俺様御曹司は十二歳年上妻に生涯の愛を誓う

ラヴ KAZU

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第二十五章 記憶がない蓮

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蓮は無意識に蓮也の幼稚園に足を運んでいた。

蓮也と通い慣れた幼稚園までの道のりだった。

「蓮也、ここ、蓮也の幼稚園か」

「うん、パパはどうしたの?もうお家に帰れるの?」

「いや、美希に会いたいんだ」

「ママに?」

蓮也は先生を呼んで、美希に連絡してもらった。

「蓮也くんのお母様の携帯でしょうか、小鳩幼稚園の水本ですが」

「いつも蓮也がお世話になっております、蓮也に何か」

「いいえ、蓮也くんは元気に過ごしております、こちらにご主人様がお見えになっています」

「えっ、蓮さんが……」

「蓮也くんのお話ですと、病院に入院中だとか」

「はい、お恥ずかしい話ですが、病院を抜け出した様子なんです」

「そうでしたか、ママが心配しているから連絡してと頼まれまして」

「本当にご迷惑をおかけしてすみません、すぐに主人を迎えに参ります」




「はい、お待ちしております」

病院と東條に連絡して、美希は小鳩幼稚園に到着した。

「蓮さん?」

美希は蓮に声をかけた。

蓮は美希の姿を確認すると、美希に駆け寄り、ひと目も憚らず抱きしめた。

美希は思いも寄らない蓮の行動に戸惑いを隠せずにいた。

「蓮さん、みんなが見ています」

「構わない、なぜ三日も病院へこなかった、なぜ、電話に出なかった、俺は、
美希に会いたかったんだ、顔が見たかった、声が聞きたかった」

「蓮さん、病院へ戻りましょう」

美希は先生に挨拶をして、車に乗り込んだ。

「蓮也、後で迎えに来るね」

「わかった」

小鳩幼稚園を後にした。




美希は蓮を病院へ連れ戻した。

「先生、蓮さんは記憶が戻ったんですか」

「いいえ、奥様に恋をしたんでしょう」

「えっ」

「目覚めてからの数日間で、ご主人様は奥様に恋をした、だから、毎日病室に来てくれていた奥様が、急に姿を現さなくなって、心が折れそうになったのでしょう」

「そんなこと……」

「つまり、一目惚れです」

美希は驚きのあまり言葉が出なかった。

「一旦お家に帰りましょうか、もちろん通院はして頂きます」

蓮は退院することになった。

退院の日、蓮也のお迎えと美蓮の子守を東條に頼み、美希は一人で蓮の病室に向かった。

「蓮さん、私たちのマンションに帰りましょうか」

「美蓮はどうした?」

「蓮也と美蓮は東條さんに頼みました」

「そうか」




マンションに戻ると、蓮は美希を引き寄せた。

美希の頬を両手で挟み、唇にキスをした。

舌を割り入れて、上着を脱いだ。

「蓮さん、待ってください」

「待てない、お前を抱きたい」

蓮は美希の首筋にキスをして、美希の上着も脱がせた。

ブラを外して、露わになった乳房にむしゃぶりついた。

「ああ、蓮さん、気持ちいいです」

「俺もだ、ずっとこうしたかった」

リビングの床に押し倒して、乳首を吸った。

美希は感じることしか出来ず、喘ぎ声を上げた。

下着の中に指を入れた。

美希は背中を仰け反らせて、感じていた。

「美希、愛してる、愛してる、お前は俺のものだ、誰にも渡さない、俺を受け入れてくれ」




美希は蓮の抱擁を、はじめて求められた時のことを思い出していた。

こんなにも強く、激しく、求められて、嬉しかった。

蓮の記憶が戻らなくても、ここから、また思い出を積み上げていけばいいと思っていた。

「蓮さん、愛しています」

蓮は美希の中にはち切れんばかりの肉棒を突き刺して、大きく腰を振った。

美希の中で何度も、何度も果てた。




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