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第二十五章 雅也の真実の愛
葉月を抱きたい
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『「葉月、ごめんな」
「私がいけないんです、もっと強くならないと……」
「もう、いいんだ、お前は堅気の生活に戻れ」
葉月は冨樫の言葉に驚きを隠せずにいた。
「どう言うことですか」
「葉月、俺と別れてくれ」
葉月は呆然と立ち尽くした。
「葉月、よく聞いてくれ、俺は白金組と金子組を一つにして、組を束ねていく、そのためには、由子と結婚する、だから俺と別れてほしい」
葉月は冨樫の言葉をすぐには理解出来なかった。
「お前は俺と別れて、お互いに違う道を歩むんだ、いいな」
「いやです、冨樫さんと離れたくない」
葉月は冨樫の胸に顔を埋めて泣き出した。
「葉月、頼む、わかってくれ」
「それなら、私を愛人にしてください、冨樫さんの妻なんてそんな贅沢は言わないから、
ずっと側においてください」
「由子が許さない、俺は由子を愛してしまったんだ、あいつと身体を重ねて、
今まで味わった事がない快楽を経験した……」
「いや、聞きたくない」
葉月は自分の耳を塞いだ。
「もう、お前じゃ、満足出来ねえ」
冨樫は視線を外した。
「はっきり言わねえとわからないなら言ってやる、他の男に感じる女はいらねえんだよ、とっとと荷物まとめて出て行ってくれ」
冨樫は葉月に背を向けたまま、言葉を投げ捨てた。
「冨樫さん」
葉月は冨樫の背中に抱きついた。
冨樫は目を閉じて、ギュッと握った拳が小刻みに震えていた。
葉月は冨樫の前に回り込み、唇にキスをした。
冨樫は愛おしい気持ちをグッと堪えた。
葉月は冨樫を見つめて一言呟いた。
「さようなら」
葉月は部屋を出て行った。』
俺はあの日から由子と生活を共にしている。
葉月じゃ満足出来ねえなんて嘘だった。
葉月を抱きたい。
俺が愛しているのは葉月だけだ。
でも、あの日、俺がお前を助けなければ、お前はこんな思いをしなくて済んだんだよな。
『「マンションの前に女が倒れています、しかも熱があるみたいなんです」
俺はヤスシとマンションの前に向かった。
オートロックドアの前に、確かに女が倒れていた。
抱き上げると、身体が異常に熱かった。
「おい、ヤスシ、スポーツドリンクと頭を冷やすもの買ってこい」
「はい、かしこまりました」
俺は女をベッドに下ろして、タオルをしぼり身体を拭くため衣服を脱がせた。
「なんだ、ひでえ」
女の身体はアザだらけで、しかもキスマークの跡が身体中についていた。
尋常じゃない愛の表現のあと、DVされたんだろうと推測がついた。』
俺はDVされたお前を放っておくことが出来なかった。
そして徐々にお前に惹かれていった。
しかし葉月を愛しすぎて、嫉妬して、流産させたことがあったな。
「私がいけないんです、もっと強くならないと……」
「もう、いいんだ、お前は堅気の生活に戻れ」
葉月は冨樫の言葉に驚きを隠せずにいた。
「どう言うことですか」
「葉月、俺と別れてくれ」
葉月は呆然と立ち尽くした。
「葉月、よく聞いてくれ、俺は白金組と金子組を一つにして、組を束ねていく、そのためには、由子と結婚する、だから俺と別れてほしい」
葉月は冨樫の言葉をすぐには理解出来なかった。
「お前は俺と別れて、お互いに違う道を歩むんだ、いいな」
「いやです、冨樫さんと離れたくない」
葉月は冨樫の胸に顔を埋めて泣き出した。
「葉月、頼む、わかってくれ」
「それなら、私を愛人にしてください、冨樫さんの妻なんてそんな贅沢は言わないから、
ずっと側においてください」
「由子が許さない、俺は由子を愛してしまったんだ、あいつと身体を重ねて、
今まで味わった事がない快楽を経験した……」
「いや、聞きたくない」
葉月は自分の耳を塞いだ。
「もう、お前じゃ、満足出来ねえ」
冨樫は視線を外した。
「はっきり言わねえとわからないなら言ってやる、他の男に感じる女はいらねえんだよ、とっとと荷物まとめて出て行ってくれ」
冨樫は葉月に背を向けたまま、言葉を投げ捨てた。
「冨樫さん」
葉月は冨樫の背中に抱きついた。
冨樫は目を閉じて、ギュッと握った拳が小刻みに震えていた。
葉月は冨樫の前に回り込み、唇にキスをした。
冨樫は愛おしい気持ちをグッと堪えた。
葉月は冨樫を見つめて一言呟いた。
「さようなら」
葉月は部屋を出て行った。』
俺はあの日から由子と生活を共にしている。
葉月じゃ満足出来ねえなんて嘘だった。
葉月を抱きたい。
俺が愛しているのは葉月だけだ。
でも、あの日、俺がお前を助けなければ、お前はこんな思いをしなくて済んだんだよな。
『「マンションの前に女が倒れています、しかも熱があるみたいなんです」
俺はヤスシとマンションの前に向かった。
オートロックドアの前に、確かに女が倒れていた。
抱き上げると、身体が異常に熱かった。
「おい、ヤスシ、スポーツドリンクと頭を冷やすもの買ってこい」
「はい、かしこまりました」
俺は女をベッドに下ろして、タオルをしぼり身体を拭くため衣服を脱がせた。
「なんだ、ひでえ」
女の身体はアザだらけで、しかもキスマークの跡が身体中についていた。
尋常じゃない愛の表現のあと、DVされたんだろうと推測がついた。』
俺はDVされたお前を放っておくことが出来なかった。
そして徐々にお前に惹かれていった。
しかし葉月を愛しすぎて、嫉妬して、流産させたことがあったな。
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