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③
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その時、最上さんが私の腕を掴み引き寄せた。
「誰が梨花を連れて行っていいと言った」
「梨花さんは君を愛しているとは思えない、この結婚には裏があるんじゃないのか」
「へえ、鋭いな、教えてやるよ、梨花は俺の治療と手術を受けた、治療費と手術代、俺が梨花の面倒を見た生活費、引っくるめて五億借金あるんだよ、だからこいつは生涯をかけて、
俺の妻として俺の指示に従ってもらう契約を交わした」
「契約結婚ってことですか」
「そうだ」
「では、その五億の借金、僕が払います、ですから梨花さんと離婚してください」
「本気で言ってるのか」
「僕は本気です」
私は思わず口を挟んだ。
「ちょっと待ってください、五億って嘘ですよね」
「嘘じゃねえ、俺の手術はそう簡単に受けられない、俺の腕前は神の領域を超えてるからな」
「そう言うの自分で言います?」
「俺は天才だ、梨花は幸せ者だぞ、俺の手術を受けられたんだからな」
「梨花さん、僕のマンションへ行きましょう、五億の借金は僕が最上先生に払います」
「純一さん」
「おい、梨花、お前それでいいのか、自分の借金を人に払わせて」
いいわけないけど、私じゃ五億なんて払えないし……
悩んでいる様子を見抜いて、最上さんは私に近づき囁いた。
「俺の側に生涯いるなら借金払わなくていい、何度言わせるんだ」
私が答えに困っていると、最上さんは純一さんに言葉を発した。
「梨花は俺の妻だ、さっさと帰れ」
そう言って私の手を引き寄せその場から連れ出した。
「梨花さん、必ず迎えにきます」
私は後ろ髪を引かれる思いで純一さんの方を振り向いた。
最上さんは私の腰に手を回して「梨花、お前は俺の妻だ、他の男について行くことは許さない」と私を見つめた。
はじめてみる最上さんの真剣な眼差しに息をのんだ。
そしてマンションに向かった。
部屋に入ると、急に最上さんは私の唇を塞いだ。
いきなりキスされたのははじめてのことだ。
いつもは意地悪な言葉を言って、私がキスしてほしいみたいな感じで唇を塞ぐ、なのに今は最上さんが私を求めているように私の唇を奪った。
こんな最上さんを初めて見た。
彼の唇は私の首筋へと移って行った。
「最上さん、どうしたんですか」
「妻を抱くのに理由がいるのか」
「そうじゃなくて、いつもの最上さんと違うから、怒ってるんですか」
「お前が悪い」
「私がなんで悪いんですか」
この時、最上さんの私に対して独占欲が現れたことなど想像もつかなかった。
最上さんは、私を抱き抱えてベッドルームへ運んだ。
ベッドに身体が沈み、キスをされた。
激しい、まるで独占欲剥き出しのような、余裕のない最上さんの態度がちょっと怖かった。
最上さんの唇は私の胸を捉えた。
上半身の服を脱がされて、ブラのホックが外された。
ぷるんと露わになった乳房を、最上さんは両手で形が変わるほど動かした。
「梨花、梨花」
乳房の頂きは、彼の唾液で光っていた。
更に強く乳首を吸われて、私の身体はのけぞった。
そして首筋を強く吸われた。
「痛い」
そして最上さんは手をスカートの中に忍ばせた。
下着は湿り気を帯びて、身体が感じている事をあらわしていた。
下着の中に最上さんの指が入ってきた。
あっという間に指は奥まで入って、クチュ、クチュといやらしい音を立てた。
私ははじめての感覚に、戸惑った。
「最上さん、いや、怖い、やめて」
涙が溢れて止まらなかった。
俺はハアっと気づき我に返った。
「誰が梨花を連れて行っていいと言った」
「梨花さんは君を愛しているとは思えない、この結婚には裏があるんじゃないのか」
「へえ、鋭いな、教えてやるよ、梨花は俺の治療と手術を受けた、治療費と手術代、俺が梨花の面倒を見た生活費、引っくるめて五億借金あるんだよ、だからこいつは生涯をかけて、
俺の妻として俺の指示に従ってもらう契約を交わした」
「契約結婚ってことですか」
「そうだ」
「では、その五億の借金、僕が払います、ですから梨花さんと離婚してください」
「本気で言ってるのか」
「僕は本気です」
私は思わず口を挟んだ。
「ちょっと待ってください、五億って嘘ですよね」
「嘘じゃねえ、俺の手術はそう簡単に受けられない、俺の腕前は神の領域を超えてるからな」
「そう言うの自分で言います?」
「俺は天才だ、梨花は幸せ者だぞ、俺の手術を受けられたんだからな」
「梨花さん、僕のマンションへ行きましょう、五億の借金は僕が最上先生に払います」
「純一さん」
「おい、梨花、お前それでいいのか、自分の借金を人に払わせて」
いいわけないけど、私じゃ五億なんて払えないし……
悩んでいる様子を見抜いて、最上さんは私に近づき囁いた。
「俺の側に生涯いるなら借金払わなくていい、何度言わせるんだ」
私が答えに困っていると、最上さんは純一さんに言葉を発した。
「梨花は俺の妻だ、さっさと帰れ」
そう言って私の手を引き寄せその場から連れ出した。
「梨花さん、必ず迎えにきます」
私は後ろ髪を引かれる思いで純一さんの方を振り向いた。
最上さんは私の腰に手を回して「梨花、お前は俺の妻だ、他の男について行くことは許さない」と私を見つめた。
はじめてみる最上さんの真剣な眼差しに息をのんだ。
そしてマンションに向かった。
部屋に入ると、急に最上さんは私の唇を塞いだ。
いきなりキスされたのははじめてのことだ。
いつもは意地悪な言葉を言って、私がキスしてほしいみたいな感じで唇を塞ぐ、なのに今は最上さんが私を求めているように私の唇を奪った。
こんな最上さんを初めて見た。
彼の唇は私の首筋へと移って行った。
「最上さん、どうしたんですか」
「妻を抱くのに理由がいるのか」
「そうじゃなくて、いつもの最上さんと違うから、怒ってるんですか」
「お前が悪い」
「私がなんで悪いんですか」
この時、最上さんの私に対して独占欲が現れたことなど想像もつかなかった。
最上さんは、私を抱き抱えてベッドルームへ運んだ。
ベッドに身体が沈み、キスをされた。
激しい、まるで独占欲剥き出しのような、余裕のない最上さんの態度がちょっと怖かった。
最上さんの唇は私の胸を捉えた。
上半身の服を脱がされて、ブラのホックが外された。
ぷるんと露わになった乳房を、最上さんは両手で形が変わるほど動かした。
「梨花、梨花」
乳房の頂きは、彼の唾液で光っていた。
更に強く乳首を吸われて、私の身体はのけぞった。
そして首筋を強く吸われた。
「痛い」
そして最上さんは手をスカートの中に忍ばせた。
下着は湿り気を帯びて、身体が感じている事をあらわしていた。
下着の中に最上さんの指が入ってきた。
あっという間に指は奥まで入って、クチュ、クチュといやらしい音を立てた。
私ははじめての感覚に、戸惑った。
「最上さん、いや、怖い、やめて」
涙が溢れて止まらなかった。
俺はハアっと気づき我に返った。
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