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第十七章 お前と共に生きる

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ある日、望月が久しぶりに連絡して来た。

「蓮、元気か」

「望月、どうした」

「俺、結婚することになった」

俺は驚きすぎて言葉が出てこなかった。

「おい、聞いてるか」

「ああ、聞いてる、相手は誰だ」

「今村不動産のお嬢さんだよ」

俺はまたまた固まった、まさか麗子?

「今村不動産のお嬢さんって今村麗子か」

「ああ、そうだ」

「詳しく説明しろ」

「今度な、今麗子と一緒だから、またゆっくりと」

「わかった、また連絡くれ」

その後望月は連絡をくれた。

俺を諦めない麗子に諦めさせようと、四苦八苦してくれた結果、お互いに惹かれあい愛し合うようになったとの事だった。

望月にはいつも助けられている。

大学時代から、そうだった。

俺が御曹司と言う事で、近づいてくる女は数しれず、その度に俺の目を覚まさせてくれたのが望月だった。

俺は美希に望月の結婚の話をした。

「望月さんと麗子さんが結婚ですか、なんか信じられないお話ですね」

「俺を諦めさせようとしてくれたらしい」

「望月さんは悪友ではなく、親友ですね」

「ああ、そうだな」

それから、しばらくして美希に陣痛が始まった。

病院へ向かい、産まれてくる俺と美希の子供の誕生を祈った。

永い夜が開けて、朝になっても産声が聞こえてこない。

美希と赤ん坊は頑張っているんだから、俺も頑張らないといけないと自分に言い聞かせた。

そんな時、病院の廊下に元気な産声が響いた。

「おめでとうございます、元気な男の子です」

美希は男の子を産んだ。

病室へ向かうと、美希はぐったりしており、大変さを物語る。

「美希、頑張ったな」

「蓮さん、男の子でしたね」

「ああ、跡取りの心配はないな」

美希はニッコリ微笑んだ。

「名前は蓮也だな」

俺は元気で、伸び伸びすくすく育って欲しいと願った。

「美希、これからもよろしく頼むな」

「はい、よろしくお願いします」

その時、看護師さんが蓮也を病室へ連れて来てくれた。

大きなあくびをして、大物になる予感がした。
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