俺にお前の心をくれ〜若頭はこの純愛を諦められない

ラヴ KAZU

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第十一章 由梨の記憶が消えた

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「健吾さん、それじゃあ、私が病人みたいですよ」

「そうだな、俺、早く退院するからな、お前が心配で堪らねえ」

由梨は恥ずかしそうに俯いた。

「そういえば、私が毎日お見舞いに来て、健吾さんの奥様は大丈夫ですか」

「えっ?」

「奥様、ヤキモチ妬いてないですか、怒ってるんじゃないですか」

(俺と婚姻届出したことも覚えていないのか)

「由梨は俺の奥さんだよ」

由梨は目をパチクリして驚いた表情を見せた。

「そうなんですか」

このことも、次の日同じ会話を交わした。

健吾はだいぶ回復に向かっていた。

いつものように由梨が病室にくると、ベッドに座っている健吾の姿にびっくりした様子を見せた。

「健吾さん」

「ベッドに起き上がれるようになったんだ」

「よかったですね」

健吾は由梨を手招きした。

「何ですか」
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