9 / 10
別れ
しおりを挟む
それから、私は見えない姿、聞こえない声、触れられない唇の驍と、想像の世界にいた。
「驍、ずっと一緒に居たい」
私は自分の腕で私自身を抱きしめた。
そして急に霊体さんを感じなくなった。
「黄泉の国へ行ってしまったの?」
「霊体さん」
何も感じない。
涙が溢れて止まらなかった。
霊体さんは驍なんだ。
私をずっと愛してくれていた。
ちょっとでも疑ってごめんね、驍。
お願い、私の側に来て。
あなたを感じられない人生は悲しすぎる。
驍、私を抱きしめて。
あと二ヶ月で驍は黄泉の国へ行っちゃう。
一緒に黄泉の国へ行く方法はないの?
生きている人間は黄泉の国へはいけない。
でも、自ら命を絶つことは、地獄を彷徨って、黄泉の国へはいけない。
与えられた寿命を生きなければならない。
驍、教えて、私はどうすればいいの?
俺は琴葉の気持ちを感じながらすぐにでも飛んでいきたい気持ちを堪えた。
そう、あと二ヶ月で琴葉を感じることは出来なくなる。
俺は黄泉の国へ行かなければならない。
俺の気持ちを琴葉はわかってくれた。
これ以上、琴葉の側にいると俺は自分がとんでもない行動をしてしまいそうで、恐怖に怯えた。
しかし、悩んでいる琴葉を感じながら、俺は気持ちより先に行動を起こしていた。
琴葉!
俺は琴葉を抱きしめた。
「霊体さん、来てくれたの?」
泣いている琴葉を放っておけないよ。
「驍、あのね、あと二ヶ月で驍は黄泉の国へ行っちゃうんだよね、だから、霊体のままでいいから、一緒にいて?」
琴葉。
そして霊体の俺と琴葉の生活が始まった。
琴葉を抱きしめて眠りにつく。
琴葉は俺の腕の中ですやすやと眠っている。
真夜中に琴葉は目を覚ました。
「驍、ずっと一緒に居たい」
私は自分の腕で私自身を抱きしめた。
そして急に霊体さんを感じなくなった。
「黄泉の国へ行ってしまったの?」
「霊体さん」
何も感じない。
涙が溢れて止まらなかった。
霊体さんは驍なんだ。
私をずっと愛してくれていた。
ちょっとでも疑ってごめんね、驍。
お願い、私の側に来て。
あなたを感じられない人生は悲しすぎる。
驍、私を抱きしめて。
あと二ヶ月で驍は黄泉の国へ行っちゃう。
一緒に黄泉の国へ行く方法はないの?
生きている人間は黄泉の国へはいけない。
でも、自ら命を絶つことは、地獄を彷徨って、黄泉の国へはいけない。
与えられた寿命を生きなければならない。
驍、教えて、私はどうすればいいの?
俺は琴葉の気持ちを感じながらすぐにでも飛んでいきたい気持ちを堪えた。
そう、あと二ヶ月で琴葉を感じることは出来なくなる。
俺は黄泉の国へ行かなければならない。
俺の気持ちを琴葉はわかってくれた。
これ以上、琴葉の側にいると俺は自分がとんでもない行動をしてしまいそうで、恐怖に怯えた。
しかし、悩んでいる琴葉を感じながら、俺は気持ちより先に行動を起こしていた。
琴葉!
俺は琴葉を抱きしめた。
「霊体さん、来てくれたの?」
泣いている琴葉を放っておけないよ。
「驍、あのね、あと二ヶ月で驍は黄泉の国へ行っちゃうんだよね、だから、霊体のままでいいから、一緒にいて?」
琴葉。
そして霊体の俺と琴葉の生活が始まった。
琴葉を抱きしめて眠りにつく。
琴葉は俺の腕の中ですやすやと眠っている。
真夜中に琴葉は目を覚ました。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
RoomNunmber「000」
誠奈
ミステリー
ある日突然届いた一通のメール。
そこには、報酬を与える代わりに、ある人物を誘拐するよう書かれていて……
丁度金に困っていた翔真は、訝しみつつも依頼を受け入れ、幼馴染の智樹を誘い、実行に移す……が、そこである事件に巻き込まれてしまう。
二人は密室となった部屋から出ることは出来るのだろうか?
