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梨花が可愛かったからご褒美だ①

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「バカ、俺とキスしたい気持ちはわかるが、俺はその気はない」

なんだ、私の早とちりだった。

でもちょっと気を許した瞬間、最上さんの唇が私の唇を塞いだ。

「んん、ん」

「梨花が可愛かったからご褒美だ」

私はキョトンとして固まった。

「悪いな、午後からの手術はどうしても外せない、許せ」

「はい」

最上さんは急いで病院へ戻った。

ぽつんと一人取り残されて、しばらく最上さんとのキスの余韻に浸っていた。

だって私はキスの経験もない、最上さんがファーストキスの相手だったのである。

お昼過ぎて、お腹が空いてきた。

冷蔵庫を開けると何も入っていない。

最上さんはいつも何を食べているの?

どうしよう。

その時、インターホンが鳴った。l

「コンシェルジュの佐々木です、最上様から頼まれまして、ランチをお持ち致しました」

「はい、今開けます」

ドアを開けると佐々木さんがお弁当を抱えて立っていた。




「冷蔵庫に何も入ってないので、梨花様にランチをお届けする様にと最上様から頼まれました」

「わざわざありがとうございます、ちょうどお腹が空いて、冷蔵庫が空っぽだったので、
どうしようかと思い悩んでいたところでした」

「それはようございました」

「お弁当の代金はおいくらですか」

「最上様より頂戴しておりますのでご安心ください」

でも、病院の支払いは全て払ってくれると言っていたけど、食費は何も言っていなかったよね、帰って来てから払えばいいよね。

「ありがとうございます」

私はお弁当を受け取った。

最上さんはなんだかんだと意地悪みたいな事言ったりするけど、本当は優しい人なのかも。

高級そうなお弁当、頂きます、私はお弁当を頬張った。

なんて美味しいの?

このお肉の柔らかさ、ご飯もお米が立ってる感じで美味しい。

最上さんは、いつもこんな美味しいお弁当食べているのかな。
なんて羨ましい。。

私はお弁当を食べ終えて、ベッドに横になっていた。




そのうち、眠ってしまったみたいで、目が覚めると最上さんが私の顔を覗き込んでいた。

「きゃっ」

「ずっと寝てたのか、いい身分だな」

「すみません、お腹がいっぱいになったら眠くなってしまってつい、うとうとと寝てしまいました」

「まっ、構わないけどな、足、痛みはないか?」

そう言って最上さんは私の足首を確認した。

私は最上さんの真剣な顔をじっと見つめていた。

「おい、そんなに見てると金取るぞ」

「あっ、すみません」

「仕方ないか、俺の顔は最高の出来だからな」

最上さんは自信満々の表情でニヤッと口角を上げた。

「普通、自分で言いませんよ」

「俺は普通じゃないかもな、誰も着いてこないんだから」

「その意地悪な性格直さないと一生独身ですよ」

「お前はずっと俺の側にいるだろう、もう、俺の妻なんだからな」

「そんな事分からないじゃないですか、私が契約解除したいって言ったら、離婚ですよね」

「ほお、俺が支払った金、耳を揃えて返せるのか」
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