俺様御曹司は十二歳年上妻に生涯の愛を誓う

ラヴ KAZU

文字の大きさ
10 / 109
第四章 二人の世界

しおりを挟む
彼はベッドの中から手招きをする、何が始まるの恐る恐る近づくと、手を引き寄せられて、私の身体は彼のベッドに引きずり込まれた。

抱きしめられて、抵抗出来ず、私の唇は彼の唇で塞がれた。蕩けるようなキスにこのまま時間が止まってと願った。

「美希、おはよう、いいな、毎朝美希がいる」

そして彼は私を抱きしめた。

「社長、もう起きて支度しないと迎えが来ます」

「いいよ、待たせておけば」

「東條さんに私が怒られます」

「美希が怒られるんじゃ駄目だ、起きるか」

彼は支度を始めて、私の作った朝食を初めて口にした。

「すっげ?うまい、美希は俺の性欲だけじゃなく食欲も満たすんだな」

性欲を満たすって、まだ最後まで行ってないのにキスして、抱きしめて、私の身体に触れただけでそれ以上は進まない。

私は恋愛経験が少ない、最後まで行ったのは一度だけ、しかも最初で最後の恋と思っていた、でもふられた、「美希とは身体の相性悪いな、満足出来ない」と言われて……

それから恋に臆病になった。


また満足出来ないとふられるかもと、脳裏を掠める。今、彼は好きって言ってくれる、この先付き合いが進み、最後まで行ったら嫌われるかもしれないと思ってしまう。

「美希、どうした?」

「どうもしません、支度してきます」

迎えが来て二人で会社に向かった。

会社に到着すると、早速仕事が待っていた。
パソコンを開き、東條さんが説明を始めた。そこへ社長が来て、「藤城には俺が教える」と二人の間に割って入ってきた。

「承知いたしました、御用があればお呼びください」

そう言って東條さんは秘書室を後にした。

「社長、これから桂木社長と会食になっていますが、そろそろ出発しないと遅れます」

「そうか、美希も一緒に行こう」

そう言って東條さんを呼んだ。

「桂木社長との会食に藤城も連れて行くから、あとよろしく」

「社長お待ちください、藤城さんには会社に残ってやっていただく仕事が山積みです、私が指導いたしますので藤城さんは残ってください」

「藤城の山積みの仕事はお前がやればいいだろう」


「藤城さんは我が社の社員です、仕事は熟していただかないと、他の社員に示しがつきません」

彼は東條さんに言われて返す言葉がないのか暫く黙っていたが、次の瞬間とんでもない事を口にした。

「東條、お前が残って藤城に指導するのは許可出来ない、藤城が社に残らなければならないのなら桂木社長との会食はキャンセルする、俺が藤城の仕事を指導する」

「失礼を承知で言わせていただきます、それは私への信頼がないと言うことですか?」

「そうではない、藤城が他の男と二人きりなんて我慢出来ないだけだ」

「私のことは信じて頂けてないと言うことでしょうか」

気まずい空気が社長室に流れた。
どうしよう、私が口を挟むことが出来る状況ではないよ?

彼は口を開いた。

「俺の気持ちの問題だ、嫌なものは嫌なんだ」

「子供みたいな事を言わないでください、冷静になってください」

彼はふっと息を吐き、とんでもないことを口にした。

「俺は冷静だ、もし俺の言うことが通らないのなら、藤城は退職させる」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

黒瀬部長は部下を溺愛したい

桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。 人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど! 好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。 部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。 スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

