55 / 184
第十六章 葉月の精神が壊れた
富樫の激しい嫉妬
しおりを挟む
「冨樫さん、私は……」
「葉月、俺はお前を愛している、お前が他の男に抱かれても、お前の中に俺がいなくても、
俺はお前を手放す気持ちはない、お前は生涯、俺の妻だ、覚えておけ」
冨樫は葉月に告げると、葉月を抱えて、エントランスを出ようとした。
「待て、冨樫」
丸堂が冨樫の背中に声をかけた。
「今日の夜まで、葉月は俺のものだ、勝手に連れていっては困る」
「彼女の借金さえ払えば、葉月は関係ないだろう、これ以上葉月を
お前の側にいさせるわけにはいかない、お前を殴りたい気持ちを
抑えている俺を、これ以上掻き乱さないでくれ」
葉月を抱き抱えている冨樫の腕から怒りを感じた葉月だった。
冨樫さんは、言葉は優しいけど、私が勝手なことをして、丸堂さんと
一夜を共にしたことを怒ってる。
冨樫は葉月と共にその場を後にした。
丸堂は何も言えなかった。
しかし、葉月を諦められない気持ちが大きくなっていった。
冨樫は葉月を車に乗せ、発進させた。
冨樫は一言も話さない。
運転する横顔からは、怒りよりも哀しみを感じる葉月だった。
「冨樫さん、勝手なことをしてごめんなさい」
冨樫は葉月に対して、一言もない。
マンションに戻ると、ヤスシが出迎えてくれた。
「姐さん、申し訳ありません」
「大丈夫よ、彼女さんの借金は、冨樫さんが払ってくれることになったの」
「組長、申し訳ありません」
「ヤスシ、悪いが、彼女を連れて自分のマンションに帰ってくれ」
「はい、失礼します」
ヤスシは彼女を連れてマンションを後にした。
「葉月、シャワーを浴びてこい」
「はい」
葉月はシャワールームに向かった。
冨樫さん、怒ってるよね。
葉月がシャワールームから出てくると、葉月の部屋に入るように促された。
そして、冨樫は部屋に外から鍵をかけた。
「冨樫さん、開けてください、私、許されないことをしたんですよね、
謝って許されないと自覚しています、だから冨樫さんの妻でいる資格ははないです、だから……」
「だから、出て行くとでも言うのか、お前は丸堂を愛したのか」
「違います」
「愛していないけど、丸堂に抱かれ、感じて、最高潮に達したのか」
「違います」
「俺と別れたいのか」
「そんなこと思っていません、でも……」
ドアの向こうから、冨樫のすすり泣く声が聞こえ、ガタンと音がした。
ドアにもたれかかり崩れ落ちる姿が、想像出来た。
「葉月、俺は愛しているお前に、ひどい仕打ちをしている自覚はある、
でも、どうしていいかわからない、お前を生涯監禁して、誰にも触れさせたくない、
俺を許してくれ」
冨樫はドアから離れた。
「冨樫さん、ごめんなさい、ごめんなさい」
葉月は泣き崩れた。
俺は何をしているんだ、これじゃあ、山辺と何一つ変わりないじゃないか。
でも、葉月から自分を離さないと、俺は葉月を犯して、壊してしまいそうだ。
葉月は床に崩れ落ちてそのまま眠ってしまった。
冨樫は望美とのことを思い返していた。
はじめて望美を紹介された時、すごく惹かれた。
極道の孫娘とのことで、俺はすぐに望美を抱いた。
激しく、荒々しく、まるで犯しているかのように……
「葉月、俺はお前を愛している、お前が他の男に抱かれても、お前の中に俺がいなくても、
俺はお前を手放す気持ちはない、お前は生涯、俺の妻だ、覚えておけ」
冨樫は葉月に告げると、葉月を抱えて、エントランスを出ようとした。
「待て、冨樫」
丸堂が冨樫の背中に声をかけた。
「今日の夜まで、葉月は俺のものだ、勝手に連れていっては困る」
「彼女の借金さえ払えば、葉月は関係ないだろう、これ以上葉月を
お前の側にいさせるわけにはいかない、お前を殴りたい気持ちを
抑えている俺を、これ以上掻き乱さないでくれ」
葉月を抱き抱えている冨樫の腕から怒りを感じた葉月だった。
冨樫さんは、言葉は優しいけど、私が勝手なことをして、丸堂さんと
一夜を共にしたことを怒ってる。
冨樫は葉月と共にその場を後にした。
丸堂は何も言えなかった。
しかし、葉月を諦められない気持ちが大きくなっていった。
