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六年後の再会
やんちゃ盛りの力斗
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ひとみは無事に男の子を出産した。
名前は力斗。
あれから五年、力斗はすくすくと成長した。
力也は我妻組組長と我妻コーポレーション社長を務め、忙しい日々を送っていた。
力斗のお守り役はテツである。
やんちゃ盛りで、ひとみは全てテツに頼っていた。
「力斗、なんで女の子をいじめるの?」
「だって……」
「テツ、なんとか言ってあげて」
するとテツは力斗に目線を合わせてこう言った。
「力斗坊ちゃんは、その女の子が好きなんっすよね」
力斗は恥ずかしそうに頷いた。
「自分に振り向いて欲しいっすよね」
二人の会話を聞いて、ひとみは口を挟んだ。
「それなら、逆効果でしょ、女の子は優しくしてくれる男の子を好きになるのよ」
「だって、あいつ、拓馬が好きだって言うんだ」
「三角関係っすね」
テツはそう言って笑った。
「笑い事じゃないわ、五歳で三角関係って早いでしょ」
「姐さん、恋には早いも遅いもないっすよ、姐さんだって……」
テツが言葉を続けようとすると、ひとみはそれ以上言ったらダメと言わんばかりに
テツを睨んだ。
「すんません」
力斗は頭の回転がいい。
「ママをパパと誰かが取り合ったの?」
「そうなんすよ」
テツは力斗に耳打ちした。
「もう、テツ」
ひとみの顔が鬼の形相のようになった。
テツと力斗は逃げるように外に飛び出した。
あれから六年の歳月が流れた。
ひとみは山城とのことを思い返していた。
(山城さん、元気に過ごしているのかな)
自分のせいで、監禁されたり、命を狙われてたひとみを庇い大怪我を負ったり、
ひとみは自分を愛してくれた山城の気持ちをわかっていた。
我妻が「お前は自由の身だ、山城を追いかけてもいいぞ」そう言った時、
山城について行ったら、どうなっていたんだろう。
名前は力斗。
あれから五年、力斗はすくすくと成長した。
力也は我妻組組長と我妻コーポレーション社長を務め、忙しい日々を送っていた。
力斗のお守り役はテツである。
やんちゃ盛りで、ひとみは全てテツに頼っていた。
「力斗、なんで女の子をいじめるの?」
「だって……」
「テツ、なんとか言ってあげて」
するとテツは力斗に目線を合わせてこう言った。
「力斗坊ちゃんは、その女の子が好きなんっすよね」
力斗は恥ずかしそうに頷いた。
「自分に振り向いて欲しいっすよね」
二人の会話を聞いて、ひとみは口を挟んだ。
「それなら、逆効果でしょ、女の子は優しくしてくれる男の子を好きになるのよ」
「だって、あいつ、拓馬が好きだって言うんだ」
「三角関係っすね」
テツはそう言って笑った。
「笑い事じゃないわ、五歳で三角関係って早いでしょ」
「姐さん、恋には早いも遅いもないっすよ、姐さんだって……」
テツが言葉を続けようとすると、ひとみはそれ以上言ったらダメと言わんばかりに
テツを睨んだ。
「すんません」
力斗は頭の回転がいい。
「ママをパパと誰かが取り合ったの?」
「そうなんすよ」
テツは力斗に耳打ちした。
「もう、テツ」
ひとみの顔が鬼の形相のようになった。
テツと力斗は逃げるように外に飛び出した。
あれから六年の歳月が流れた。
ひとみは山城とのことを思い返していた。
(山城さん、元気に過ごしているのかな)
自分のせいで、監禁されたり、命を狙われてたひとみを庇い大怪我を負ったり、
ひとみは自分を愛してくれた山城の気持ちをわかっていた。
我妻が「お前は自由の身だ、山城を追いかけてもいいぞ」そう言った時、
山城について行ったら、どうなっていたんだろう。
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