32 / 184
第十章 離れて気づく想い
冨樫さんが好き
しおりを挟む
俺は毎日葉月のアパートへ行った。
インターホン越しに葉月の声が聞こえた。
「葉月、冨樫です、何か困ったことはないか」
「大丈夫ですよ」
やはり、この日もドアを開けてくれることはなかった。
「冨樫さん」
葉月から声をかけてくれた。
「なんだ」
「買い物行きたいんですが、ちょっと遠いので、車でお願いしたいんですが、お時間大丈夫ですか」
「大丈夫だ」
俺は奇跡が起きたのかと思った。
ドア越しに話をするだけでもいいと思っていた。
それなのに、買い物に付き合って欲しいと葉月から要望を伝えられ、しかも車でなんて、
テンションが上がった。
しばらくすると、ドアが開いて葉月が姿を現した。
久しぶりにみる葉月の顔は少し不安そうだった。
「葉月」
「わがまま聞いて頂いてありがとうございます」
「こんなのわがままのうちに入らないよ」
車からヤスシが出てきて、葉月に挨拶した。
「葉月さん、お久しぶりです、体調は大丈夫ですか」
「はい、大丈夫です」
俺は後ろのドアを開けて、葉月をエスコートした。
「ありがとうございます」
葉月は車の後部座席に乗り込んだ。
俺は助手席に乗ろうとドアを開けた。
「冨樫さん、後ろに乗ってください」
「いや、しかし……」
「私と一緒は嫌ですか」
「そんなわけないだろう、葉月は俺と一緒で大丈夫か」
「大丈夫です」
葉月は笑顔で答えてくれた。
葉月がアパートに引っ越してから三ヶ月が経っていた。
「冨樫さん、助手席じゃ危険ですもんね」
冨樫は「そうだな」と返事に躊躇していた。
実はこの車は全面防弾ガラスだから、助手席でも問題はないが、
葉月の近くに居たいと思った冨樫は、こんなへんじになった。
車の中は沈黙が流れた。
「なあ、葉月、また車使いたい時は言えよ」
「ありがとうございます」
冨樫はまともに葉月の顔を見られない。
なぜなら、抑えている気持ちが爆発しそうだからだ。
この三ヶ月、ドア越しで、毎日話はしていたが、顔は見ることが出来なかった。
手を引き寄せ抱きしめてしまいそうだったのだ。
「冨樫さん、なんで外ばかり見てるんですか、何かあるんですか」
「いや、別に理由はない」
「それなら、顔見ながらお話ししましょう」
実は葉月はこの三ヶ月、冨樫と離れて、寂しいと感じていた。
私って勝手だよね、怖いって離れたり、寂しいって顔見たくなったり。
心臓がどくどくと早くなっていた。
冨樫さんとキスしたい、冨樫さんに抱いて欲しいなんて思った、やっぱり、
私は淫乱なのかな。
冨樫は顔を見ながらと言われて、葉月の方に向き直った。
目の前に、葉月がいて、もうお抑えがきかない。
インターホン越しに葉月の声が聞こえた。
「葉月、冨樫です、何か困ったことはないか」
「大丈夫ですよ」
やはり、この日もドアを開けてくれることはなかった。
「冨樫さん」
葉月から声をかけてくれた。
「なんだ」
「買い物行きたいんですが、ちょっと遠いので、車でお願いしたいんですが、お時間大丈夫ですか」
「大丈夫だ」
俺は奇跡が起きたのかと思った。
ドア越しに話をするだけでもいいと思っていた。
それなのに、買い物に付き合って欲しいと葉月から要望を伝えられ、しかも車でなんて、
テンションが上がった。
しばらくすると、ドアが開いて葉月が姿を現した。
久しぶりにみる葉月の顔は少し不安そうだった。
「葉月」
「わがまま聞いて頂いてありがとうございます」
「こんなのわがままのうちに入らないよ」
車からヤスシが出てきて、葉月に挨拶した。
「葉月さん、お久しぶりです、体調は大丈夫ですか」
「はい、大丈夫です」
俺は後ろのドアを開けて、葉月をエスコートした。
「ありがとうございます」
葉月は車の後部座席に乗り込んだ。
俺は助手席に乗ろうとドアを開けた。
「冨樫さん、後ろに乗ってください」
「いや、しかし……」
「私と一緒は嫌ですか」
「そんなわけないだろう、葉月は俺と一緒で大丈夫か」
「大丈夫です」
葉月は笑顔で答えてくれた。
葉月がアパートに引っ越してから三ヶ月が経っていた。
「冨樫さん、助手席じゃ危険ですもんね」
冨樫は「そうだな」と返事に躊躇していた。
実はこの車は全面防弾ガラスだから、助手席でも問題はないが、
葉月の近くに居たいと思った冨樫は、こんなへんじになった。
車の中は沈黙が流れた。
「なあ、葉月、また車使いたい時は言えよ」
「ありがとうございます」
冨樫はまともに葉月の顔を見られない。
なぜなら、抑えている気持ちが爆発しそうだからだ。
この三ヶ月、ドア越しで、毎日話はしていたが、顔は見ることが出来なかった。
手を引き寄せ抱きしめてしまいそうだったのだ。
「冨樫さん、なんで外ばかり見てるんですか、何かあるんですか」
「いや、別に理由はない」
「それなら、顔見ながらお話ししましょう」
実は葉月はこの三ヶ月、冨樫と離れて、寂しいと感じていた。
私って勝手だよね、怖いって離れたり、寂しいって顔見たくなったり。
心臓がどくどくと早くなっていた。
冨樫さんとキスしたい、冨樫さんに抱いて欲しいなんて思った、やっぱり、
私は淫乱なのかな。
冨樫は顔を見ながらと言われて、葉月の方に向き直った。
目の前に、葉月がいて、もうお抑えがきかない。
0
あなたにおすすめの小説
【完結済】25億で極道に売られた女。姐になります!
