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第二十七章 それぞれの生活、そして冨樫と葉月の再会
富樫と葉月②
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安藤の声に葉月は我に帰った。
(私ったらなんてことを考えてるの)
そこに理玖が元気な顔を覗かせた。
「安藤、僕なら大丈夫だよ」
「よかったです、無事で」
そして、冨樫の姿が安藤の視界に入った。
「冨樫会長、ご無沙汰しております」
安藤は深々と頭を下げた。
「すまなかった、理玖は大丈夫とのことだ、一応検査したが、
理玖の様子を見てやってくれ」
「かしこまりました」
安藤は葉月と理玖をエスコートして、病院を後にした。
理玖は体調の変化もなく、元気に過ごしていた。
葉月はずっと冨樫の姿が脳裏から離れなかった。
今更、どうにもならないとわかっていても、この胸のときめきは収まる気配はなかった。
安藤はそんな葉月の様子に気づいていた。
西沢にはすごく世話になった。
葉月のことは西沢の大切な人と思い込もうとしていたが、西沢がこの世を去ってから
自分が姐さんを守るんだと言う気持ちは膨らんでいく一方だった。
そう、安藤は葉月を愛している。
だから、余計に葉月の気持ちが冨樫に向いていることが許せなかったのだ。
(私ったらなんてことを考えてるの)
そこに理玖が元気な顔を覗かせた。
「安藤、僕なら大丈夫だよ」
「よかったです、無事で」
そして、冨樫の姿が安藤の視界に入った。
「冨樫会長、ご無沙汰しております」
安藤は深々と頭を下げた。
「すまなかった、理玖は大丈夫とのことだ、一応検査したが、
理玖の様子を見てやってくれ」
「かしこまりました」
安藤は葉月と理玖をエスコートして、病院を後にした。
理玖は体調の変化もなく、元気に過ごしていた。
葉月はずっと冨樫の姿が脳裏から離れなかった。
今更、どうにもならないとわかっていても、この胸のときめきは収まる気配はなかった。
安藤はそんな葉月の様子に気づいていた。
西沢にはすごく世話になった。
葉月のことは西沢の大切な人と思い込もうとしていたが、西沢がこの世を去ってから
自分が姐さんを守るんだと言う気持ちは膨らんでいく一方だった。
そう、安藤は葉月を愛している。
だから、余計に葉月の気持ちが冨樫に向いていることが許せなかったのだ。
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