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第一章 俺と契約しないか

俺はこの時雫を利用しようと考えていた。

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今までに俺は、結婚したいと思った女はいた、しかし結婚するにあたりあることを告げると、手のひらを返したように断られる。

会社の役員どもはうるさい位に結婚を急かしてくる、俺に任せておくと中々決まらない為、次々と見合いをセッティングする。

「社長、何が原因ですか?結婚に前向きにお願いします」

「俺は前向きだ、しょうがねえだろ、俺が断ってるんじゃねえ」

「わかりました、早急に奥様になる方を決めて、跡取りをお願いします」

そんな状況で目の前に現れたのが雫だった。

雫は妊娠中で、しかも子供には父親はいないと途方に暮れていた。

雫と結婚すれば、妻と子供が一気に手に入る。

俺の悩みは解消されると思った。

しかしいきなり初対面の相手に結婚を申し込むのはおかしな話だ、しかも他の男の子供を自分の跡取りとして考えるなど、怪しすぎる。

そこで俺は婚約者の振りをしてほしいと雫に申し出た。

そのかわり雫と子供の面倒を見る約束をした。

俺はこの時雫を利用しようと考えていた。

まさか雫に惹かれ、誰にも渡したくないと独占欲が全開になるなど、予想出来なかった。
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