satomi
恋愛
昼夜問わずに働く18才の主人公南ユキ。
働けども働けどもその収入は両親に搾取されるだけ…。睡眠時間だって2時間程度しかないのに、それでもまだ働き口を増やせと言う両親。
早朝のバイトで頭は朦朧としていたけれど、そんな時にうちにやってきたのは白虎商事CEOの白川大雄さん。ポーンっと25億で私を買っていった。
そんな大雄さん、白虎商事のCEOとは別に白虎組組長の顔を持っていて、私に『姐』になれとのこと。
大丈夫なのかなぁ?
壊れていく音を聞きながら
夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。
妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪
何気ない日常のひと幕が、
思いもよらない“ひび”を生んでいく。
母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。
誰も気づきがないまま、
家族のかたちが静かに崩れていく――。
壊れていく音を聞きながら、
それでも誰かを思うことはできるのか。
愛すべきマリア
志波 連
恋愛
幼い頃に婚約し、定期的な交流は続けていたものの、互いにこの結婚の意味をよく理解していたため、つかず離れずの穏やかな関係を築いていた。
学園を卒業し、第一王子妃教育も終えたマリアが留学から戻った兄と一緒に参加した夜会で、令嬢たちに囲まれた。
家柄も美貌も優秀さも全て揃っているマリアに嫉妬したレイラに指示された女たちは、彼女に嫌味の礫を投げつける。
早めに帰ろうという兄が呼んでいると知らせを受けたマリアが発見されたのは、王族の居住区に近い階段の下だった。
頭から血を流し、意識を失っている状態のマリアはすぐさま医務室に運ばれるが、意識が戻ることは無かった。
その日から十日、やっと目を覚ましたマリアは精神年齢が大幅に退行し、言葉遣いも仕草も全て三歳児と同レベルになっていたのだ。
体は16歳で心は3歳となってしまったマリアのためにと、兄が婚約の辞退を申し出た。
しかし、初めから結婚に重きを置いていなかった皇太子が「面倒だからこのまま結婚する」と言いだし、予定通りマリアは婚姻式に臨むことになった。
他サイトでも掲載しています。
表紙は写真ACより転載しました。
アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚
日下奈緒
恋愛
仕事の契約を打ち切られ、年末をあと1か月残して就職活動に入ったつむぎ。ある日街で車に轢かれそうになるところを助けて貰ったのだが、突然週末婚を持ち出され……
【完結】東京・金沢 恋慕情 ~サレ妻は御曹司に愛されて~
安里海
恋愛
佐藤沙羅(35歳)は結婚して13年になる専業主婦。
愛する夫の政志(38歳)と、12歳になる可愛い娘の美幸、家族3人で、小さな幸せを積み上げていく暮らしを専業主婦である紗羅は大切にしていた。
その幸せが来訪者に寄って壊される。
夫の政志が不倫をしていたのだ。
不安を持ちながら、自分の道を沙羅は歩み出す。
里帰りの最中、高校時代に付き合って居た高良慶太(35歳)と偶然再会する。再燃する恋心を止められず、沙羅は慶太と結ばれる。
バツイチになった沙羅とTAKARAグループの後継ぎの慶太の恋の行方は?
表紙は、自作です。
腹黒上司が実は激甘だった件について。
あさの紅茶
恋愛
私の上司、坪内さん。
彼はヤバいです。
サラサラヘアに甘いマスクで笑った顔はまさに王子様。
まわりからキャーキャー言われてるけど、仕事中の彼は腹黒悪魔だよ。
本当に厳しいんだから。
ことごとく女子を振って泣かせてきたくせに、ここにきて何故か私のことを好きだと言う。
マジで?
意味不明なんだけど。
めっちゃ意地悪なのに、かいま見える優しさにいつしか胸がぎゅっとなってしまうようになった。
素直に甘えたいとさえ思った。
だけど、私はその想いに応えられないよ。
どうしたらいいかわからない…。
**********
この作品は、他のサイトにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる