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スマホに電話番号が登録させていると言う事は、それなりの知り合いだよね。
結婚した事知られると困る場合だってあるし、契約って説明するのもおかしいよね。
それからしばらくして、安藤さんの部屋のインターホンが鳴った。
「梨花、梨花」
最上さんは部屋のドアを開けて、私に近づいて来た。
「足、見せろ」
「なんでこんな状態になった、説明しろ」
私が答えに困っていると、安藤さんが口を挟んできた。
「主治医交代したいってさ」
「安藤、なんで梨花がお前の部屋にいるんだ」
「梨花ちゃんとどう言う関係だよ」
「梨花は俺の妻だ」
「妻?お前、結婚したのか」
安藤さんは凄い驚きの表情を見せた。
最上さんが結婚するってそんなに驚く事なんだ。
「梨花は連れて帰る」
「ちょっと待て、という事はお前の病院からあの公園まで歩いたって事か」
そう言って安藤さんは私を見た。
そして大きなため息をついた。
「梨花ちゃん、それは無謀ってもんだよ、なんでタクシー使わなかったんだ」
「梨花はどう言うわけだか、俺の言う事に逆らうんだよな」
「違います、これ以上借金が増えたら払えないから」
「だから借金は返さなくてもいいと言ってるだろう」
「だって、彼女と結婚するんですよね」
「誰がそんな事言ったんだ」
「看護師さん達が噂してました、立花瑞穂さんは最上さんと寄りを戻す為に病院へ来たって」
「患者として来ただけだ」
「でも最上さんは彼女と結婚したかったんですよね、私と離婚すればすぐに結婚出来るじゃないですか、そしたら私は最上さんに借金返さないと行けないから」
「それで治療も受けずにタクシーも使わなかったのか」
「だって……」
「だってじゃない、梨花は俺の指示に従っていればいいんだ、そうすれば借金は返さなくていいと何回言わせるんだ」
「おい」と安藤さんが口を挟んだ。
安藤さんは信じられないと言った表情を見せた。
「最上がこんなに言い訳した所ははじめて見たぞ、梨花ちゃんにわかって貰おうと必死に説得してるんだからな、去る者は追わない主義じゃ無かったのか」
「梨花は俺が必要なんだ」
「へえ、必要ねえ」
「それに、梨花が俺を好きだって言ったんだ、俺は別に」
「梨花ちゃん、最上はやめて俺にしなよ、主治医交代、どう?」
「駄目に決まってるだろ、お前は内科医なんだからな」
「借金は俺が最上に返す、だから梨花ちゃんは何も心配しないで、最上と別れて俺のものになれよ」
「駄目だ」
「どうしてだよ、元彼女が戻って来たんだろ、最上は彼女とやり直せよ」
えっ、どうしよう。
このままじゃ、最上さんの側にいられなくなっちゃう。
最上さん、まさかそうしようなんて言わないですよね。
「梨花はどうなんだ、俺の事好きなんだよな、俺の側にいれば借金無しにしてやる、どうする?」
私は最上さんの側にいたい、大好きだから。でも最上さんはどうなんだろう。
俺の側にいれば借金無しにしてやるって言ったよね。
私は自分の気持ちを伝えようとした時、最上さんが先に口を開いた。
結婚した事知られると困る場合だってあるし、契約って説明するのもおかしいよね。
それからしばらくして、安藤さんの部屋のインターホンが鳴った。
「梨花、梨花」
最上さんは部屋のドアを開けて、私に近づいて来た。
「足、見せろ」
「なんでこんな状態になった、説明しろ」
私が答えに困っていると、安藤さんが口を挟んできた。
「主治医交代したいってさ」
「安藤、なんで梨花がお前の部屋にいるんだ」
「梨花ちゃんとどう言う関係だよ」
「梨花は俺の妻だ」
「妻?お前、結婚したのか」
安藤さんは凄い驚きの表情を見せた。
最上さんが結婚するってそんなに驚く事なんだ。
「梨花は連れて帰る」
「ちょっと待て、という事はお前の病院からあの公園まで歩いたって事か」
そう言って安藤さんは私を見た。
そして大きなため息をついた。
「梨花ちゃん、それは無謀ってもんだよ、なんでタクシー使わなかったんだ」
「梨花はどう言うわけだか、俺の言う事に逆らうんだよな」
「違います、これ以上借金が増えたら払えないから」
「だから借金は返さなくてもいいと言ってるだろう」
「だって、彼女と結婚するんですよね」
「誰がそんな事言ったんだ」
「看護師さん達が噂してました、立花瑞穂さんは最上さんと寄りを戻す為に病院へ来たって」
「患者として来ただけだ」
「でも最上さんは彼女と結婚したかったんですよね、私と離婚すればすぐに結婚出来るじゃないですか、そしたら私は最上さんに借金返さないと行けないから」
「それで治療も受けずにタクシーも使わなかったのか」
「だって……」
「だってじゃない、梨花は俺の指示に従っていればいいんだ、そうすれば借金は返さなくていいと何回言わせるんだ」
「おい」と安藤さんが口を挟んだ。
安藤さんは信じられないと言った表情を見せた。
「最上がこんなに言い訳した所ははじめて見たぞ、梨花ちゃんにわかって貰おうと必死に説得してるんだからな、去る者は追わない主義じゃ無かったのか」
「梨花は俺が必要なんだ」
「へえ、必要ねえ」
「それに、梨花が俺を好きだって言ったんだ、俺は別に」
「梨花ちゃん、最上はやめて俺にしなよ、主治医交代、どう?」
「駄目に決まってるだろ、お前は内科医なんだからな」
「借金は俺が最上に返す、だから梨花ちゃんは何も心配しないで、最上と別れて俺のものになれよ」
「駄目だ」
「どうしてだよ、元彼女が戻って来たんだろ、最上は彼女とやり直せよ」
えっ、どうしよう。
このままじゃ、最上さんの側にいられなくなっちゃう。
最上さん、まさかそうしようなんて言わないですよね。
「梨花はどうなんだ、俺の事好きなんだよな、俺の側にいれば借金無しにしてやる、どうする?」
私は最上さんの側にいたい、大好きだから。でも最上さんはどうなんだろう。
俺の側にいれば借金無しにしてやるって言ったよね。
私は自分の気持ちを伝えようとした時、最上さんが先に口を開いた。
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