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第十八章 悪友 望月楓

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望月は蓮と連絡を取った、美希の悩みを伝えるためだ。

「蓮、どうだ、美希ちゃんの育児を手伝ってるか?」

「いや、なかなか俺に懐いてくれなくてな」

「それはお前の努力が足りないからだ、美希ちゃんは悩んでいたぞ」

「えっ、美希が?」

「ああ、手伝ってやれよ」

蓮はこの時、望月に嫉妬していた。

「美希はお前には悩みを打ち明けるんだな」

「はあ?何言ってるんだ、お前が聞いてやらないからだろ、お前は美希ちゃんに甘え過ぎだ」

「わかってるよ、そう言えば奥さんとはどうなった?」

望月は急に頭を下げた。

「どうしたんだ?」

「俺は美希ちゃんに惚れていた、だから麗子に近づいた」

「お前な」

蓮は望月の胸ぐらを掴み、殴りつけた。

「麗子を騙したのか」

望月は殴られた口元を押さえて「蓮、落ち着けよ」と痛そうな顔を蓮に向けた。

「落ち着いていられるか、お前な、麗子の気持ち考えたのか」

「おい、蓮、俺の妻を呼び捨てするな」

「俺の妻?よくも抜け抜けとそんな事が言えるな」

「言えるよ、今は麗子を愛していると大声で言える」

望月は自分の気持ちの変化を語り始めた。


「俺は蓮のように御曹司でもないし、社長でもない、雇われてるサラリーマンだ、実家も農家をやっているし、貧乏で苦労して育った、大学も奨学金で行ったんだからな、そこで蓮と知り合って、かれこれ、8年だよな、大学の時から彼女はいたが、奨学金で大学に行っている苦労を分かり合える女ばかりだった、でも麗子は苦労知らずのお嬢さん育ちで、まず食事に行くのだって、大変だった、高級レストランを調べて、予約取って、プレゼントも貰ったばかりのボーナスを叩いて買った、お前にはわからないだろう、
麗子との付き合いは、美希ちゃんとなら牛丼でも文句言わないだろうなんて比べちまう、情けないよ、全く、でも美希ちゃんが蓮と一緒に居たいのなら俺がライバルを排除するしかない、そう思ったんだ」

「それで麗子の、いやお前の奥さんの気持ちをお前に向かせるようにしてくれたってことか、でもさっき奥さんを愛していると言ったよな」

「ああ、言ってなかったんだが、美希ちゃんに会いに行った、蓮也はかわいいな、その時はっきり言われたよ、愛しているのはお前だって、それから麗子が怪我をして入院したんだ」

蓮は驚きの表情を見せた。

「麗子にも俺の本心はバレてた、だからわざとわがままを言って俺を困らせたそうだ、
でも麗子を失いたくないと思った気持ちは嘘じゃない事を告げると、俺の収入に見合った生活を頑張ると言ってくれた」

「そうか、よかったな」

「麗子が退院したら子作りに励むぞ、美希ちゃんの悩みはお前がその気になればすぐ解決する、頑張れよ」

「ああ、頑張ってみるよ」

蓮は望月に感謝していた。

「望月、俺は美希と蓮也を幸せにすると誓う、美希の悩みも解決する方向へと頑張るよ」

二人はこれから先も悪友でいようと誓ったのである。

                         
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