冨樫は葉月を車に乗せ、発進させた。
冨樫は一言も話さない。
運転する横顔からは、怒りよりも哀しみを感じる葉月だった。
「冨樫さん、勝手なことをしてごめんなさい」
冨樫は葉月に対して、一言もない。
マンションに戻ると、ヤスシが出迎えてくれた。
「姐さん、申し訳ありません」
「大丈夫よ、彼女さんの借金は、冨樫さんが払ってくれることになったの」
「組長、申し訳ありません」
「ヤスシ、悪いが、彼女を連れて自分のマンションに帰ってくれ」
「はい、失礼します」
ヤスシは彼女を連れてマンションを後にした。
「葉月、シャワーを浴びてこい」
「はい」
葉月はシャワールームに向かった。
冨樫さん、怒ってるよね。
葉月がシャワールームから出てくると、葉月の部屋に入るように促された。
そして、冨樫は部屋に外から鍵をかけた。
「冨樫さん、開けてください、私、許されないことをしたんですよね、
謝って許されないと自覚しています、だから冨樫さんの妻でいる資格ははないです、だから……」
「だから、出て行くとでも言うのか、お前は丸堂を愛したのか」
「違います」
「愛していないけど、丸堂に抱かれ、感じて、最高潮に達したのか」
「違います」
「俺と別れたいのか」
「そんなこと思っていません、でも……」
ドアの向こうから、冨樫のすすり泣く声が聞こえ、ガタンと音がした。
ドアにもたれかかり崩れ落ちる姿が、想像出来た。
「葉月、俺は愛しているお前に、ひどい仕打ちをしている自覚はある、
でも、どうしていいかわからない、お前を生涯監禁して、誰にも触れさせたくない、
俺を許してくれ」
冨樫はドアから離れた。
「冨樫さん、ごめんなさい、ごめんなさい」
葉月は泣き崩れた。
俺は何をしているんだ、これじゃあ、山辺と何一つ変わりないじゃないか。
でも、葉月から自分を離さないと、俺は葉月を犯して、壊してしまいそうだ。
葉月は床に崩れ落ちてそのまま眠ってしまった。
冨樫は望美とのことを思い返していた。
はじめて望美を紹介された時、すごく惹かれた。
極道の孫娘とのことで、俺はすぐに望美を抱いた。
激しく、荒々しく、まるで犯しているかのように……
0
お気に入りに追加
137
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。
届かぬ温もり
HARUKA
恋愛
夫には忘れられない人がいた。それを知りながら、私は彼のそばにいたかった。愛することで自分を捨て、夫の隣にいることを選んだ私。だけど、その恋に答えはなかった。すべてを失いかけた私が選んだのは、彼から離れ、自分自身の人生を取り戻す道だった·····
◆◇◆◇◆◇◆
すべてフィクションです。読んでくだり感謝いたします。
ゆっくり更新していきます。
誤字脱字も見つけ次第直していきます。
よろしくお願いします。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
お飾りな妻は何を思う
湖月もか
恋愛
リーリアには二歳歳上の婚約者がいる。
彼は突然父が連れてきた少年で、幼い頃から美しい人だったが歳を重ねるにつれてより美しさが際立つ顔つきに。
次第に婚約者へ惹かれていくリーリア。しかし彼にとっては世間体のための結婚だった。
そんなお飾り妻リーリアとその夫の話。
幸せの見つけ方〜幼馴染は御曹司〜
葉月 まい
恋愛
近すぎて遠い存在
一緒にいるのに 言えない言葉
すれ違い、通り過ぎる二人の想いは
いつか重なるのだろうか…
心に秘めた想いを
いつか伝えてもいいのだろうか…
遠回りする幼馴染二人の恋の行方は?
幼い頃からいつも一緒にいた
幼馴染の朱里と瑛。
瑛は自分の辛い境遇に巻き込むまいと、
朱里を遠ざけようとする。
そうとは知らず、朱里は寂しさを抱えて…
・*:.。. ♡ 登場人物 ♡.。.:*・
栗田 朱里(21歳)… 大学生
桐生 瑛(21歳)… 大学生
桐生ホールディングス 御曹司
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる