お前は俺の指示に従え〜意地悪な外科医との契約結婚

ラヴ KAZU

文字の大きさ
上 下
13 / 29

俺の側にいるって言うに決まってる、なあ、梨花①

しおりを挟む
「じゃ、梨花帰るぞ」

「おい、最上、まだ梨花ちゃんの返事聞いてないぞ」

「俺の側にいるって言うに決まってる、なあ、梨花」

私は思わず「はい」と返事をしていた。

「梨花ちゃん、本当に最上に着いて行っていいのか」

最上さんが横から口を出す。

「梨花、帰るぞ」

そして、私を抱き抱えた。

「しっかり、捕まっていろ」

私は最上さんの首に手を回し、ギュッと抱きついた。

車で最上さんのマンションに着いた。

部屋のソファに座らされて「足、見せろ」そう言って、最上さんは私の足を診察した。

テーピングをして足を冷やしてくれた。

「絶対安静だ、もう動くな」

「はい」

最上さんに怒鳴られて、本当にやな奴って前は思ったけど、今は一緒にいることが出来て嬉しいと思ってる自分がいた。

でも、やっぱり元彼女の事は気になる、いつ離婚されてもおかしくないから、最上さんの側にいていいのは誰ですか?

ねえ、最上さん、あなたは私をどう思っているのですか?




直接聞くのは怖いから心の中で呟いてみる。

「もう一度だけ言う、これが最後だ、いいかよく聞け」

私は何を言われるのか最上さんをじっと見つめた。

「お前は生涯俺の側で俺の指示に従え、そうすれば何も心配ない生活を保障する」

「私はずっと最上さんの側にいていいんですか」

「ああ、俺を好きなんだろ?生涯こき使ってやるから覚悟しろ」

私はコクリと頷いた。

「それから……」

最上さんは話を続けた。

「いいか、安藤には気をつけろ」

安藤さん?どう言う事?

「安藤は俺の医学部の同期だ、そして立花瑞穂の浮気相手だ」

私は最上さんの言葉に愕然とした。

「安藤は俺から立花瑞穂を奪った、その後二人がどうしたのか分からない、しかし、今、一緒にいなのならうまく行かなかったのだろう、でも俺は今更立花瑞穂とやり直す気持ちはさらさら無い、よく覚えておけ」

「分かりました」

「梨花、気安く男の部屋に行くんじゃない」





「気安く行ってなんかいません、気づいたら安藤さんの部屋のベッドに寝ていたんです」

「何もされなかったか」

「多分」

「まっ、梨花じゃ金くれるって言われてもお断りだがな」

「もう、ひどい!」

私は最上さんの胸をぐーパンチした。

最上さんはその手を掴み、私を引き寄せた。

「無事で良かった」

そう言って私の唇を塞いだ。

「ん、ん~ん」

そしてギュッと抱きしめられた。

「最上さん」

最上さんはいつも意地悪な事を言うけれど、熱烈に私の唇を奪う。

でもそこまでで、それ以上先には進まない。

それにしてもまさか安藤さんが立花瑞穂さんの浮気相手だったなんてびっくりした。

やはり、立花さんは最上さんと寄りを戻そうと病院へやって来たのだろうか。

次の日、朝早く最上さんに起こされた。

「いつまで寝てるんだ、起きろ、ご主人様の出勤時間だ」

私はその時夢を見ていた。

最上さんが私にキスする夢。

私は最上さんの首に手を回し、チュッとするため唇をとんがらせて、最上さんに迫った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

忙しい男

菅井群青
恋愛
付き合っていた彼氏に別れを告げた。忙しいという彼を信じていたけれど、私から別れを告げる前に……きっと私は半分捨てられていたんだ。 「私のことなんてもうなんとも思ってないくせに」 「お前は一体俺の何を見て言ってる──お前は、俺を知らな過ぎる」 すれ違う想いはどうしてこうも上手くいかないのか。いつだって思うことはただ一つ、愛おしいという気持ちだ。 ※ハッピーエンドです かなりやきもきさせてしまうと思います。 どうか温かい目でみてやってくださいね。 ※本編完結しました(2019/07/15) スピンオフ &番外編 【泣く背中】 菊田夫妻のストーリーを追加しました(2019/08/19) 改稿 (2020/01/01) 本編のみカクヨムさんでも公開しました。

冤罪から逃れるために全てを捨てた。

四折 柊
恋愛
王太子の婚約者だったオリビアは冤罪をかけられ捕縛されそうになり全てを捨てて家族と逃げた。そして以前留学していた国の恩師を頼り、新しい名前と身分を手に入れ幸せに過ごす。1年が過ぎ今が幸せだからこそ思い出してしまう。捨ててきた国や自分を陥れた人達が今どうしているのかを。(視点が何度も変わります)

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。 だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。 その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

白い結婚は無理でした(涙)

詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、フィリシアは没落しかけの伯爵家の娘でございます。 明らかに邪な結婚話しかない中で、公爵令息の愛人から契約結婚の話を持ち掛けられました。 白い結婚が認められるまでの3年間、お世話になるのでよい妻であろうと頑張ります。 小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。 現在、筆者は時間的かつ体力的にコメントなどの返信ができないため受け付けない設定にしています。 どうぞよろしくお願いいたします。

お飾りな妻は何を思う

湖月もか
恋愛
リーリアには二歳歳上の婚約者がいる。 彼は突然父が連れてきた少年で、幼い頃から美しい人だったが歳を重ねるにつれてより美しさが際立つ顔つきに。 次第に婚約者へ惹かれていくリーリア。しかし彼にとっては世間体のための結婚だった。 そんなお飾り妻リーリアとその夫の話。

夫の書斎から渡されなかった恋文を見つけた話

束原ミヤコ
恋愛
フリージアはある日、夫であるエルバ公爵クライヴの書斎の机から、渡されなかった恋文を見つけた。 クライヴには想い人がいるという噂があった。 それは、隣国に嫁いだ姫サフィアである。 晩餐会で親し気に話す二人の様子を見たフリージアは、妻でいることが耐えられなくなり離縁してもらうことを決めるが――。

処理中です...