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伝わらない言葉、見えない姿
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まず、琴葉が気になった。
俺が事故死して平気でいられるわけがない。
琴葉!
俺の脳裏に琴葉が危険な目に遭う姿が映し出された。
ヤバい!
俺は仮の姿の男性から抜け出して琴葉の元に飛んだ。
えっ?すげえ、
その時、目の前で琴葉が横断歩道を渡ろうとしていた時、車道の信号は赤なのに、突っ込んで来た車がいた。
「琴葉、危ない」
俺は咄嗟に琴葉を抱き上げて、歩道へ下ろした。
琴葉は咄嗟の出来事に戸惑いを隠せずにいた。
しばらくして琴葉は二度目の危険な状態にあった。
ほんとに不思議だ、脳裏に浮かんでくる。
またしても琴葉の窮地を救う事が出来た。
この時は仮の姿のまま、現場に向かった。
久しぶりに琴葉と肩を並べて歩いた。
でも琴葉の瞳に写ってるのは俺じゃない。
いまだに琴葉は俺の死を知らない。
スマホが繋がらないと不信感を募らせている状態だった。
俺は仮の姿のままこれ以上琴葉と一緒にいる事に危機感を感じた。
まず、俺への不信感を取り除く。
俺はその場から咄嗟に離れた。
仮の姿の俺が琴葉に俺の死を伝えるのは不自然だ。
また、仮の姿の俺と関わりを持つ事は俺の意に反するからだ。
次の日、俺は中村の身体を借りる事にした。
中村、悪いな、身体を貸してくれ。
俺は中村の身体に入った。
琴葉のコンビニに向かった。
レジに並び「浜咲琴葉さんですよね」と声をかけた。
「はい」と琴葉は答えてくれた。
「俺、海斗と同じ職場の中村と言います、海斗と連絡取れなくなったと思うんですが」
そこまで言うと琴葉が俺の言葉を遮った。
「もう、海斗さんとは関係ないんでお話することはありません」
琴葉はそう言うとテキパキとレジを済ませ「次の方どうぞ」と俺の言葉を聞こうとはしなかった。
俺は唖然とした。
俺の死を知らないまま、俺との愛に不信感を抱いたまま、俺との愛を無かった事にしようとしている。
それでいいのか、いいわけない。
俺は一旦中村の身体を離れた。
中村、ごめんな。
中村は頭がぼーっとしているようで、自分の記憶を探っていた。
「僕は、なんでコンビニにいるんだ、まずい、遅刻だ」
中村は走って会社に向かった。
俺は琴葉の事が気になり、霊体のまま彷徨っていた。
琴葉は仕事帰り、また近道をしようとしていた。
「この道は使うなって言ったのに、琴葉は何を考えているんだ」
不安は的中した。
コンビニからずっと琴葉の後をつけて来た不審者がいた。
琴葉は足早にアパートを目指した。
急に琴葉は立ち止まった。
琴葉、立ち止まったら追いつかれるのに、どうしたと言うんだ。
不審者はどんどん琴葉に近づいて来た。
俺は琴葉に近づき、琴葉を抱き抱えた。
琴葉の身体は宙に浮かんだ。
琴葉は驚いた表情を見せた。
不審者は腰を抜かしてその場を走り去った。
それはそうだろ、目の前で人間が浮いてるんだから、驚かないやつはいない。
危機一髪でまた危険を回避出来た。
俺が事故死して平気でいられるわけがない。
琴葉!
俺の脳裏に琴葉が危険な目に遭う姿が映し出された。
ヤバい!
俺は仮の姿の男性から抜け出して琴葉の元に飛んだ。
えっ?すげえ、
その時、目の前で琴葉が横断歩道を渡ろうとしていた時、車道の信号は赤なのに、突っ込んで来た車がいた。
「琴葉、危ない」
俺は咄嗟に琴葉を抱き上げて、歩道へ下ろした。
琴葉は咄嗟の出来事に戸惑いを隠せずにいた。
しばらくして琴葉は二度目の危険な状態にあった。
ほんとに不思議だ、脳裏に浮かんでくる。
またしても琴葉の窮地を救う事が出来た。
この時は仮の姿のまま、現場に向かった。
久しぶりに琴葉と肩を並べて歩いた。
でも琴葉の瞳に写ってるのは俺じゃない。
いまだに琴葉は俺の死を知らない。
スマホが繋がらないと不信感を募らせている状態だった。
俺は仮の姿のままこれ以上琴葉と一緒にいる事に危機感を感じた。
まず、俺への不信感を取り除く。
俺はその場から咄嗟に離れた。
仮の姿の俺が琴葉に俺の死を伝えるのは不自然だ。
また、仮の姿の俺と関わりを持つ事は俺の意に反するからだ。
次の日、俺は中村の身体を借りる事にした。
中村、悪いな、身体を貸してくれ。
俺は中村の身体に入った。
琴葉のコンビニに向かった。
レジに並び「浜咲琴葉さんですよね」と声をかけた。
「はい」と琴葉は答えてくれた。
「俺、海斗と同じ職場の中村と言います、海斗と連絡取れなくなったと思うんですが」
そこまで言うと琴葉が俺の言葉を遮った。
「もう、海斗さんとは関係ないんでお話することはありません」
琴葉はそう言うとテキパキとレジを済ませ「次の方どうぞ」と俺の言葉を聞こうとはしなかった。
俺は唖然とした。
俺の死を知らないまま、俺との愛に不信感を抱いたまま、俺との愛を無かった事にしようとしている。
それでいいのか、いいわけない。
俺は一旦中村の身体を離れた。
中村、ごめんな。
中村は頭がぼーっとしているようで、自分の記憶を探っていた。
「僕は、なんでコンビニにいるんだ、まずい、遅刻だ」
中村は走って会社に向かった。
俺は琴葉の事が気になり、霊体のまま彷徨っていた。
琴葉は仕事帰り、また近道をしようとしていた。
「この道は使うなって言ったのに、琴葉は何を考えているんだ」
不安は的中した。
コンビニからずっと琴葉の後をつけて来た不審者がいた。
琴葉は足早にアパートを目指した。
急に琴葉は立ち止まった。
琴葉、立ち止まったら追いつかれるのに、どうしたと言うんだ。
不審者はどんどん琴葉に近づいて来た。
俺は琴葉に近づき、琴葉を抱き抱えた。
琴葉の身体は宙に浮かんだ。
琴葉は驚いた表情を見せた。
不審者は腰を抜かしてその場を走り去った。
それはそうだろ、目の前で人間が浮いてるんだから、驚かないやつはいない。
危機一髪でまた危険を回避出来た。
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