※この作品は、以前別サイトにて公開していた物を、作者名及び、登場人物の名称等加筆修正を加えた上で公開しております。
※BL要素かなり薄いですが、匂わせ程度にはありますのでご注意を。
【毎日20時更新】アンメリー・オデッセイ
ユーレカ書房
ミステリー
からくり職人のドルトン氏が、何者かに殺害された。ドルトン氏の弟子のエドワードは、親方が生前大切にしていた本棚からとある本を見つける。表紙を宝石で飾り立てて中は手書きという、なにやらいわくありげなその本には、著名な作家アンソニー・ティリパットがドルトン氏とエドワードの父に宛てた中書きが記されていた。
【時と歯車の誠実な友、ウィリアム・ドルトンとアルフレッド・コーディに。 A・T】
なぜこんな本が店に置いてあったのか? 不思議に思うエドワードだったが、彼はすでにおかしな本とふたつの時計台を巡る危険な陰謀と冒険に巻き込まれていた……。
【登場人物】
エドワード・コーディ・・・・からくり職人見習い。十五歳。両親はすでに亡く、親方のドルトン氏とともに暮らしていた。ドルトン氏の死と不思議な本との関わりを探るうちに、とある陰謀の渦中に巻き込まれて町を出ることに。
ドルトン氏・・・・・・・・・エドワードの親方。優れた職人だったが、職人組合の会合に出かけた帰りに何者かによって射殺されてしまう。
マードック船長・・・・・・・商船〈アンメリー号〉の船長。町から逃げ出したエドワードを船にかくまい、船員として雇う。
アーシア・リンドローブ・・・マードック船長の親戚の少女。古書店を開くという夢を持っており、謎の本を持て余していたエドワードを助ける。
アンソニー・ティリパット・・著名な作家。エドワードが見つけた『セオとブラン・ダムのおはなし』の作者。実は、地方領主を務めてきたレイクフィールド家の元当主。故人。
クレイハー氏・・・・・・・・ティリパット氏の甥。とある目的のため、『セオとブラン・ダムのおはなし』を探している。
Springs -ハルタチ-
ささゆき細雪
ミステリー
――恋した少女は、呪われた人殺しの魔女。
ロシアからの帰国子女、上城春咲(かみじょうすざく)は謎めいた眠り姫に恋をした。真夏の学園の裏庭で。
金木犀咲き誇る秋、上城はあのときの少女、鈴代泉観(すずしろいずみ)と邂逅する。だが、彼女は眠り姫ではなく、クラスメイトたちに畏怖されている魔女だった。
ある放課後。上城は豊(ゆたか)という少女から、半年前に起きた転落事故の現場に鈴代が居合わせたことを知る。彼女は人殺しだから関わるなと憎らしげに言われ、上城は余計に鈴代のことが気になってしまう。
そして、鈴代の目の前で、父親の殺人未遂事件が起こる……
――呪いを解くのと、謎を解くのは似ている?
初々しく危うい恋人たちによる謎解きの物語、ここに開幕――!
ダブルネーム
しまおか
ミステリー
有名人となった藤子の弟が謎の死を遂げ、真相を探る内に事態が急変する!
四十五歳でうつ病により会社を退職した藤子は、五十歳で純文学の新人賞を獲得し白井真琴の筆名で芥山賞まで受賞し、人生が一気に変わる。容姿や珍しい経歴もあり、世間から注目を浴びテレビ出演した際、渡部亮と名乗る男の死についてコメント。それが後に別名義を使っていた弟の雄太と知らされ、騒動に巻き込まれる。さらに本人名義の土地建物を含めた多額の遺産は全て藤子にとの遺書も発見され、いくつもの謎を残して死んだ彼の過去を探り始めた。相続を巡り兄夫婦との確執が産まれる中、かつて雄太の同僚だったと名乗る同性愛者の女性が現れ、警察は事故と処理したが殺されたのではと言い出す。さらに刑事を紹介され裏で捜査すると告げられる。そうして真相を解明しようと動き出した藤子を待っていたのは、予想をはるかに超える事態だった。登場人物のそれぞれにおける人生や、藤子自身の過去を振り返りながら謎を解き明かす、どんでん返しありのミステリー&サスペンス&ヒューマンドラマ。
マクデブルクの半球
ナコイトオル
ミステリー
ある夜、電話がかかってきた。ただそれだけの、はずだった。
高校時代、自分と折り合いの付かなかった優等生からの唐突な電話。それが全てのはじまりだった。
電話をかけたのとほぼ同時刻、何者かに突き落とされ意識不明となった青年コウと、そんな彼と昔折り合いを付けることが出来なかった、容疑者となった女、ユキ。どうしてこうなったのかを調べていく内に、コウを突き落とした容疑者はどんどんと増えてきてしまう───
「犯人を探そう。出来れば、彼が目を覚ますまでに」
自他共に認める在宅ストーカーを相棒に、誰かのために進む、犯人探し。
この満ち足りた匣庭の中で 二章―Moon of miniature garden―
至堂文斗
ミステリー
それこそが、赤い満月へと至るのだろうか――
『満ち足りた暮らし』をコンセプトとして発展を遂げてきたニュータウン、満生台。
更なる発展を掲げ、電波塔計画が進められ……そして二〇一二年の八月、地図から消えた街。
鬼の伝承に浸食されていく混沌の街で、再び二週間の物語は幕を開ける。
古くより伝えられてきた、赤い満月が昇るその夜まで。
オートマティスム、鬼封じの池、『八〇二』の数字。
ムーンスパロー、周波数帯、デリンジャー現象。
ブラッドムーン、潮汐力、盈虧院……。
ほら、また頭の中に響いてくる鬼の声。
逃れられない惨劇へ向けて、私たちはただ日々を重ねていく――。
出題篇PV:https://www.youtube.com/watch?v=1mjjf9TY6Io
ある警部補の事件記録『ままならない命』
古郷智恵
ミステリー
不治の病を患っている女性、「青木望美」が毒薬を飲み亡くなった。しかし、その女性は病により毒薬を一人で飲む力もなく、何者かが手助けをしたのは明らかだ。
容疑者としてその女性の恋人「黒川冬樹」、恋人の父親「黒川康之」、女性の母親「青木愛」が上げられた。
果たして、これは他殺か自殺幇助か、それとも……
警部補三島がこの事件を調査する……
―――――――――――――――――――
※前作と同じく劇作風に書いています。
※前作との繋がりは探偵役が一緒なだけです。これからでも読めます。
※毒は(元ネタはありますが)ほぼオリジナルなので、注意してください
※推理要素は薄いと思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる