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第二十六章 西沢守の告白
葉月への想い
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血も涙もない、西沢守は葉月と出会って、人間らしい感情が目覚めていったのである。
妹と重ね合わせていた葉月の存在は、西沢の中で変化していった。
『車の中で西沢は一言も言葉を発しなかった。
西沢さん、怒ってるのかな。
マンションに到着すると、車を停めてエレベーターへ向かった。
いつもはエスコートしてくれるのに、西沢はスタスタと先を歩く。
葉月は必死に西沢の後を追いかけた。
部屋に入ると、西沢は葉月の腕を掴み、廊下の壁に押し付けた。
いつもは優しい西沢が極道の表情を見せていた。
「西沢さん、痛いです、離してください」
「葉月、俺の女になれ」
西沢は葉月にキスをした。
腕を押さえつけてる手は乱暴なのに、葉月の唇を啄む西沢のキスは優しかった。
唇が一瞬離れて、押さえつけていた手も離れた。
「葉月、寝てるのか、飯を作ったから一緒に食べよう」
しかし、葉月の答えはなかった。
「葉月、入るぞ」
西沢は葉月の部屋に入った。
葉月はベッドで眠っていた。
頬には涙の跡があり、手に握られたスマホの画面には冨樫が写っていた。
葉月、お前は冨樫が好きなんだな。
俺は何を血迷ったんだ、断れない、でも答えることが出来ない葉月の気持ちを、
わかっていて、あんなことを言ってしまうなんて……
冨樫も葉月との別れは本心ではないな。
あの目は愛おしさに溢れていた。
今、葉月を手放すことは出来ない。
そのためには、俺は兄貴の立場に徹するしか方法はないな。
理性が持つか自信はないが、葉月を守るためなら、俺はやり通してみせると誓った。』
「葉月、お前の気持ちは痛いほどわかっているつもりだ、冨樫を忘れられない気持ちも」
「西沢さん」
「でも、冨樫はお前が危険を顧みず、自分の元に来ることを願ってはいない、わかるよな」
西沢は葉月の腕を引き寄せ抱きしめた。
「俺の側にいろ、俺が冨樫を忘れさせてやる」
冨樫は葉月に優しいキスを落とした。
葉月はそのキスを受けた。
わかっている、冨樫さんを追えば私は危険な目に遭う。
冨樫さんは極道の世界の頂点に君臨しており、全組員を束ねていかなければいけない。
その側には由子さんがいる。
私じゃない。
私の存在は由子さんの怒りを買ってしまう。
それはそうだろう。
今もなお、愛している女と密会すれば、嫉妬するのは当たり前のこと。
私のわがままは冨樫さんを苦しめることになる。
「西沢さん、私を抱いてください」
「葉月」
ベッドに押し倒されて、首筋に熱い息がかかる。
妹と重ね合わせていた葉月の存在は、西沢の中で変化していった。
『車の中で西沢は一言も言葉を発しなかった。
西沢さん、怒ってるのかな。
マンションに到着すると、車を停めてエレベーターへ向かった。
いつもはエスコートしてくれるのに、西沢はスタスタと先を歩く。
葉月は必死に西沢の後を追いかけた。
部屋に入ると、西沢は葉月の腕を掴み、廊下の壁に押し付けた。
いつもは優しい西沢が極道の表情を見せていた。
「西沢さん、痛いです、離してください」
「葉月、俺の女になれ」
西沢は葉月にキスをした。
腕を押さえつけてる手は乱暴なのに、葉月の唇を啄む西沢のキスは優しかった。
唇が一瞬離れて、押さえつけていた手も離れた。
「葉月、寝てるのか、飯を作ったから一緒に食べよう」
しかし、葉月の答えはなかった。
「葉月、入るぞ」
西沢は葉月の部屋に入った。
葉月はベッドで眠っていた。
頬には涙の跡があり、手に握られたスマホの画面には冨樫が写っていた。
葉月、お前は冨樫が好きなんだな。
俺は何を血迷ったんだ、断れない、でも答えることが出来ない葉月の気持ちを、
わかっていて、あんなことを言ってしまうなんて……
冨樫も葉月との別れは本心ではないな。
あの目は愛おしさに溢れていた。
今、葉月を手放すことは出来ない。
そのためには、俺は兄貴の立場に徹するしか方法はないな。
理性が持つか自信はないが、葉月を守るためなら、俺はやり通してみせると誓った。』
「葉月、お前の気持ちは痛いほどわかっているつもりだ、冨樫を忘れられない気持ちも」
「西沢さん」
「でも、冨樫はお前が危険を顧みず、自分の元に来ることを願ってはいない、わかるよな」
西沢は葉月の腕を引き寄せ抱きしめた。
「俺の側にいろ、俺が冨樫を忘れさせてやる」
冨樫は葉月に優しいキスを落とした。
葉月はそのキスを受けた。
わかっている、冨樫さんを追えば私は危険な目に遭う。
冨樫さんは極道の世界の頂点に君臨しており、全組員を束ねていかなければいけない。
その側には由子さんがいる。
私じゃない。
私の存在は由子さんの怒りを買ってしまう。
それはそうだろう。
今もなお、愛している女と密会すれば、嫉妬するのは当たり前のこと。
私のわがままは冨樫さんを苦しめることになる。
「西沢さん、私を抱いてください」
「葉月」
ベッドに押し倒されて、首筋に熱い息がかかる。
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