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第十八章 健吾さん愛しています

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「健吾さん、どうして泣いてるんですか」

「いや、なんでもない」

健吾は由梨のおでこにキスを落とした。

その時、けたたましくインターホンが鳴った。

「組長、由梨さんがどうしても見つかりません」

裕也だった。

「しまった、裕也に連絡するの忘れた」

健吾はオートロックを解錠して裕也を招き入れた。

「あれ、由梨さん」

「すまん、裕也、昨日由梨を連れ戻して、お前に連絡忘れた」

「でも、よかったっす」

由梨は裕也をじっと見つめて健吾に聞いた。

「どなたですか」

この時、健吾は思った。

(俺のことだけ覚えて居てくれるんだ)

それで十分だ。

「こいつは裕也、俺の舎弟だ」

「初めまして、由梨です、よろしくお願いします」
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