お前に惚れた〜極道の一途すぎる愛

ラヴ KAZU

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第二十章 ひとみの記憶が消えた

くるみ、どうしたんだ 山城はくるみの態度に怒りを覚えた

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力也はひとみの言葉に喜びを噛み締めていた。

それから力也は毎日、ひとみの病室を訪れた。

ひとみは記憶は戻っていない、でも、力也の優しさに惹かれ始めていた。
そんな矢先、力也は我妻会長から呼び出しを受けた。

「力也、組長襲名パーティーを計画してくれ」

「では、結城に申し伝えます」

「ひとみさんはどうかね、出席出来そうか」

「申し訳ありませんが、入院中なので、控えさせてください」

「そうか、わかった」

力也はやっとの思いで、ここまで来たのに、組長襲名パーティーに連れて行けるわけがないと思った。

姐さんの自覚もなくて、妊娠中でもある。

(ひとみは堅気の世界で生きてきた女だ、俺との極道の世界の記憶はない、無理に決まってるだろう)

ひとみが記憶がないことは、誰にも話してなかった。

そんな時、山城が退院した。

ひとみが入院していることを結城から知らされて、最後の挨拶をしようと、

病院に向かった。

山城はもう二度と、ひとみの前に姿を現さないつもりだった。

ひとみの病室をノックした。

「はい」

山城はまだ松葉杖をついていた。

「くるみ、大丈夫か」

ひとみはキョトンとした表情をしていた。

山城はどうしたんだと、ひとみの表情が理解出来なかった。

「くるみ、どうした」

「あのう、私は我妻ひとみです、どなたかと間違われてるんじゃないでしょうか」

山城はひとみの関係ないと言うような態度に怒りが込み上げてきた。

山城はひとみを引き寄せ抱きしめた。

「くるみ、くるみ」

ひとみは知らない男性が急に入って来て、くるみと叫び、抱きしめられて、

恐怖でしかなかった。

「いや、助けて」

「くるみ、何を言ってるんだ」

騒ぎを聞きつけた看護師が警察に通報して、山城は捉えられてしまった。

その後、力也が病院から連絡を受けて、病院に駆けつけた。

病室へ入ると、ひとみは力也に抱きついた。

「ひとみ、大丈夫だ」

ひとみは力也に抱きついてワンワン泣いた。

力也はしばらくひとみを抱きしめていた。
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