに、まゆの親父さんは「すぐにでもまゆを連れて行ってくれたまえ」といった。
まゆが俺の許嫁だと言うことを知らないのはまゆだけだった。
俺はまゆが自分を好きになって、結婚したかったのだ。
だから許嫁のことは黙っていることにした。
「では、まゆを連れて行きます」
「まゆ、必要なものだけ用意してマンションに戻るよ」
「あ、はい」
私は驚きの感情以外は忘れたかのように驚いていた。
まさか、お父様があんなにすんなり、承諾してくれるなんて、しかも祐志さんをすぐに気に入って、結婚の許しまでくれるなんて、びっくりする以外はない。
私は祐志さんとマンションに戻った。
「ありがとうございました、こんなにすんなりとお父様が許してくれるなんてびっくりです」
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