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第七章 打ち明けられた真実

目の前の慶さんと思い出したくない相手が重なった。

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「それなら問題ないじゃないか」

「一瞬美鈴の苦痛な表情が気になり、初めてだからなのかと美鈴に聞いたら、美鈴は頷いたから、その時は気にも止めなかったんだが、もし我慢していたのなら、この先俺の誘いに嫌気がさすんじゃないかと不安になったんだ」

「そう言うことか」

「それに俺の名前を必要以上に口にしていた事も気になったし……」

「本人に会ってみないとわからないが、多分無意識のうちに拒絶反応が出る場合も考えられる、美鈴ちゃんは目の前にいる相手を愛している相手と自分に言い聞かせていたのかもしれない」

「そうか、俺は美鈴を目の前にしたら、求めちゃいそうで、我慢出来ないかもしれない」

「お前な、中学生じゃあるまいし、しっかりしろよ」

「わかった、ありがとうな」

俺は兄貴とスマホを切った。

私は慶さんの帰りを今かいまかと待ち焦がれていた。

初めて慶さんに抱きしめられた時、思い出したくない記憶が鮮明に脳裏を覆った。

目の前の慶さんと思い出したくない相手が重なった。
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