8 / 109
第三章 彼の溺愛
①
しおりを挟む
「美希が心配で迎えに来た、これから朝毎日迎えに来る、それで帰りもここまで送る」
彼は何を考えているのだろうと予想がつかなかった。
「社長、秘書の送り迎えをする社長なんて聞いたことありませんよ」
「じゃあ、俺のマンションに引っ越してこい」
「社長と秘書が一緒に住むなんて聞いたことありませんよ、夫婦じゃあるまいし」
「だから俺は結婚しようって言ってる」
「社長のこと全然知らないですし、いきなり結婚なんて出来ません」
「わかった、今度の休みに出かけるぞ、空けておけよ」
彼は私の意見は聞かず、いつも勝手に決めてしまう、そんな事を考えていると、急に彼は私の手を引き寄せキスしてきた。
ドキドキする、意識が遠のきそう、彼の舌が私の舌に絡んでそのままベッドに倒れ込んだ。彼の唇が私の首筋に触れる、私は思わず声が出てしまった。
「美希、感じた?、このまま一気に最後まで行くぞ」
彼の手が私の太腿へ滑り込んだ。
「駄目、社長駄目です、これから仕事ですよ」
私は慌てて彼から離れようとした。
「じゃあ、続きは夜な」
彼は嬉しそうに言って、支度をして会社に向かった。
会社に着き車から降りると、彼は私と手を繋ぎ社長室へ向かった。
彼の行動は理解出来ない、いきなり抱きしめてキスしたり、我慢出来なかったと押し倒したり、心配だと勝手に迎えに来たり、いい加減な気持ちはないとプロポーズしたり、社内なのに恋人同士みたいに手を繋いだり、私の気持ちはいつも置き去り状態である。
でもそんな彼の私に対する気持ちは嫌ではなかった。でも……
「社長、手を離してください、社内ではまずいですよ」
「なんでだよ」
そこへ東條さんがやって来た。彼は社長の右腕の存在で、この会社を回していると言っても過言ではない。
「社長、お話があります」
「なんだ」
「藤城さんは我が社の社員です、一人の社員にだけ特別扱いはやめていただきたいのですが……」
「特別扱いってなんだよ」
「社用車で一社員の迎えは困ります、また、社内で手を繋ぐ行為もやめていただけないでしょうか」
「わかった、俺これから自分の車で出社するからそれなら誰を乗せようと文句ないだろう」
東條さんは呆れて、これ以上言っても聞かないだろうと察し、社長への忠告をやめた。
私は秘書室に行き、東條さんが私に、付きっきりで仕事を教えてくれた。
彼は社長室と秘書室をうろうろしながら、私を見つめていた。
「藤城、ちょっといいかな」
彼は私を社長室へ呼んだ。
「美希、東條と近すぎだよ、秘書ならずっと一緒かと思っていたのに、全然一緒にいられねえじゃないか」
私にそんなこと言われても……
その時東條さんがドアをノックした。
「失礼いたします、社長、藤城さんへのお話はお済みですか」
彼は思いがけないことを言い出した。
「これから藤城と出かける」
彼は東條さんにそう告げて、社長室を出ようとした。
「どちらにお出かけですか」
「会長に藤城を紹介する」
彼は何を考えているのだろうと予想がつかなかった。
「社長、秘書の送り迎えをする社長なんて聞いたことありませんよ」
「じゃあ、俺のマンションに引っ越してこい」
「社長と秘書が一緒に住むなんて聞いたことありませんよ、夫婦じゃあるまいし」
「だから俺は結婚しようって言ってる」
「社長のこと全然知らないですし、いきなり結婚なんて出来ません」
「わかった、今度の休みに出かけるぞ、空けておけよ」
彼は私の意見は聞かず、いつも勝手に決めてしまう、そんな事を考えていると、急に彼は私の手を引き寄せキスしてきた。
ドキドキする、意識が遠のきそう、彼の舌が私の舌に絡んでそのままベッドに倒れ込んだ。彼の唇が私の首筋に触れる、私は思わず声が出てしまった。
「美希、感じた?、このまま一気に最後まで行くぞ」
彼の手が私の太腿へ滑り込んだ。
