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第二十一章 二人目の誕生

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他の男の子供か、いや、まさか、美蓮って美希の美と俺の名前の蓮で美蓮か。

美希は二人目を妊娠していたのか。

「美蓮以外に誰かいたか?」

「ママは美蓮と二人だって」

「ほかに何か言ってたか」

「パパはママと一緒だと疲れちゃうからって」

「後はなんか言ってたか」

「真弓さんをパパの恋人だって言ってた、だから違うよって言っておいたよ」

「そうか」

「ママはパパがすごくすごく大好きだって」

美希、お前はずっと変わらないんだな。

いつも俺のことを考えて行動する。

でも、俺の娘を妊娠したことをなぜ隠して消えたんだ。

蓮也だけでもいっぱいいっぱいになった俺を気遣って、俺から離れたのか。



自分がいるのに、ベビーシッターを雇うことを反対した美希。
夫婦二人で乗り越えたいと常々言っていた。

他の人の手を借りることを余儀なくされた今回のことで、俺の妻としての自信を無くしたんだろう。

美希の考えを貫き通そうとすれば、俺に負担がかかると、俺の側にいることを断念してしまったんだろう。

「ママはまた蓮也の幼稚園にくるって言ってたか」

「うん」

「そうか、今日はパパが迎えにいく」

「ほんと?」

蓮也は満面の笑みを浮かべた。




今日美希は蓮也の幼稚園にくるだろうか。

期待と不安が入り混じり、仕事が手につかなかった。

聞きたいことはたくさんある、また真弓さんとのことも誤解を解きたい。

三人で買い物に出かけたことがあった。

俺の不注意だ。

この間俺の背中に頬をつけてきた時も、俺はそんなつもりはなかったが、惑わす態度をとってしまった、いやそう思わせてしまったのかもしれない。

三人の姿を美希は見かけて、勘違いをしたんだろう。

そして、蓮也の迎えの時間が近づいた。

俺は仕事を片付けて、東條を呼んだ。

「東條、美希が蓮也の幼稚園に現れたんだ、今日くるかわからないが、迎えに行ってくる」

「かしこまりました」

真弓さんにも連絡を入れた。

「今日の蓮也の迎えは俺が行くから、今日は休みを取ってくれ」

「了解しました、あの、この間はすみませんでした」

「あっ、大丈夫、気にしてないから、俺の方こそ惑わす態度を取ってしまったのかもしれないから、申し訳ないと思っている」

「では、また明日伺います」

「ああ、よろしく頼むよ」

俺は蓮也の幼稚園に向かった。

美希に久しぶりに会えると思うだけで心が躍る。

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