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第二十章 美希の存在
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「蓮さん、どうしたんですか、こんな時間に」
「望月とはこんな時間に楽しくおしゃべりしてるんだ」
俺は頭に血がのぼり、美希に罵声を浴びせた。
「蓮也を俺に押しつけて、望月とよろしくやろうって魂胆か」
「おい、蓮、それはあまりにもひどいんじゃないか」
「麗子を裏切ってよく平気だな」
「俺は麗子を裏切ってなんかいない」
俺は美希の病室のドアをバタンと思いっきり閉めてマンションへ戻った。
「蓮さん」
美希の俺を呼び止める声は俺には届かなかった。
俺は冷静さを失っていた。
望月の存在はありがたいと思いながら、いつも美希の側にいる奴の存在は脅威でしかなかった。
いつか美希を取られるんじゃないかと脅えていたのは事実だ。
美希の側にはいつも蓮也がいる、まさか蓮也と一緒の時に変な気は起こさないだろうと思っていた。
まさか、入院中の病室で密会かよと、俺は恐怖を感じていたことを目の当たりにしてショックを隠しきれない状態だった。
いや、ただ話していただけなのに、キスしてたんじゃないか、望月と抱き合っていたんじゃないかと、良からぬ妄想が消えない。
俺はなんて小さい男なんだ。
美希の気持ちがわからない、もしかして俺のことははじめから好きではなかったのか。
徐々に自信がなくなっていった。
マンションに戻ると、東條はリビングでスマホを見ていた。
「社長、おかえりなさいませ、蓮也様はぐっすり寝ておられました」
「そうか、サンキューな」
「美希様とお話し出来ましたか」
「いや、望月と話していたから、帰ってきた、邪魔しても悪いしな」
「もう面会時間はとっくに過ぎていますよね」
「特別な関係なんだろう」
「社長、美希様はそんなことは致しません」
「どんなことだよ、蓮也を俺に押しつけて、望月とよろしくやることか」
「社長、冷静になってください」
東條は俺の肩を掴んで落ち着かせようとした。
自分では興奮しているつもりはないが、相当取り乱していたのだろう。
何か叫んだのは覚えているが、何を口走ったのか覚えていなかった。
「社長、とにかくお休みになってください、私はこれで失礼致します」
「すまなかった、俺、相当取り乱したな」
俺は東條の言う通りベッドに身体を横たえた、すると気づかないうちに深い眠りに落ちていった。
「望月とはこんな時間に楽しくおしゃべりしてるんだ」
俺は頭に血がのぼり、美希に罵声を浴びせた。
「蓮也を俺に押しつけて、望月とよろしくやろうって魂胆か」
「おい、蓮、それはあまりにもひどいんじゃないか」
「麗子を裏切ってよく平気だな」
「俺は麗子を裏切ってなんかいない」
俺は美希の病室のドアをバタンと思いっきり閉めてマンションへ戻った。
「蓮さん」
美希の俺を呼び止める声は俺には届かなかった。
俺は冷静さを失っていた。
望月の存在はありがたいと思いながら、いつも美希の側にいる奴の存在は脅威でしかなかった。
いつか美希を取られるんじゃないかと脅えていたのは事実だ。
美希の側にはいつも蓮也がいる、まさか蓮也と一緒の時に変な気は起こさないだろうと思っていた。
まさか、入院中の病室で密会かよと、俺は恐怖を感じていたことを目の当たりにしてショックを隠しきれない状態だった。
いや、ただ話していただけなのに、キスしてたんじゃないか、望月と抱き合っていたんじゃないかと、良からぬ妄想が消えない。
俺はなんて小さい男なんだ。
美希の気持ちがわからない、もしかして俺のことははじめから好きではなかったのか。
徐々に自信がなくなっていった。
マンションに戻ると、東條はリビングでスマホを見ていた。
「社長、おかえりなさいませ、蓮也様はぐっすり寝ておられました」
「そうか、サンキューな」
「美希様とお話し出来ましたか」
「いや、望月と話していたから、帰ってきた、邪魔しても悪いしな」
「もう面会時間はとっくに過ぎていますよね」
「特別な関係なんだろう」
「社長、美希様はそんなことは致しません」
「どんなことだよ、蓮也を俺に押しつけて、望月とよろしくやることか」
「社長、冷静になってください」
東條は俺の肩を掴んで落ち着かせようとした。
自分では興奮しているつもりはないが、相当取り乱していたのだろう。
何か叫んだのは覚えているが、何を口走ったのか覚えていなかった。
「社長、とにかくお休みになってください、私はこれで失礼致します」
「すまなかった、俺、相当取り乱したな」
俺は東條の言う通りベッドに身体を横たえた、すると気づかないうちに深い眠りに落ちていった。
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