「駄目、社長駄目です、これから仕事ですよ」
私は慌てて彼から離れようとした。
「じゃあ、続きは夜な」
彼は嬉しそうに言って、支度をして会社に向かった。
会社に着き車から降りると、彼は私と手を繋ぎ社長室へ向かった。
彼の行動は理解出来ない、いきなり抱きしめてキスしたり、我慢出来なかったと押し倒したり、心配だと勝手に迎えに来たり、いい加減な気持ちはないとプロポーズしたり、社内なのに恋人同士みたいに手を繋いだり、私の気持ちはいつも置き去り状態である。
でもそんな彼の私に対する気持ちは嫌ではなかった。でも……
「社長、手を離してください、社内ではまずいですよ」
「なんでだよ」
そこへ東條さんがやって来た。彼は社長の右腕の存在で、この会社を回していると言っても過言ではない。
「社長、お話があります」
「なんだ」
「藤城さんは我が社の社員です、一人の社員にだけ特別扱いはやめていただきたいのですが……」
「特別扱いってなんだよ」
「社用車で一社員の迎えは困ります、また、社内で手を繋ぐ行為もやめていただけないでしょうか」
「わかった、俺これから自分の車で出社するからそれなら誰を乗せようと文句ないだろう」
東條さんは呆れて、これ以上言っても聞かないだろうと察し、社長への忠告をやめた。
私は秘書室に行き、東條さんが私に、付きっきりで仕事を教えてくれた。
彼は社長室と秘書室をうろうろしながら、私を見つめていた。
「藤城、ちょっといいかな」
彼は私を社長室へ呼んだ。
「美希、東條と近すぎだよ、秘書ならずっと一緒かと思っていたのに、全然一緒にいられねえじゃないか」
私にそんなこと言われても……
その時東條さんがドアをノックした。
「失礼いたします、社長、藤城さんへのお話はお済みですか」
彼は思いがけないことを言い出した。
「これから藤城と出かける」
彼は東條さんにそう告げて、社長室を出ようとした。
「どちらにお出かけですか」
「会長に藤城を紹介する」
10
お気に入りに追加
50
あなたにおすすめの小説
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~
泉南佳那
恋愛
イケメンカリスマ美容師と内気で地味な書店員との、甘々溺愛ストーリーです!
どうぞお楽しみいただけますように。
〈あらすじ〉
加藤優紀は、現在、25歳の書店員。
東京の中心部ながら、昭和味たっぷりの裏町に位置する「高木書店」という名の本屋を、祖母とふたりで切り盛りしている。
彼女が高木書店で働きはじめたのは、3年ほど前から。
短大卒業後、不動産会社で営業事務をしていたが、同期の、親会社の重役令嬢からいじめに近い嫌がらせを受け、逃げるように会社を辞めた過去があった。
そのことは優紀の心に小さいながらも深い傷をつけた。
人付き合いを恐れるようになった優紀は、それ以来、つぶれかけの本屋で人の目につかない質素な生活に安んじていた。
一方、高木書店の目と鼻の先に、優紀の兄の幼なじみで、大企業の社長令息にしてカリスマ美容師の香坂玲伊が〈リインカネーション〉という総合ビューティーサロンを経営していた。
玲伊は優紀より4歳年上の29歳。
優紀も、兄とともに玲伊と一緒に遊んだ幼なじみであった。
店が近いこともあり、玲伊はしょっちゅう、優紀の本屋に顔を出していた。
子供のころから、かっこよくて優しかった玲伊は、優紀の初恋の人。
その気持ちは今もまったく変わっていなかったが、しがない書店員の自分が、カリスマ美容師にして御曹司の彼に釣り合うはずがないと、その恋心に蓋をしていた。
そんなある日、優紀は玲伊に「自分の店に来て」言われる。
優紀が〈リインカネーション〉を訪れると、人気のファッション誌『KALEN』の編集者が待っていた。
そして「シンデレラ・プロジェクト」のモデルをしてほしいと依頼される。
