上 下
62 / 104
第十八章 力也とひとみのすれ違う気持ち

ひとみの妊娠をテツに問い詰めた

しおりを挟む
「ひとみ、嘘だろう、本当はどこへ行ったんだ」

「嘘じゃありません、本当に病院へ行ったんです」

ひとみは必死に訴えた。

「それなら、どこの病院へ行ったんだ」

「それは、えっと……」

ひとみはしどろもどろになってしまった。

「もう、いいよ、それで、今日から一緒に寝られるか」

「あのう、しばらくは別でお願いします」

ひとみは子宮に刺激を与えると、流産の危険があると、注意されたので、

安定期に入るまでは、一人で休みたかった。

(ひとみは何を隠しているんだ、テツに吐かせるか)

力也はこれ以上は問い詰めなかった。

次の日、我妻組事務所で、テツを呼び出した。

「テツ、ちょっと顔貸せ」

テツは背筋が凍る思いがした。

「昨日、ひとみとどこの病院へ行ったんだ」

「えっと……」

力也はテツの胸ぐらを掴み、凄みを効かせた。

「テツ、本当のことを言え」

「あ、あのう、駅前の産婦人科です」

「産婦人科?」

力也は思い当たることがある、ひとみを抱いた時、避妊してないと。

「おい、ひとみは妊娠したのか」

「へい、でも若頭には内緒でと言われやした、もう喋っちゃいましたけど」

「なんでだ」

「これも言っちゃダメって言われてやす」

「いいから言え」

「病院へ行った日、若頭が高級車から出てきた女と、その、キスしてたのを見ちゃったんです、姐さん相当ショックの様子で、急いでエレベーターのボタン連打して、
部屋に入ると「何も見ていない、いいわね」って、すごい顔で、そこに若頭が帰ってきたんです」

「そう言うことか」

(ひとみは俺とかえでの仲を勘違いしたんだな、それで、妊娠のことも黙っていたのか、普通、問い詰めるだろう、ひとみはいつも自分が我慢すればと考える女だ、ひとみらしいな)

「今度産婦人科はいつ行くんだ」

「一ヶ月後だそうです」

(そこは本当のことを言ったんだな、風邪で次回一ヶ月後なんてあり得ないだろう)

力也はふふっと笑って、ひとみはなんて可愛いんだと、さらに惚れた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

王女、騎士と結婚させられイかされまくる

ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。 性描写激しめですが、甘々の溺愛です。 ※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

辣腕同期が終業後に淫獣になって襲ってきます

鳴宮鶉子
恋愛
辣腕同期が終業後に淫獣になって襲ってきます

敏腕御曹司の愛が重た過ぎる件

鳴宮鶉子
恋愛
敏腕御曹司の愛が重た過ぎる件

ぽっちゃりOLが幼馴染みにマッサージと称してエロいことをされる話

よしゆき
恋愛
純粋にマッサージをしてくれていると思っているぽっちゃりOLが、下心しかない幼馴染みにマッサージをしてもらう話。

彼氏が完璧すぎるから別れたい

しおだだ
恋愛
月奈(ユエナ)は恋人と別れたいと思っている。 なぜなら彼はイケメンでやさしくて有能だから。そんな相手は荷が重い。

タイプではありませんが

雪本 風香
恋愛
彼氏に振られたばかりの山下楓に告白してきた男性は同期の星野だった。 顔もいい、性格もいい星野。 だけど楓は断る。 「タイプじゃない」と。 「タイプじゃないかもしれんけどさ。少しだけ俺のことをみてよ。……な、頼むよ」 懇願する星野に、楓はしぶしぶ付き合うことにしたのだ。 星野の3カ月間の恋愛アピールに。 好きよ、好きよと言われる男性に少しずつ心を動かされる女の子の焦れったい恋愛の話です。 ※体の関係は10章以降になります。 ※ムーンライトノベルズ様、エブリスタ様にも投稿しています。

凄腕ドクターは私との子供をご所望です

鳴宮鶉子
恋愛
凄腕ドクターは私との子供をご所望です

処理中です...