お前の身も心も捧げろ〜極道の寵愛は止められない

第二十七章 それぞれの生活、そして冨樫と葉月の再会

西沢との生活そして妊娠

極道は悪い男が多いのかもしれない。

裏社会で必死に生きている。

極道の中でもトップに立てるのは一握りだ。

組長クラスはチンピラとは違う。

女ひとり守れなければ、組員とその家族を守っていけるわけがない。

葉月は西沢のそばで暮らしている。

自分の命を、身体を張って守ってくれた。

心が折れそうな時、支えてくれた。

冨樫のことも決して忘れてはいない。

自分の気持ちを封印して、葉月の身の安全を優先してくれた。

そんな優しさにも惹かれた。

冨樫さんは極道のトップに君臨していかなければいけない。

そのために由子さんを愛していく大役を背負っていかなければならない。

冨樫さんは、私を堅気の生活に戻すことを願っていた。

でも、ここまで極道の世界に関わってしまった私は、ひとりでは怖くて生きていけない。

極道、悪い男、でもどうしようもなく惹かれる。

関わってはいけないとわかっているのに、引きずり込まれてしまう。

でも、私はいま、西沢さんのそばで幸せだ。

まもなく、西沢さんは退院することが出来る。

そして、私は西沢組姐さんとしての道を歩んでいく。

「葉月、本当にいいのか」

「頼りないかもしれませんけど、私、守の側にいたいの、いい？」

「いいもなにも、俺が頼みたい事だ、冨樫のことは大丈夫か」

「大丈夫よ」

「俺はこれでも独占欲が強いからな、他の男と寝ようもんなら、命はないと思え」

「はい」

葉月はニッコリ微笑んだ。

しばらくして、葉月は西沢の子供を妊娠した。

西沢組はみんなで喜んでくれた。

「葉月、足元、気をつけろよ」

「重いもの持つな」

守は優しい。

そして、あっという間に臨月がやってきた。