「シンデレラ・プロジェクト」とは、玲伊の店の1周年記念の企画で、〈リインカネーション〉のすべての施設を使い、2~3カ月でモデルの女性を美しく変身させ、それを雑誌の連載記事として掲載するというもの。
優紀は固辞したが、玲伊の熱心な誘いに負け、最終的に引き受けることとなる。
はじめての経験に戸惑いながらも、超一流の施術に心が満たされていく優紀。
そして、玲伊への恋心はいっそう募ってゆく。
玲伊はとても優しいが、それは親友の妹だから。
そんな切ない気持ちを抱えていた。
プロジェクトがはじまり、ひと月が過ぎた。
書店の仕事と〈リインカネーション〉の施術という二重生活に慣れてきた矢先、大問題が発生する。
突然、編集部に上層部から横やりが入り、優紀は「シンデレラ・プロジェクト」のモデルを下ろされることになった。
残念に思いながらも、やはり夢でしかなかったのだとあきらめる優紀だったが、そんなとき、玲伊から呼び出しを受けて……
一夜限りのお相手は
栗原さとみ
恋愛
私は大学3年の倉持ひより。サークルにも属さず、いたって地味にキャンパスライフを送っている。大学の図書館で一人読書をしたり、好きな写真のスタジオでバイトをして過ごす毎日だ。ある日、アニメサークルに入っている友達の亜美に頼みごとを懇願されて、私はそれを引き受けてしまう。その事がきっかけで思いがけない人と思わぬ展開に……。『その人』は、私が尊敬する写真家で憧れの人だった。R5.1月
お知らせ有り※※束縛上司!~溺愛体質の上司の深すぎる愛情~
ひなの琴莉
恋愛
イケメンで完璧な上司は自分にだけなぜかとても過保護でしつこい。そんな店長に秘密を握られた。秘密をすることに交換条件として色々求められてしまう。 溺愛体質のヒーロー☓地味子。ドタバタラブコメディ。
2021/3/10
しおりを挟んでくださっている皆様へ。
こちらの作品はすごく昔に書いたのをリメイクして連載していたものです。
しかし、古い作品なので……時代背景と言うか……いろいろ突っ込みどころ満載で、修正しながら書いていたのですが、やはり難しかったです(汗)
楽しい作品に仕上げるのが厳しいと判断し、連載を中止させていただくことにしました。
申しわけありません。
新作を書いて更新していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
お詫びに過去に書いた原文のママ載せておきます。
修正していないのと、若かりし頃の作品のため、
甘めに見てくださいm(__)m
W-score
フロイライン
恋愛
男に負けじと人生を仕事に捧げてきた山本 香菜子は、ゆとり世代の代表格のような新入社員である新開 優斗とペアを組まされる。
優斗のあまりのだらしなさと考えの甘さに、閉口する香菜子だったが…
イケメンエリート軍団の籠の中
便葉
恋愛
国内有数の豪華複合オフィスビルの27階にある
IT関連会社“EARTHonCIRCLE”略して“EOC”
謎多き噂の飛び交う外資系一流企業
日本内外のイケメンエリートが
集まる男のみの会社
唯一の女子、受付兼秘書係が定年退職となり
女子社員募集要項がネットを賑わした
1名の採用に300人以上が殺到する
松村舞衣(24歳)
友達につき合って応募しただけなのに
何故かその超難関を突破する
凪さん、映司さん、謙人さん、
トオルさん、ジャスティン
イケメンでエリートで華麗なる超一流の人々
でも、なんか、なんだか、息苦しい~~
イケメンエリート軍団の鳥かごの中に
私、飼われてしまったみたい…
「俺がお前に極上の恋愛を教えてやる
他の奴とか? そんなの無視すればいいんだよ」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる