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第十三章 不倫疑惑
①
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「わかりました」
彼は翌日から仕事復帰した。
相変わらず私達はキスして抱きしめて腕枕して貰いくっついて眠る、そんな関係が続いた。
ある日のこと、東條さんから彼に電話があった。
こんなに朝早くなんだろうと思ったが、特に気にも止めず朝食の準備をしていた。
「東條がこれから来るとのことだ」
こんなに朝早く、余程重要な話があるのかと疑問に思った。
程なくして東條さんがやって来た。
「おはようございます、朝早くからすみません」
「いいえ、東條さんお食事は?まだのようでしたら、ご一緒に如何ですか」
「ありがとうございます、でもその前に社長と打ち合わせがありますので」
そう言って彼の書斎に入っていった。
彼はイケメン若手社長で、この間会見の時、「ひと回り年上の奥様で、将来浮気などの心配はないですか」との質問があった、彼は「浮気しません」と
答えていた、しかし週刊誌からは格好の標的である、この間対談したモデルとの不倫が掲載されるとのことで、対策をしたにも関わらず、記事が掲載されてしまった件だった。
「記事掲載されてしまいました、奥様にお話しておいた方がよろしいかと思いますが……」
「大丈夫だろ、美希はまさか俺とモデルの不倫信じないだろう」
「失礼なことお聞きしますが、ご夫婦仲はうまくいっていますでしょうか」
「大丈夫だ、うまくいってる」
この時彼は東條さんに嘘をついた、まさか拒絶されたなんて、口が裂けても言えない。
「なんでそんなことを聞く」
「うまくいってないから、別の女性に走ったと思われます」
「美希はそんなこと思わねえよ」
「それならいいのですが、奥様のショックは計り知れないと思いますが……」
しばらくして二人とも部屋から出てきた、そして彼が口を開いた。
「美希、俺達の事を面白おかしく言う奴らがいる、この間、モデルの子と対談の仕事があった、その後皆で食事に行ったのだが、二人で行ったように週刊誌に掲載された、だが断じて二人では行っていない、不倫関係と書かれているが、事実ではない、俺のことだけ信じろ、勝手な行動取るな、いいな」
「はい」
「飯食おう」
「社長、それで終わりですか」
「ああ、終わりだ」
そして二人は会社に向かった。
会社に行くと、問い合わせが殺到していた。
週刊誌を見ると、あたかも二人だけのようにうまく写真が掲載されていた。
「俺はこんなこと一言も言ってねえ、嘘ばっかだな」
私は買い物に出かけた、商店街の人達が心配してくれた。
「美希ちゃん、こんなの嘘ばっかだから気にしないんだよ、あの社長さんに限って不倫なんてないよ」
「ありがとうございます、蓮さんも今朝、俺だけ信じろって言ってくれましたから、大丈夫です」
「そういえば、立ち退きしないで済みそうなんだよ、社長さんのおかげだね」
「良かったですね」
私は彼に限って不倫なんてないよね、そう思いながら、週刊誌の内容が気になり、中身を読んだ。
確かに二人だけで仲良さそうに写っている。
「このモデルさん二十三歳なんだ、若い、蓮さんとモデルさん同世代なんだ、だから話弾むよね、それに私、蓮さんのこと拒否しちゃったし、この子に迫られたら、断る男性はいないよね」
彼に俺だけ信じろって言われたが、この時私は週刊誌の罠にどっぷりはまってしまった。
彼は仕事が忙しく帰りが遅い日が多くなった。
寂しい、昼間の電話もくれなくなった。
一人でいると変なこと考えてしまう、彼は仕事で忙しい、わかっているけど……
今日も遅い、もしかしてモデルの子とデート?そんなわけない、そんなわけないと何度も自分に言い聞かせるが、二人の仲良さそうな姿が頭から離れない。
なんか涙が溢れて消えてしまいたいと、何度も何度も繰り返し思ってしまう。
その時インターホンが鳴った。
東條さんが彼の指示で私の様子を見に来てくれたのである。
彼は翌日から仕事復帰した。
相変わらず私達はキスして抱きしめて腕枕して貰いくっついて眠る、そんな関係が続いた。
ある日のこと、東條さんから彼に電話があった。
こんなに朝早くなんだろうと思ったが、特に気にも止めず朝食の準備をしていた。
「東條がこれから来るとのことだ」
こんなに朝早く、余程重要な話があるのかと疑問に思った。
程なくして東條さんがやって来た。
「おはようございます、朝早くからすみません」
「いいえ、東條さんお食事は?まだのようでしたら、ご一緒に如何ですか」
「ありがとうございます、でもその前に社長と打ち合わせがありますので」
そう言って彼の書斎に入っていった。
彼はイケメン若手社長で、この間会見の時、「ひと回り年上の奥様で、将来浮気などの心配はないですか」との質問があった、彼は「浮気しません」と
答えていた、しかし週刊誌からは格好の標的である、この間対談したモデルとの不倫が掲載されるとのことで、対策をしたにも関わらず、記事が掲載されてしまった件だった。
「記事掲載されてしまいました、奥様にお話しておいた方がよろしいかと思いますが……」
「大丈夫だろ、美希はまさか俺とモデルの不倫信じないだろう」
「失礼なことお聞きしますが、ご夫婦仲はうまくいっていますでしょうか」
「大丈夫だ、うまくいってる」
この時彼は東條さんに嘘をついた、まさか拒絶されたなんて、口が裂けても言えない。
「なんでそんなことを聞く」
「うまくいってないから、別の女性に走ったと思われます」
「美希はそんなこと思わねえよ」
「それならいいのですが、奥様のショックは計り知れないと思いますが……」
しばらくして二人とも部屋から出てきた、そして彼が口を開いた。
「美希、俺達の事を面白おかしく言う奴らがいる、この間、モデルの子と対談の仕事があった、その後皆で食事に行ったのだが、二人で行ったように週刊誌に掲載された、だが断じて二人では行っていない、不倫関係と書かれているが、事実ではない、俺のことだけ信じろ、勝手な行動取るな、いいな」
「はい」
「飯食おう」
「社長、それで終わりですか」
「ああ、終わりだ」
そして二人は会社に向かった。
会社に行くと、問い合わせが殺到していた。
週刊誌を見ると、あたかも二人だけのようにうまく写真が掲載されていた。
「俺はこんなこと一言も言ってねえ、嘘ばっかだな」
私は買い物に出かけた、商店街の人達が心配してくれた。
「美希ちゃん、こんなの嘘ばっかだから気にしないんだよ、あの社長さんに限って不倫なんてないよ」
「ありがとうございます、蓮さんも今朝、俺だけ信じろって言ってくれましたから、大丈夫です」
「そういえば、立ち退きしないで済みそうなんだよ、社長さんのおかげだね」
「良かったですね」
私は彼に限って不倫なんてないよね、そう思いながら、週刊誌の内容が気になり、中身を読んだ。
確かに二人だけで仲良さそうに写っている。
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なんか涙が溢れて消えてしまいたいと、何度も何度も繰り返し思ってしまう。
その時インターホンが鳴った。
東條さんが彼の指示で私の様子を見に来てくれたのである。
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