『冷徹社長の秘書をしていたら、いつの間にか専属の妻に選ばれました』

鍛高譚
恋愛
秘書課に異動してきた相沢結衣は、 仕事一筋で冷徹と噂される社長・西園寺蓮の専属秘書を務めることになる。 厳しい指示、膨大な業務、容赦のない会議―― 最初はただ必死に食らいつくだけの日々だった。 だが、誰よりも真剣に仕事と向き合う蓮の姿に触れるうち、 結衣は秘書としての誇りを胸に、確かな成長を遂げていく。 そして、蓮もまた陰で彼女を支える姿勢と誠実な仕事ぶりに心を動かされ、 次第に結衣は“ただの秘書”ではなく、唯一無二の存在になっていく。 同期の嫉妬による妨害、ライバル会社の不正、社内の疑惑。 数々の試練が二人を襲うが―― 蓮は揺るがない意志で結衣を守り抜き、 結衣もまた社長としてではなく、一人の男性として蓮を信じ続けた。 そしてある夜、蓮がようやく口にした言葉は、 秘書と社長の関係を静かに越えていく。 「これからの人生も、そばで支えてほしい。」 それは、彼が初めて見せた弱さであり、 結衣だけに向けた真剣な想いだった。 秘書として。 一人の女性として。 結衣は蓮の差し伸べた未来を、涙と共に受け取る――。 仕事も恋も全力で駆け抜ける、 “冷徹社長×秘書”のじれ甘オフィスラブストーリー、ここに完結。

数合わせから始まる俺様の独占欲

日矩 凛太郎
恋愛
アラサーで仕事一筋、恋愛経験ほぼゼロの浅見結(あさみゆい)。 見た目は地味で控えめ、社内では「婚期遅れのお局」と陰口を叩かれながらも、仕事だけは誰にも負けないと自負していた。 そんな彼女が、ある日突然「合コンに来てよ!」と同僚の女性たちに誘われる。 正直乗り気ではなかったが、数合わせのためと割り切って参加することに。 しかし、その場で出会ったのは、俺様気質で圧倒的な存在感を放つイケメン男性。 彼は浅見をただの数合わせとしてではなく、特別な存在として猛烈にアプローチしてくる。 仕事と恋愛、どちらも慣れていない彼女が、戸惑いながらも少しずつ心を開いていく様子を描いた、アラサー女子のリアルな恋愛模様と成長の物語。

叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する

花里 美佐
恋愛
冷淡財閥御曹司VS失業中の華道家 結婚に興味のない財閥御曹司は見合いを断り続けてきた。ある日、祖母の師匠である華道家の孫娘を紹介された。面と向かって彼の失礼な態度を指摘した彼女に興味を抱いた彼は、自分の財閥で花を活ける仕事を紹介する。 愛を知った財閥御曹司は彼女のために冷淡さをかなぐり捨て、甘く変貌していく。

【完結】『80年を超越した恋~令和の世で再会した元特攻隊員の自衛官と元女子挺身隊の祖母を持つ女の子のシンクロニシティラブストーリー』

M‐赤井翼
現代文学
赤井です。今回は「恋愛小説」です(笑)。 舞台は令和7年と昭和20年の陸軍航空隊の特攻部隊の宿舎「赤糸旅館」です。 80年の時を経て2つの恋愛を描いていきます。 「特攻隊」という「難しい題材」を扱いますので、かなり真面目に資料集めをして制作しました。 「第20振武隊」という実在する部隊が出てきますが、基本的に事実に基づいた背景を活かした「フィクション」作品と思ってお読みください。 日本を護ってくれた「先人」に尊敬の念をもって書きましたので、ほとんどおふざけは有りません。 過去、一番真面目に書いた作品となりました。 ラストは結構ややこしいので前半からの「フラグ」を拾いながら読んでいただくと楽しんでもらえると思います。 全39チャプターですので最後までお付き合いいただけると嬉しいです。 それでは「よろひこー」! (⋈◍>◡<◍)。✧💖 追伸 まあ、堅苦しく読んで下さいとは言いませんがいつもと違って、ちょっと気持ちを引き締めて読んでもらいたいです。合掌。 (。-人-。)

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

灰かぶりの姉

吉野 那生
恋愛
父の死後、母が連れてきたのは優しそうな男性と可愛い女の子だった。 「今日からあなたのお父さんと妹だよ」 そう言われたあの日から…。 * * * 『ソツのない彼氏とスキのない彼女』のスピンオフ。 国枝 那月×野口 航平の過去編です。

処理中です...