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第六章 峻が好き

「なあ、雫、あいつの事は忘れろ、俺が雫とチビ助を守る」

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次の日から峻との契約生活が再スタートした。

峻は私に思いもよらぬ事を伝えた。

「雫、入籍しよう」

「えっ?」

急な彼の申し出に心臓の鼓動がドキドキなった。

「チビ助の事もあるし、もうあんな思いはごめんだ」

彼は頭を抱えて下を向いた。

「ごめんなさい」

私が彼を信じられなくて、彼のマンションを飛び出してしまったから。

「雫は悪くない、俺が雫に不安な思いをさせたからな、それにあいつがそこまで雫を思っていたなんて、俺の考えは甘かった」

私の方がびっくりしている、まさか一夜の過ちと思っていたのに、結婚を考えてくれてたなんて。

「なあ、雫、あいつの事は忘れろ、俺が雫とチビ助を守る」

私は彼の言葉が嬉しくて頷いていた、例えそれが契約上の言葉であっても・・・

そして次の日入籍を済ませ私は冴木雫となった。

この幸せがずっと続きますようにと願った。

でも契約上の関係は永遠には続かないと自分に言い聞かせた。

私は彼にお願いを一つした。

「この先、峻に好きな人が出来て、結婚したくなったら、ちゃんと私に伝えてください、その時は契約を解除しますから」

彼はニッコリ微笑んで「わかった」と言った。

その後彼は信じがたい一言を私に向けた。

「俺に雫以外に好きな女性が現れなかったら、ずっと俺の側にいると約束してくれ、いいな」

彼は私を抱き寄せ、優しいキスをした。
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