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番外編 戸倉慶の兄 都築光

忘れてた、光も純粋な一途な愛情を私に注いでくれていたことを

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「はじめまして、都築玲子です、私がお兄さんにお世話になっているんです、ごめんなさいね、戸倉家からお兄さんを取ってしまって」

玲子はちょっと表情を曇らせて俯いた。

「なんか飲むだろ、待ってろ」

僕はキッチンへ向かった。

「ああ、大丈夫です、親父もはじめから会社は俺にって言ってくれてましたし、
俺は五歳の時の初恋の女性と結婚出来れば文句無いんで、でも兄貴にはまだ内緒でお願いします」

私はびっくりした表情を見せた。

五歳の時の初恋の女性と結婚?

大人になっても幼き頃の思いを寄せていた女性を好きだなんて、なんて純粋で素直な心の持ち主なの?

少年のような気持ちのまま大人になった感じで、そう言えば光もそう言うところあったな。

光も変わらずそんな少年のような気持ちを持ち続けているのに、私は信じられなくて、光の一途な愛を疑っていた。

皆、私に近づいてくる男性は、私を愛しているんじやない、都築総合病院が欲しいだけ、そう思っていた。

光もそんな男性達と一緒だと。

でも、こんなに純粋な、一途に幼き頃の初恋を貫き遠そうと思っている人と兄弟なんだよね、光は。

忘れてた、光も純粋な一途な愛情を私に注いでくれていたことを。

ごめんなさい、光。
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