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第七章 新たな始まり

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由梨は目が覚めると、隣には健吾が眠っていた。

(健吾さん、これで私は健吾さんとの思い出を胸に生きていけます)

この時、由梨は健吾の側から離れる覚悟を決めていた。

廊下に出ると、料亭の女将が挨拶してきた。

「おはようございます」

「あっ、おはようございます」

「西園寺様もお目覚めですか、朝食の用意を致しましょうか」

女将は落ち着いた雰囲気を持っており、信頼出来ると確信した。

「あのう、健吾さんはまだ寝ています、すみませんが、私はここで失礼します、

お世話になりました」

「お帰りですか」

由梨は頷いた。

「西園寺様に言伝はございますか」

「ありがとうございましたとお伝えください」

「かしこまりました」

女将は全てをお見通しのように、裏口を案内してくれた。

裏口を出るとハイヤーが待機しており、由梨はその場を後にした。

その頃、健吾は由梨を手探りで探した。
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